マンション管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問33 (管理組合の運営の円滑化 問9)

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問題

マンション管理士試験 令和7年度(2025年) 問33(管理組合の運営の円滑化 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

複合用途型マンションに関する次の記述のうち、マンション標準管理規約(複合用途型)及びマンション標準管理規約(複合用途型)コメント(令和7年10月17日改正)によれば、適切なものはどれか。

令和8年(2026年)4月1日に改正区分所有法が施行されました。これに伴い、現行法に合う形に問題文を一部修正しました。

<参考>

  • 各区分所有者が支払うべき全体管理費の額については、住戸部分のために必要となる費用と店舗部分のために必要となる費用をあらかじめ按分した上で、住戸部分の区分所有者又は店舗部分の区分所有者ごとに各区分所有者の全体共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。
  • 店舗一部共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、店舗部会の総会において、店舗部会の組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。
  • 店舗のシャッターに専用使用権を設定することはできない。
  • 住宅一部管理費及び住宅一部修繕積立金の滞納金の回収のための裁判手続は、住宅部会において行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

複合用途型の標準管理規約(以下、標準規約と略します)は、一般分譲の住居・店舗併用の単棟型マンションを想定し、最もメジャーな「低層階に店舗・上階に住居」という形態を適用対象としています。2階の店舗部分にのみ通じる外階段のような一部共用部分も全体で一元的に管理する前提なので、一部共用部分を管理する主体としての一部管理組合に関する定めはなく、全体の管理組合についてのみ規定しています。

選択肢1. 各区分所有者が支払うべき全体管理費の額については、住戸部分のために必要となる費用と店舗部分のために必要となる費用をあらかじめ按分した上で、住戸部分の区分所有者又は店舗部分の区分所有者ごとに各区分所有者の全体共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。

(適切)標準規約第25条は第1項で、区分所有者に対し「敷地、全体共用部分及び附属施設の管理に要する経費」に充てるための費用として、全体管理費等(全体管理費と全体修繕積立金)の納入を義務付けました。その額の算出方法については第2項で本肢と全く同じように規定しています。本肢は適切です。

選択肢2. 店舗一部共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、店舗部会の総会において、店舗部会の組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。

(不適切)決議の内容や必要な多数は、正誤判断に全く関係ありません。本肢は<店舗部会の総会において>決するという箇所が不適切です。

 標準規約第60条は「店舗部分の区分所有者で構成する店舗部会」を管理組合に置き、部会の組織や運営は「別に部会運営細則に定める」としています。この条文だけだと、全体の管理組合とは別に一部管理組合のように決議をする機関のようにも読めますが、第60条関係コメント①は「住宅部会及び店舗部会は管理組合としての意思を決定する機関ではない」と明言し、「店舗部分の一部共用部分の管理等について協議する組織として位置づけ」ています。部会が何かを決める、という時点で不適切です。

選択肢3. 店舗のシャッターに専用使用権を設定することはできない。

(不適切)標準規約第14条と別表第4で、各店舗の区分所有者は<店舗のシャッター>について専用使用権が認められ、具体的な用法として「営業用広告掲示場所としての用法」が想定されています。<専用使用権を設定することはできない>とする本肢は不適切です。 

選択肢4. 住宅一部管理費及び住宅一部修繕積立金の滞納金の回収のための裁判手続は、住宅部会において行う。

(不適切)本肢の<滞納金の回収のための裁判手続>を行うためには、団体としての意思決定が必要です。住宅部会にはそのような仕組みはないので<住宅部会において行う>という本肢は不適切です。全体の管理組合が行う業務になります。

 標準規約第60条は「住戸部分の区分所有者で構成する住宅部会」を管理組合に置き、部会の組織や運営は「別に部会運営細則に定める」としています。この条文だけだと、全体の管理組合とは別に一部管理組合のように決議をする機関のようにも読めますが、第60条関係コメント①は「住宅部会及び店舗部会は管理組合としての意思を決定する機関ではない」と明言し、「住宅部分……の一部共用部分の管理等について協議する組織として位置づけ」ています。部会が何らかの意思決定をして単独で行う、という時点で不適切です。

まとめ

 本問で、いくつかの選択肢に登場する「部会」は、一部管理組合のような意思決定機関ではありません。何かを決めたり、行ったりすることはありません。

 では「部会」の存在意義は何でしょうか。

 大前提として、住戸部分と店舗部分では全体の管理について利害関係が一致するとは限りません。このため住宅一部共用部分と店舗一部共用部分について、それぞれの区分所有者が部会で協議し、その内容を各部会の意見として「理事会に反映されるような仕組みが、有効であると考えられる」と標準規約第60条関係コメント②は述べています。

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02

適切なのは、全体管理費の額について、住戸部分と店舗部分に必要となる費用をあらかじめ分けたうえで、それぞれの区分所有者の共有持分に応じて算出するという記述です。

複合用途型マンションでは、住戸と店舗で共用部分の使い方や管理に必要な費用が異なることがあります。そのため、全体管理費についても、住戸部分と店舗部分の違いを考えて負担額を決めます。

選択肢1. 各区分所有者が支払うべき全体管理費の額については、住戸部分のために必要となる費用と店舗部分のために必要となる費用をあらかじめ按分した上で、住戸部分の区分所有者又は店舗部分の区分所有者ごとに各区分所有者の全体共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。

適切です。

複合用途型マンションでは、全体共用部分であっても、住戸部分と店舗部分では、利用の程度や管理に必要な費用が異なる場合があります。

そこで、全体管理費の額は、まず、住戸部分のために必要となる費用と店舗部分のために必要となる費用に分けます。

その後、住戸部分の区分所有者同士、店舗部分の区分所有者同士で、全体共用部分の共有持分に応じて負担額を計算します。

例えば、店舗の営業によって設備の使用時間が長くなるなど、住戸と店舗とで費用の発生の仕方が異なる場合に、その違いを負担額へ反映させるための仕組みです。

選択肢2. 店舗一部共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、店舗部会の総会において、店舗部会の組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。

適切ではありません。

店舗部会は、店舗部分の区分所有者が、店舗一部共用部分の管理などについて話し合うための組織です。

しかし、店舗部会は、管理組合としての最終的な意思を決める機関ではありません。

店舗一部共用部分について、形や働きを大きく変える変更を行う場合は、管理組合の総会で決議します。店舗部会だけで決めることはできません。

なお、標準管理規約では、共用部分の形や働きを大きく変える変更は、原則として、総会において、所定の出席要件を満たしたうえで、出席組合員とその議決権のそれぞれ4分の3以上で決議します。

選択肢3. 店舗のシャッターに専用使用権を設定することはできない。

適切ではありません。

標準管理規約では、店舗のシャッターについて、特定の店舗の区分所有者に専用使用権を認めることができます。

専用使用権とは、共用部分でありながら、特定の区分所有者が専ら使用できる権利です。

例えば、各店舗のシャッターを、その店舗の営業用広告を掲示する場所として使用することなどが想定されています。

したがって、店舗のシャッターに専用使用権を設定できないとする点が誤りです。

選択肢4. 住宅一部管理費及び住宅一部修繕積立金の滞納金の回収のための裁判手続は、住宅部会において行う。

適切ではありません。

住宅一部管理費や住宅一部修繕積立金も、管理組合が区分所有者から徴収する管理費等に含まれます。

これらが滞納された場合、住宅部会が裁判手続を行うのではありません。

理事長が、理事会の決議に基づき、管理組合を代表して訴訟などの法的措置を行います。

住宅部会は、住宅一部共用部分の管理などについて協議する組織であり、管理組合に代わって滞納金回収の訴訟を行う組織ではありません。

まとめ

複合用途型マンションでは、住戸部分と店舗部分で、管理費や共用部分の扱いを分けて考える必要があります。

全体管理費は、住戸部分と店舗部分に必要な費用をあらかじめ分けたうえで、それぞれの区分所有者の共有持分に応じて算出します。

住宅部会と店舗部会は、各部分の管理について話し合うための組織ですが、管理組合として最終的な決定をする機関ではありません。

また、店舗のシャッターには専用使用権を設定できます。管理費等の滞納金について裁判手続を行う場合は、理事会の決議に基づき、理事長が管理組合を代表して行います。

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03

本問は、だいたい例年必ず1問は出る標準管理規約(複合用途型)の問題です。
団地型に比べれば複合用途型は押さえておくべき特有の内容は大してありませんからぜひ得点源にしてほしいものです。

 

標準管理規約(複合用途型)が想定するのは、一棟の建物が、店舗と住戸に分かれているタイプです(最も実数の多い物件です)。
実際の物件は特に下層が店舗で上層が住宅という形式の物件が多いです(俗に、「げたばきマンション」と言います)。
そして、この物件全体を単一の管理組合が一元的に管理することを前提とし、建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法)第3条後段に基づいて店舗と住戸についてそれぞれ別々の一部管理組合を設置する建付けにはなっていません
 

したがって、標準管理規約(団地型)の棟総会のような団地管理組合の総会とは別の意思決定機関はありません。
意思決定機関は、全体を管理する唯一の管理組合の総会(とその理事会)だけです。

 

さて前提知識として、
①敷地、全体共用部分及び附属施設=全区分所有者の共有
②一部共用部分
 (1)住宅一部共用部分=住戸部分の区分所有者のみの共有
 (2)店舗一部共用部分=店舗部分の区分所有者のみの共有
ということは押さえておきましょう。

 

標準管理規約(複合用途型)第8条「対象物件のうち共用部分を次のとおり区分し、その範囲は別表第2に掲げるとおりとする。
一 全体共用部分 共用部分のうち次号及び第3号に規定する部分以外の部分をいう。
二 住宅一部共用部分 共用部分のうち住戸部分の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな部分をいう。
三 店舗一部共用部分 共用部分のうち店舗部分の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな部分をいう。」

 

同規約第9条「対象物件のうち敷地、全体共用部分及び附属施設は、区分所有者の共有とする。
2 住宅一部共用部分は、住戸部分の区分所有者のみの共有とする。
3 店舗一部共用部分は、店舗部分の区分所有者のみの共有とする。」


さて、標準管理規約(複合用途型)に特有の問題は、I.費用負担とII.部会の問題です。

 

I.費用負担の問題は、(ア)管理費と修繕積立金がそれぞれ3種類ずつあって計6種類あるということと(イ)その計算方法、及び(ウ)施設使用料等の扱いを押さえておきましょう。

(ア)管理費と修繕積立金はまず全体と一部に分かれ、さらに一部が住宅と店舗に分かれます
つまり、

①全体管理費 ④全体修繕積立金 
一部管理費②住宅一部管理費一部修繕積立金⑤住宅一部修繕積立金
 ③店舗一部管理費 ⑥店舗一部修繕積立金

となります。

 

標準管理規約(複合用途型)第25条第1項「区分所有者は、敷地、全体共用部分及び附属施設の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「全体管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない。
全体管理費
全体修繕積立金」

 

同規約第26条第1項「一部共用部分の管理に要する経費に充てるため、住戸部分の区分所有者にあっては第1号及び第3号に掲げる費用を、店舗部分の区分所有者にあっては第2号及び第4号に掲げる費用を、それぞれ管理組合に納入しなければならない。
住宅一部管理費
店舗一部管理費
住宅一部修繕積立金
店舗一部修繕積立金」

 

この管理費等は、それぞれ区分経理します。

 

同規約第32条「管理組合は、次の各号に掲げる費用ごとにそれぞれ区分して経理しなければならない。
一 全体管理費
二 住宅一部管理費
三 店舗一部管理費
四 全体修繕積立金
五 住宅一部修繕積立金
六 店舗一部修繕積立金」

 

まあ、せっかく分けて集めているのに区分経理しないでどんぶり勘定にしたら無意味ですね。

 

(イ)各費用の計算方法は肢で解説します。

 

(ウ)施設使用料等の扱いは、単棟型とほぼ同じです。
つまり、まずその施設の維持管理に使用し残りは修繕積立金として積み立てます。

 

同規約第33条「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料(以下「使用料」という。)は、それらの管理に要する費用に充てるほか、全体修繕積立金、住宅一部修繕積立金又は店舗一部修繕積立金として積み立てる。」

 

II.部会に関しては、住宅部会と店舗部会を設け、それぞれに関することはそれぞれで協議するという体裁になっています。

詳細は細則で定めます。
 

標準管理規約(複合用途型)第60条「管理組合に、住戸部分の区分所有者で構成する住宅部会及び店舗部分の区分所有者で構成する店舗部会を置く。
2 住宅部会及び店舗部会の組織及び運営については、別に部会運営細則に定めるものとする。」

 

しかし、部会はあくまでも住宅部分、店舗部分それぞれの区分所有者の意見集約のための協議機関であり、意思決定機関ではありません。

 

同規約コメント第60条関係「①住宅部会及び店舗部会は管理組合としての意思を決定する機関ではないが、それぞれ住宅部分、店舗部分の一部共用部分の管理等について協議する組織として位置づけるものである。
②住宅、店舗おのおのから選出された管理組合の役員が、各部会の役員を兼ねるようにし、各部会の意見が理事会に反映されるような仕組みが、有効であると考えられる。」

 

最終的な意思決定(=決議)は全体(管理組合)の総会で行います。

 


なお、一部共用部分に関する規約で全体の利益に関係しないものについての制定改廃は、一部共用部分を共有する組合員の頭数又は議決権のいずれか1/4を超える反対があったときには、することができません
これは、区分所有法第31条第2項を受けた条項です。
ですから、複合用途型に限った話ではなく、単棟型又は団地型であっても一部共用部分があれば同じです。
複合用途型は住宅部分と店舗部分があるのでほぼ確実に一部共用部分がありますから、標準管理規約に入れてあります。
一方、単棟型及び団地型では一部共用部分がないのは普通なので標準管理規約には条項を特に設定していないだけです。

 

標準管理規約(複合用途型)第51条第10項「第3項第1号において、一部共用部分に関する事項で組合員全員の利害に関係しないものについての規約の変更は、当該一部共用部分を共用すべき組合員の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。」

 

同条第3項「次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前2項にかかわらず、組合員総数の過半数であって議決権総数の過半数を有する組合員の出席を要し、出席組合員及びその議決権の各4分の3以上で決する。
規約の制定、変更又は廃止
(第2号以下略)」

 

区分所有法第31条第2項「前条第2項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。」

 

同法第30条第2項「一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。」

 

第30条第2項の規定に基づいて、一部共用部分を共有する区分所有者の規約で定めるようにすることは原則として可能ですが、標準管理規約(複合用途型)は、例外である「全員の規約に定めがある場合」の建付けにしてあります。


ちなみに反対者が1/4超というのは賛成者が3/4以上の裏返しです。
棄権した者を賛成と扱うか反対と扱うかの違い(つまり、決議の成立を容易にしたいのかしたくないのか)でどちら側から規定するかが変わります。

選択肢1. 各区分所有者が支払うべき全体管理費の額については、住戸部分のために必要となる費用と店舗部分のために必要となる費用をあらかじめ按分した上で、住戸部分の区分所有者又は店舗部分の区分所有者ごとに各区分所有者の全体共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。

「適切なもの」です。よってこの肢が正解です。

 

複合用途型物件で、全体管理費は、

①まず住宅部分と店舗部分のそれぞれに按分し、

②次に

 ②(1)住宅部分の全区分所有者の全体共用部分の持分に対する住宅部分の各区分所有者の全体共用部分の持分の割合に応じて住宅部分の全体管理費を、

同様に

 ②(2)店舗部分の全区分所有者の全体共用部分の持分に対する店舗部分の各区分所有者の全体共用部分の持分の割合に応じて店舗部分の全体管理費を割り当てる

という計算をします。

 

つまり、
 

①全体管理費の総額(Mt)=住宅部分の区分所有者が負担する全体管理費の総額(Mr)+店舗部分の区分所有者が負担する全体管理費の総額(Ms)
 

として、
 

②(1)住宅部分の区分所有者の「ある誰か」が負担する全体管理費の額(Mrn)
= Mr × その「ある誰か」の全体共用部分の持分(Srn) / 住宅部分の「全」区分所有者の全体共用部分の持分(Srt)
 

②(2)店舗部分の区分所有者の「ある誰か」が負担する全体管理費の額(Msn)
= Ms × その「ある誰か」の全体共用部分の持分(Ssn) / 店舗部分の「全」区分所有者の全体共用部分の持分(Sst)
 

で計算します。

 

標準管理規約第25条第2項「全体管理費等の額については、住戸部分のために必要となる費用と店舗部分のために必要となる費用をあらかじめ按分した上で、住戸部分の区分所有者又は店舗部分の区分所有者ごとに各区分所有者の全体共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。」

 

同コメント第25条関係及び第26条関係「①全体管理費等の各区分所有者の負担額は、住戸部分及び店舗部分のために必要となる費用をあらかじめ按分した上で、住戸部分のために必要となる費用分については住戸部分の区分所有者の全体共用部分の共有持分の合計に対する各区分所有者の共有持分の割合により算出し、店舗部分のために必要となる費用分については店舗部分の区分所有者の全体共用部分の共有持分の合計に対する各区分所有者の共有持分の割合により算出することとする。
住戸部分及び店舗部分のために必要となる費用の按分は、費用項目を分けた上でその項目ごとに費用発生の原因を勘案し、費用負担として振り分けることが適当である。」

 

なお、条文の全体管理費「等」とは、全体管理費+全体修繕積立金のことです。
ですから、全体修繕積立金の計算方法は全体管理費の計算方法と同じです。

 


ついでに、一部管理費及び一部修繕積立金の計算についても説明しておきます。
こちらは、全体管理費棟と違って按分の必要がありません。
元々それぞれ独立して算出する数字です。
持分割合の計算も全体共用部分ではなく、住宅部分又は店舗部分のそれぞれの一部共用部分で計算します。

 

要するに、2棟の建物があってそれぞれの管理費等を独立して計算しているだけと考えて差し支えありません。
団地型の各棟修繕積立金の計算とやっていることは同じです(団地型では管理費については全体一括だけで各棟ごとには分けませんが、複合用途型の一部管理費の計算方法は一部修繕積立金と同じなので、結局、団地型の各棟修繕積立金の計算方法と同じになります)。

 

同規約第26条第2項「前項各号に掲げる費用(以下「一部管理費等」という。)の額については、住戸部分又は店舗部分の各区分所有者の一部共有部分の共有持分に応じて算出するものとする。」

選択肢2. 店舗一部共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、店舗部会の総会において、店舗部会の組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。

「適切なもの」ではありません。

 

冒頭の解説の通り、標準管理規約(複合用途型)では、意思決定機関は全体総会(及び理事会)だけです。
住宅部会、店舗部会は意思決定機関ではないので、その議決に拘束力はありません。

 

第51条第3項「次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前2項にかかわらず、組合員総数の過半数であって議決権総数の過半数を有する組合員の出席を要し、出席組合員及びその議決権の各4分の3以上で決する。
(第1号略)
敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの及び建築物の耐震改修の促進に関する法律(略)第25条第2項に基づく認定を受けた建物の耐震改修を除く。)
(第3号以下略)」

選択肢3. 店舗のシャッターに専用使用権を設定することはできない。

「適切なもの」ではありません。

 

店舗のシャッターに専用使用権を設定することはできます。


店舗部分の例えば総合エントランスのようなところの入口のシャッターに専用使用権を設定することは通常考えられませんが、各店舗の入口、ショーウィンドウなどのシャッターはその店舗だけが使用するものですから、店舗が自由に使用し、かつ、他人が勝手に使用できないようにする必要性があります。
ですから、設定できないと考えるのは常識を疑われます。

 

標準管理規約(複合用途型)第14条「区分所有者は、別表第4に掲げるバルコニー、玄関扉、シャッター、窓枠、窓ガラス、一階に面する庭、店舗前面敷地及び屋上テラス(以下この条、第21条第1項及び別表第4において「バルコニー等」という。)に
ついて、同表に掲げるとおり、専用使用権を有することを承認する。」

 

別表第4 バルコニー等の専用使用権【一部抜粋】

専用使用部分/

区分

シャッター
1 位 置各店舗の
シャッター
2 専用使用権者○○号室店舗の
区分所有者
3 用 法営業用広告掲示
場所としての用

 

選択肢4. 住宅一部管理費及び住宅一部修繕積立金の滞納金の回収のための裁判手続は、住宅部会において行う。

「適切なもの」ではありません。

 

住宅部会、店舗部会のいずれも意思決定機関ではなく、また、業務執行機関でもありませんから裁判手続きを行うこともできません。


一部管理費等の滞納に対する裁判上の請求を行うにしても、そのための決議は理事会で行い、理事長が訴訟追行します。

 

標準管理規約(複合用途型)第65条第4項「理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる。

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