マンション管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問40 (マンションの建物及び附属施設の構造及び設備 問6)
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問題
マンション管理士試験 令和7年度(2025年) 問40(マンションの建物及び附属施設の構造及び設備 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
- 地上5階建てで主要構造部が耐火構造の共同住宅について、各階の居室の床面積の合計が200m2であるものは、避難階以外の階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなくてもよい。
- 地上2階建て延べ面積200m2の鉄筋コンクリート造の共同住宅について、屋外への出口から道に通ずる敷地内の通路の幅員を1.2mとした。
- 避難階とは、地上又は地上に準ずる避難上安全な場所に直接通ずる出入口のある階をいい、敷地と道路又は敷地内に高低差がある場合には、屋上が避難階になることもある。
- 共同住宅のバルコニーについて、形状が連続しており避難経路となっているものには、容易に破壊できる隔て板を設置して居住者のプライバシーを確保し、火災時には隣戸への避難を可能にする。連続していないものについては、住戸から直接避難できる階段や隣戸への通路がないなど、他に安全な避難経路が確保できない場合には、避難器具を設置することとされている。
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この過去問の解説 (3件)
01
マンションの避難計画に関する建築基準法施行令(以下、単に施行令と略します)などの法令の規定がテーマで、特に正解肢は、数値基準の正確な暗記が求められる問題です。
(適切)施行令第121条は<避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段>を設ける場合を、共同住宅では原則、次のように定めています。
①6階以上の階(※居室の床面積を問わない)
②5階以下で、その階の居室の床面積の合計が100㎡を超える
③5階以下で、主要構造部が耐火構造・準耐火構造・不燃材料で造られている場合は、その階の居室の床面積の合計が200㎡を超える
本肢の共同住宅は③が最も近いのですが、<各階の居室の床面積の合計が200㎡>なので、「超える」という基準に該当しません。従って<直通階段を設けなくてもよい>という本肢の記述は適切です。
(適切でない)施行令第128条は<屋外への出口から道に通ずる敷地内の通路の幅員>について、避難ルートを確保する観点から次のように定めています。
①原則:1.5m以上
②例外:階数が3以下かつ延べ面積が200㎡未満の場合は90㎝以上
本肢の<鉄筋コンクリート造の共同住宅>は、地上2階建てで「階数が3以下」ですが、<延べ面積200㎡>ちょうどなので、「未満」という基準に該当しません。このため例外は適用されず、原則通り1.5m以上必要です。<幅員を1.2 mとした>本肢は不適切です。
(適切)施行令第13条1号は「直接地上へ通ずる出入口のある階をいう」と避難階を定義しています。通常は1階ですが、敷地の形状等によっては最上階や<屋上が避難階になることもある>ので、本肢は適切です。
(適切)共同住宅のバルコニーは、平成17年消防庁告示第3号などの関連法令で、避難経路としての使用が以下のように想定されています。同趣旨の本肢は適切です。
・形状が連続しているもの=<容易に破壊できる隔て板を設置して‥、火災時には隣戸への避難を可能にする>
・連続していないもの=<他に安全な避難経路が確保できない場合には、避難器具を設置する>
なお、隔て板に関して、平常時は<居住者のプライバシーを確保>することは副次的な効果です。消防庁告示等の公的資料では直接には言及されていないようです。
正解肢の<避難階または地上に通ずる2つ以上の直通階段>は二方向避難を実現するためです。多くの人が居住している共同住宅では、避難経路が1つだけだと、避難の際に居住者が殺到して二次被害が生じかねません。これを防ぐため2つ以上の避難ルートを確保すべしというルールが二方向避難です。
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02
マンションの避難計画に関する問題です。
適切
たしかに、建築物の避難階以外の階が、
「共同住宅」の用途に供する階で、
その階における居室の床面積の合計が、
「100m2」を超える場合においては、
その階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければなりません(建築基準法施行令121条1項5号)。
しかし、主要構造部が「(準)耐火構造」である建築物又は主要構造部が不燃材料で造られている建築物について前項の規定を適用する場合には、
「200m2超」に緩和されます(建築基準法施行令121条2項)。
本肢の共同住宅は耐火構造で、
200m2超ではないので、
2以上の直通階段を設けなくてもよいです。
よって、本肢は適切です。
不適切
特殊建築物等の敷地内には、
屋外に設ける避難階段及び屋外への出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が、
原則として「1.5m以上」の通路を設けなければならないとされています(建築基準法施行令127、128条)。
よって、本肢は不適切です。
なお、この規定は、
具体的には「共同住宅」等に適用されます(建築基準法35条、別表第一(二))。
ちなみに、階数が3以下で延べ面積が200m2未満の建築物の敷地内にあっては、
「90cm」とされます(建築基準法施行令128条括弧書)。
本肢の場合、「延べ面積200m2」なので、
原則通り「1.5m以上」の通路を設けなければなりません。
適切
「避難階」とは、直接地上へ通ずる出入口のある階をいいます(建築基準法施行令13条1号括弧書)。
敷地と道路又は敷地内に高低差がある場合には、
屋上が避難階になることも理論上はあり得るので、
本肢は適切です。
適切
まず、二方向避難型特定共同住宅等において、
隣接するバルコニー等が隔板等によって隔てられている場合にあっては、
当該隔板等が容易に開放し、除去し、又は破壊することができることが求められます(H17消防庁告示3号3二(四))。
よって、本肢の前文は適切といえます。
また、住戸等において火災が発生した場合に、
当該住戸等が存する階の住戸等に存する者が、
当該階の住戸等から、
少なくとも1以上の避難経路を利用して階段室等まで安全に避難することができることも求められます(H17消防庁告示3号3二(五))。
ただし、バルコニー等に設けられた避難器具により当該階の住戸等から避難階まで避難することができる場合は、
階段室等までの避難経路を必ずしも確保しなくてよいとされています(H17消防庁告示3号3二(五)但書)。
よって、本肢の後文も適切といえます。
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03
本問は、避難計画に関わる建築基準法及び消防法の規定の知識を問う問題です。
建築基準法関係は細かい数字も多く、憶えるのも大変です。
しかも、以上未満なのか超以下なのかという微妙な違いまで憶えないといけないので、労力が掛かります。
一応、どちらが原則かで区別はできるのですが、条文を見ないとどちらが原則か自体判らないことも普通なので、憶えるときの参考程度にしかなりません。
出題数が少ないので最後は捨て問という発想もありだとは思いますが、最初から捨て問はさすがに自殺行為です。
本問の場合、常識で肢を半分に減らせますからまだ解きやすいとは言えますが、最後の正誤の判断が非常に細かい話なのはやはりいやらしい問題です。
「適切でないもの」ではありません。
直通避難路は、居室の床面積の合計が100㎡(主要構造部が準耐火構造又は不燃材料で作られている建築物では200㎡)「以内」であれば1で足ります。「超」える場合には2以上必要です。
「以内」ですから耐火構造ならば200㎡までは1で良いということになります。
建築基準法施行令第121条第「建築物の避難階以外の階が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。
(第1号乃至第4号略)
五 ホテル、旅館若しくは下宿の用途に供する階でその階における宿泊室の床面積の合計、共同住宅の用途に供する階でその階における居室の床面積の合計又は寄宿舎の用途に供する階でその階における寝室の床面積の合計が、それぞれ100平方メートルを超えるもの」
2 主要構造部が準耐火構造である建築物又は主要構造部が不燃材料で造られている建築物について前項の規定を適用する場合には、同項中「50平方メートル」とあるのは「100平方メートル」と、「100平方メートル」とあるのは「200平方メートル」と、「200平方メートル」とあるのは「400平方メートル」とする。
(第3項以下略)」
条文の規定上は、1が原則で、200㎡を超える場合には例外2以上という形式になっています。
実際のところ、純粋に物件数で見れば、共同住宅は小さなアパートが多いために狭い方が原則というのはもっともですが、こと分譲マンションに限定すると、例外の方が多いです。
狭い方が原則であり、区分の線引きの数字は原則の方に入るので、例外は「超」となっています。
「適切でないもの」です。よってこの肢が正解です。
建物の屋外への出口から道路等へ通じる通路の幅は1.5m必要です。
3階以下であれば延べ面積が200㎡「未満」であれば90㎝で足りますが、「未満」ですから200㎡は含みません。
建築基準法施行令第128条「敷地内には、第123条第2項の屋外に設ける避難階段及び第125条第1項の出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5メートル(階数が3以下で延べ面積が200平方メートル未満の建築物の敷地内にあつては、90センチメートル)以上の通路を設けなければならない。」
条文の形式上は、1.5mが原則で、200㎡に満たない場合には例外として90㎝という形式です。
ですから、線引きの数字は原則の方に入るので、例外は「未満」となります。
「適切でないもの」ではありません。
避難階とは、建築基準法上、「直接地上へ通ずる出入口のある階」のことを言いますが、消防庁の通達等の行政文書では、この「地上へ通ずる」を明確化した「地上又は地上に準ずる避難上安全な場所に直接通ずる出入口のある階」を使っています。
本問の記述もこれに沿ったものです。
土地に高低差がある場合、つまり、傾斜地、崖の下側などに物件が存在する場合には、避難階が1階以外の階になることは珍しくありません。
傾斜地に立つ物件で(避難階に該当する)メインエントランスがある階が2階というのはよくあります。
特に崖のような高低差の大きい場所に建っている場合には、屋上が避難階になることも珍しくありません。
建築基準法施行令第13条第1号「避難階(直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。以下同じ。)以外の階にあつては居室から第120条又は第121条の直通階段に、避難階にあつては階段又は居室から屋外への出口に通ずる出入口及び廊下その他の通路」
都内でも例えば国分寺崖線沿いに建つ物件などで屋上が道路に繋がっているような物件が見られることがあります。
共同住宅ではありませんが、熱海にあるホテルリゾーピア熱海は最上階(屋上)が国道からの入口になっています。
「適切でないもの」ではありません。
各住戸のバルコニーが共用廊下のように繋がっている(連続している)場合、プライバシー保護のために各住戸ごとに区分しつつ災害時には避難経路として使用できるように、容易に破壊できる隔て板(蹴破り戸などとも呼びます)を設置しています。
また、連続していないバルコニーには、他に安全な避難経路が確保できない場合には避難器具(避難ハッチ。下階へ降りるための折り畳み式の梯子)を設ける必要があります。
平成17年3月25日消防庁告示第3号
特定共同住宅等の構造類型を定める件(平成17年消防庁告示3) | 告示 | 総務省消防庁
「第三 二方向避難型特定共同住宅等
二 二方向避難型特定共同住宅等は、次に定めるところによるものであること。
(四)隣接するバルコニー等が隔板等によって隔てられている場合にあっては、当該隔板等が容易に開放し、除去し、又は破壊することができ、かつ、当該隔板等に次に掲げる事項が表示されていること。
(イ、ロ及びハ略)
(五)住戸等において火災が発生した場合に、当該住戸等が存する階の住戸等に存する者が、当該階の住戸等から、少なくとも一以上の避難経路を利用して階段室等まで安全に避難することができること。ただし、バルコニー等に設けられた避難器具(避難器具用ハッチに格納された金属製避難はしご、救助袋等の避難器具に限る。)により当該階の住戸等から避難階まで避難することができる場合は、この限りでない。」
一定規模以上(居室の床面積が200㎡を超える場合)の共同住宅は、二方向避難つまり、2系統の避難路が必要です。
この避難路は、玄関を出た先、つまり住戸外に2つあれば足ります。
ですから、玄関から出た廊下に二方向の避難路があるならばそれ以外にバルコニーに避難用設備を設ける必要はありません。
ですから避難ハッチ自体は法令上は設置義務はありません。
しかし、必要な避難経路を確保できない場合には、代替手段としてバルコニーに避難ハッチを設置することができ、また、設置しなければなりません。
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