マンション管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問36 (マンションの建物及び附属施設の構造及び設備 問2)

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問題

マンション管理士試験 令和7年度(2025年) 問36(マンションの建物及び附属施設の構造及び設備 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリートに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
  • 高強度コンクリートは、部材の断面を小さく設計できることから高層マンションの下層階の躯体(くたい)や狭小建築物などに使用される。

  • 建築物に用いられるコンクリートは、ほとんどの場合、工事現場で材料を混ぜる現場調合コンクリートと呼ばれる方法により製造されている。
  • コンクリートは圧縮力に強いが、引張力には弱く、圧縮力の1/10程度しか期待できない。
  • コンクリート用骨材とはコンクリートに用いる砂、砂利、砕石などを指し、粒径により細骨材と粗骨材に分けられる。

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この過去問の解説 (3件)

01

コンクリートに関する基本的な知識を問う問題です。

選択肢1.

高強度コンクリートは、部材の断面を小さく設計できることから高層マンションの下層階の躯体(くたい)や狭小建築物などに使用される。

(適切)高強度コンクリートは、製造時に混ぜる水分を減らすことで強度を高めつつ、化学混和剤を混合することで流動性を確保しています。単に水分を減らすだけだと流動性が落ち、打設時に型枠の隅々にまで行き渡らせにくく、施工が困難になるためです。

 これらの工夫により高強度コンクリートは、普通コンクリートよりも高い強度を実現しました。その結果、本肢にある通り<部材の断面を小さく設計できることから高層マンションの下層階の躯体や狭小建築物などに使用され>ています。

選択肢2. 建築物に用いられるコンクリートは、ほとんどの場合、工事現場で材料を混ぜる現場調合コンクリートと呼ばれる方法により製造されている。

(不適切)本肢の<工事現場で材料を混ぜる現場調合コンクリートと呼ばれる方法>も、かつてはありました。しかし現在は、工場で製造され、まだ固まらない状態の「レディミクストコンクリート(生コン)」を打設現場に運ぶ方式が一般的です。JIS認証を受けた工場で製造されるので、品質が安定しているからです。<建築物に用いられるコンクリートは、ほとんどの場合>現場調合コンクリートだという本肢は不適切です。

選択肢3. コンクリートは圧縮力に強いが、引張力には弱く、圧縮力の1/10程度しか期待できない。

(適切)コンクリートのよく知られた短所について述べており、本肢は適切です。この短所を補うため、引張力に強い鉄筋を中に入れるのが「鉄筋コンクリート」です。引張強度以外のコンクリートの短所として、「ひび割れが生じやすい」「乾燥収縮が大きい」点も押さえておきましょう。

選択肢4. コンクリート用骨材とはコンクリートに用いる砂、砂利、砕石などを指し、粒径により細骨材と粗骨材に分けられる。

(適切)コンクリート用骨材とは、コンクリートを作るためにセメントに混ぜる材料のことで、コンクリートの容積の約70%を占めます。直径5mmを境にして<粒径により細骨材と粗骨材に分けられ>、小さい細骨材は要は<砂>で、大きい粗骨材は<砂利、砕石>です。同趣旨の本肢は適切です。

まとめ

何はともあれ、引張強度が「圧縮力の1/10 程度」という数値は必ず覚えましょう。

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02

コンクリートに関する問題です。

選択肢1.

高強度コンクリートは、部材の断面を小さく設計できることから高層マンションの下層階の躯体(くたい)や狭小建築物などに使用される。

適切

本肢の通りです。

20階以上の超高層マンションは、

「高強度コンクリート」を用いることによって、

鉄骨鉄筋コンクリート造だけでなく、

鉄筋コンクリート造でも建設されています。

選択肢2. 建築物に用いられるコンクリートは、ほとんどの場合、工事現場で材料を混ぜる現場調合コンクリートと呼ばれる方法により製造されている。

不適切

建築物に用いられるコンクリートは、

ほとんどの場合、

「レディーミクストコンクリート」と呼ばれる方法により製造されています。

 

「レディーミクストコンクリート(生コン)」とは、

工場で生産され、

まだ固まらない状態のまま現場にコンクリートミキサー車などで運搬されるコンクリートをいいます。

選択肢3. コンクリートは圧縮力に強いが、引張力には弱く、圧縮力の1/10程度しか期待できない。

適切

本肢の通りです。

「引張力に弱い」というコンクリートの弱点を補うために、

引張強度の高い鉄筋がセットで用いられる、

これが「鉄筋コンクリート構造」です。

選択肢4. コンクリート用骨材とはコンクリートに用いる砂、砂利、砕石などを指し、粒径により細骨材と粗骨材に分けられる。

適切

本肢の通りです。

ちなみに、「骨材の比重」という観点であれば、

普通骨材、軽量骨材、重量骨材に分類されます。

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03

本問は、コンクリートに関する基礎的な知識を問う問題です。
憶えていて当たり前の話ですから、取りこぼしてはなりません。

 

コンクリートとは、セメントで骨材を固めたものです。

セメント+水=セメントペースト
セメントペースト+細骨材(砂など)=モルタル
モルタル+粗骨材(砂利など)=(狭義の)コンクリート

となります。
モルタルは広義のコンクリートの一種です。

 

セメントというのは、本来、物をくっつけて固める(膠着と言います)作用のある材料の総称ですが、一般にセメントと言えば、ポルトランドセメントを指します。
ちなみに、ポルトランドの名前は、最初期のセメントが最高級の建築素材である英ポルトランド島産出の天然石(Portland stone)に似ているということで命名されたものです。

選択肢1.

高強度コンクリートは、部材の断面を小さく設計できることから高層マンションの下層階の躯体(くたい)や狭小建築物などに使用される。

「適切でないもの」ではありません。

 

高層マンションの下層階は荷重が大きいため強度が高い方が望ましいので、高強度コンクリートを使用します。
高強度コンクリートとは、圧縮強度の高いコンクリート(設計基準強度50N/㎟以上)のものを言います。

 

ちなみに問題文に多少語弊があるのですが、確かに同じ強度を確保するのに必要な構造材が減るので部材の断面は小さくできますが、そもそも高層マンションの下層階の部材の断面を上層階よりもことさらに小さくしなければならない要請はありません。
「同じ断面なら強度が高いので高荷重の部分に適している」つまり、「下層階において高荷重に耐えるために上層階よりも部材の量を増やす必要がなく同じ断面のままで良い」から高層マンションの下層階に適しているのです。
高層マンションの下層階に使用する場合、同じ強度で断面が小さくできることに意味があるのではなくて断面を変えずに高荷重に耐えられることに意味があるのです。

 

一方、狭小建築物は、できるだけ空間を広くしたいという要請があるので同じ強度なら部材の断面を小さくできる高強度コンクリートが適しています。

選択肢2. 建築物に用いられるコンクリートは、ほとんどの場合、工事現場で材料を混ぜる現場調合コンクリートと呼ばれる方法により製造されている。

「適切でないもの」です。よってこの肢が正解です。

 

建築物で使用するコンクリートはほとんどの場合、レディミクストコンクリート(Ready-mixed concrete)と呼ばれる工場での品質管理下で製造されるものです。
日本語に訳せば、混合済みコンクリートです。
生コンなどとも呼ばれます。

 

品質を一定に保つためには、混ぜる人によって差が出る現場混合ではなく、工場で指定品質に沿った調合、製造を行う方が良いというのは容易に想像できると思います。

選択肢3. コンクリートは圧縮力に強いが、引張力には弱く、圧縮力の1/10程度しか期待できない。

「適切でないもの」ではありません。

 

コンクリートは圧縮強度は高いですが、比して引張強度は低く、1/10程度しかありません。
 

圧縮強度というのは、大雑把に押しつぶす力に対する耐力です。
引張強度というのは、大雑把に引っ張る力に対する耐力です。
コンクリートを引っ張るというのはピンと来ないかもしれませんが、曲げるということを考えてみると、これは物体の片側を引っ張り、反対側を圧縮している状態です。
ですから、コンクリートの板は荷重がかかって曲がると簡単に折れます。
これは曲げ強度が低いということですが、原理的には引張強度が低いために曲げると引っ張られる側が破断してしまう結果として曲げ強度も低いということになります。

 

そこでコンクリートの引張強度の低さを補うために引張強度の高い鉄筋を使用します。
RC(Reinforced Concrete)は日本語に直訳すれば強化コンクリートですが、コンクリートに鉄筋を入れて引張強度を強化したコンクリートです。
鉄筋以外で強化することはあまりないので強化コンクリートと言えば鉄筋コンクリートということです。

選択肢4. コンクリート用骨材とはコンクリートに用いる砂、砂利、砕石などを指し、粒径により細骨材と粗骨材に分けられる。

「適切でないもの」ではありません。

 

骨材とはセメントに混合してコンクリートを構成する主原料です。

コンクリートは、骨材と呼ばれる「石」(砂、砂利を含む)をセメントで固めたものです。
この「石」は粒径(粒の大きさです)に応じて細骨材と粗骨材に分けられます。
 

5㎜を境に5㎜未満が細骨材、5㎜以上が粗骨材と区別されますが、実際にはある程度の混じりがあるので、細骨材の全ての粒径が5㎜未満に、粗骨材の全ての粒径が5㎜以上に揃っているわけではありません。
ちなみにこの「未満」「以上」は、ふるいの目が5㎜なのでそれを通過するのは「未満」だからです。
どちらが原則という基準ではありません。


なお、冒頭でも書きましたが、セメントに細骨材のみを添加したものがモルタル(広義にはコンクリートの一種)、細骨材と粗骨材を両方添加したものが(狭義の)コンクリートです。

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