マンション管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問44 (マンションの建物及び附属施設の構造及び設備 問10)
問題文
ア 排水管の清掃方法である圧縮空気法では、付着物で閉塞した排水管内に水を送り、圧縮空気を放出してその衝撃で付着物を除去する。
イ 飲料用受水槽は、周囲4面と上下2面の外面6面すべてについて点検ができるように設置する。
ウ エレベーターのフルメンテナンス契約において、原則として乗場ドア、三方枠の塗装、かご内装材及び床材の修理等は、その契約に含まれる。
エ 消火器等の機器点検は、1年に1回実施する。
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問題
マンション管理士試験 令和7年度(2025年) 問44(マンションの建物及び附属施設の構造及び設備 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
ア 排水管の清掃方法である圧縮空気法では、付着物で閉塞した排水管内に水を送り、圧縮空気を放出してその衝撃で付着物を除去する。
イ 飲料用受水槽は、周囲4面と上下2面の外面6面すべてについて点検ができるように設置する。
ウ エレベーターのフルメンテナンス契約において、原則として乗場ドア、三方枠の塗装、かご内装材及び床材の修理等は、その契約に含まれる。
エ 消火器等の機器点検は、1年に1回実施する。
- アとイ
- イとウ
- ウとエ
- エとア
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この過去問の解説 (3件)
01
主要設備の「保守・点検・清掃」について横断的に取り上げた問題です。管理実務において極めて重要で、試験でも頻出の知識が問われています。
(ア・適切)本肢は、圧縮空気法の一般的な説明そのままです。まず水を送り込み、次いで圧縮空気を一気に放出するのが特徴。ウォーターラム法とも言います。排水管の清掃方法としては、高圧の水を噴射して管内の汚れ等を除去する「高圧洗浄法」も覚えておきましょう。
(イ・適切)いわゆる「6面点検」のことです。天井・底部・4面の周壁の計6面は、建築物の他の部分と「兼用しない」、つまり、くっつけたりせずに距離を取ります。容易に目視点検や清掃できるスペースを確保するため、天井は1m以上、その他5面は60cm以上の距離を置いて設置しなければなりません。
(ウ・適切でない)エレベーターのフルメンテナンス契約は、POG契約に比べて割高だがカバー範囲は広いのが特徴です。具体的には、機能維持に必要な部品の取替えや修理は月額料金内に含まれます。本肢の<乗場ドア、三方枠の塗装、かご内装材及び床材の修理等>は、機能に直接関係のない装飾的な部分なので、原則として対象外です。
(エ・適切でない)消防用設備等の点検には2種類あります。消火器の配置など外観目視や簡易な操作で異常の有無を確認する「機器点検」と、非常ベルを鳴らしたりスプリンクラーから放水したり実際に作動させて総合的な機能をチェックする「総合点検」です。実施頻度は、機器点検が6か月に1回、総合点検が1年に1回です。非特定防火対象物であるマンションでの点検結果は3年に1回、まとめて消防署長らへ報告します。
本問のような組合せ問題は「流儀」があります。4つの選択肢のうち、2肢を確実に正誤判断できれば、正答できます。
本問で言えば、ほぼ全ての受験生は覚えているであろう絶対的な基礎知識は「イ」の6面点検でしょう。これが適切と確定すれば、正解肢は「イ」を含まない3か4に絞られます。この段階で両方に含まれる「エ」は検討不要になります。「ア」と「ウ」のどちらかが適切または不適切と判断できれば、正解肢を導くことができます。
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02
マンションの設備の保守・点検・清掃に関する組合せ問題です。
なお、記述ア~エについてそれぞれ解説します。
ア 排水管の清掃方法である圧縮空気法では、付着物で閉塞した排水管内に水を送り、圧縮空気を放出してその衝撃で付着物を除去する。
適切
本肢の通りです。
圧縮空気法(ウォーターラム法)による排水管の清掃では、
付着物で閉塞した排水管内に水を注入し、
圧縮空気を放出してその衝撃で付着物を除去します(マR1-45-2)。
イ 飲料用受水槽は、周囲4面と上下2面の外面6面すべてについて点検ができるように設置する。
適切
本肢の通りです。
外部から給水タンク等の天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けることが求められています(S50建設省告示1597号2イ(1))。
ウ エレベーターのフルメンテナンス契約において、原則として乗場ドア、三方枠の塗装、かご内装材及び床材の修理等は、その契約に含まれる。
不適切
昇降機設備の保守契約におけるフルメンテナンス(Full Maintenance)契約とは、
昇降機器の部品取替え、
機器の修理を状況に合わせて行うことを内容とした契約方式ですが、
乗場扉・三方枠の塗装、意匠変更による改造等一定のものは含まれません(管H13-22-ウ)。
エ 消火器等の機器点検は、1年に1回実施する。
不適切
消火器具等の機器点検は、
6月に1回実施します(H16消防庁告示9号3)。
ちなみに、点検事項は各専有部分にも及ぶため、
居住者の協力が必要です。
実務的には以下のように点検実施日を設定することが多く、
1年を通して最低でも1回は各専有部分を点検できるように工夫されています。
点検|頻度|実施日
機器|6月|平日が一般的
総合|1年|土日が一般的
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03
設備の保守点検清掃は、それほど深い知識は必要としませんが、ほぼ知っているかどうかだけなので憶えておくしかありません。
概ね設備ごとの保守点検清掃について出題される内容は決まっているので、過去問で出た内容を中心に憶えておくだけで概ね対応できると思います。
アは「適切でないもの」ではありません。
圧縮空気法(ウォーターラム法)は、閉塞した排水管の詰まりを衝撃波で除去する清掃方法です。
衝撃波は圧縮空気で発生させますが、空気だけだと質量が小さくて衝撃が弱いので、管内に水を満たして圧縮空気の衝撃波を水を経由して付着物に伝えます。
原理的には津波のようなものです。
排水管の清掃方法は、主に以下の3つがあります。
①高圧洗浄法
②ワイヤ清掃法
③圧縮空気法
①高圧洗浄法は、高圧ポンプで昇圧した高圧の水を噴射しその力で管内の汚れを落とす方法です。
要するに、ドイツのK社製が有名なあの機械を使うわけです。
専門業者が使用する機材は、家庭用の高圧洗浄機とは比べ物にならない性能ですが。
高圧洗浄は管内壁の汚れを水流で削るものなので、閉塞した管の詰まりの除去に使用する場合には注意が必要になります。
無造作に高圧の水をぶつけると跳ね返って噴き出す恐れがあります。
②ワイヤ清掃法は、スネークワイヤー法とも言います。
ばねの様な弾性ワイヤーの先端にアタッチメントを取り付けて汚れを削ったり絡めとったりします。
③圧縮空気法は、閉塞管内の詰まりを衝撃波で粉砕するものです。
これは、圧力を利用するので閉塞している詰まりの解消に向いていて、閉塞していない管だと圧力が逃げてしまうので向いていません。
イは「適切でないもの」ではありません。
飲料用受水槽は、おおむね直方体の形状をしていますから、周囲つまり側面の4面と上下の2面の計6面についてすべて点検ができるように設置しなければなりません。
これは常識で判断しても解けると思います。
各面には点検のための空間が必要であり、上面を除く5面は60㎝以上の空間を確保する必要があります。
上面は点検用マンホールがあるので1m以上の空間が必要です。
なお、この点検用マンホールは天井面(つまり、上面)から10㎝以上立ち上げる必要があります。
これは、同じ高さにしてしまうと蓋を開けたときに天井面のほこり等が内部に侵入する恐れが高くなるからです。
なお、この10㎝の立ち上げ部分は、上面の作業空間1mには含みません。
数字もついでに憶えておきましょう。
ウは「適切でないもの」です。
エレベーターの保守契約には、フルメンテナンス契約(FM契約)とPOG契約(Parts, Oil and Grease)の二つがあります。
フルメンテナンス契約には、保守部品交換が入っていますが、意匠部品である乗場ドア(各階のエレベーターシャフトの扉です)及び三方枠(各階のドア枠です。上部と両側の3箇所しかないので三方枠です)の塗装、かご内装床材の修理などは含みません。
大雑把に、エレベーターの正常な動作に直接関係がない部分(言い換えれば、多少壊れてもエレベーターが使えなくならない部分)は入らないと思っておけば良いと思います。
なお、カゴ本体や扉などが壊れた場合は、もはや設備の寿命であり、設備更新、改修が必要です。
設備の更新は「保守」の範疇には入らないと考えて差し支えありません。
ちなみにPOG契約とは、言ってしまえば最低限の消耗品交換までの契約と思っておけばいいと思います。
Partsと言っても、部品一般ではなく、油脂類と同じような消耗部品のことです。
FM契約とPOG契約の比較は次の通りです。
保守の範囲が広い
料金が高め
保守の範囲が狭い
料金は安め
エは「適切でないもの」です。
消火器等の機器点検は6か月に一度実施しなければなりません。
消防設備点検には、年に1度の総合点検と半年に1度の機器点検があります。
機器点検は、主に外観目視等による簡易な点検であり、消火器は容易に外観点検が可能ですから半年に一度の機器点検の検査項目に入っています。
消防庁告示第9号(平成16年5月31日)h16_kokuji9.pdf
「第2 点検の内容及び点検の方法
点検の内容及び点検の方法は、次のとおりとする。(略)
1 機器点検 次の事項について、消防用設備等の種類等に応じ、別に告示で定める基準に従い確認すること。
(1) 消防用設備等に附置される非常電源(自家発電設備に限る。)又は動力消防ポンプの正常な作動
(2) 消防用設備等の機器の適正な配置、損傷等の有無その他主として外観から判別できる事項
(3) 消防用設備等の機能について、外観から又は簡易な操作により判別できる事項」
「第3 点検の期間
(略)
灯、誘導標識、消防用水、非常コンセント設備、連
結散水設備、無線通信補助設備及び共同住宅用非常
コンセント設備
」
以上、「適切でないもの」はウとエです。
アイ共に「適切でないもの」ではありません。
よってこの肢は不正解です。
イは「適切でないもの」ではありません。
よってこの肢は不正解です。
ウは「適切でないもの」です。
ウエ共に「適切でないもの」です。
よってこの肢が正解です。
エは「適切でないもの」です。
アは「適切でないもの」ではありません。
よってこの肢は不正解です。
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