マンション管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問32 (管理組合の運営の円滑化 問8)
問題文
A棟、B棟、C棟及びD棟の4棟で構成されている団地管理組合の運営に関する次のマンション管理士の発言のうち、区分所有法の規定並びにマンション標準管理規約(団地型)及びマンション標準管理規約(団地型)コメント(令和7年10月17日改正。団地型の規定は同年12月10日に一部修正)によれば、適切なものはどれか。
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問題
マンション管理士試験 令和7年度(2025年) 問32(管理組合の運営の円滑化 問8) (訂正依頼・報告はこちら)
A棟、B棟、C棟及びD棟の4棟で構成されている団地管理組合の運営に関する次のマンション管理士の発言のうち、区分所有法の規定並びにマンション標準管理規約(団地型)及びマンション標準管理規約(団地型)コメント(令和7年10月17日改正。団地型の規定は同年12月10日に一部修正)によれば、適切なものはどれか。
※ 令和8年(2026年)4月1日に改正区分所有法が施行されました。これに伴い元となる設問文を一部改題し、現行法に沿う形に修正しました。
- A棟の共用部分の変更は、A棟の棟総会ではなく、団地総会で決議すべき事項となります。
- B棟の各棟修繕積立金の額の引上げは、B棟の棟総会の決議を経た後に、団地総会で決議すべき事項となります。
- C棟の外壁に団地建物所有者等以外の第三者が落書きした場合、その消去は、C棟で行うべき業務となります。
- D棟の棟総会議事録は、理事長が団地外に居住する区分所有者である場合、棟総会の議長を務めたD棟に居住する区分所有者が保管します。
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この過去問の解説 (2件)
01
団地型の標準管理規約(以下、標準規約と略します)は、一般分譲の住居専用のマンションが数棟所在する団地型マンションを想定し、以下の全ての条件を満たすものを適用対象としています。
ア)団地内にある数棟の建物の全部が区分所有建物であること
イ)建物の敷地が、団地内にある建物の団地建物所有者の共有・準共有に属していること
ウ)団地内にある区分所有建物全部の管理または使用に関する規約が、 団地管理組合で定められていること
区分所有法上の「団地」は、専有部分のない建物(一戸建て)の混在も許容していますが、標準規約は異なります。ウ)の条件により、各棟の建物を含めた団地全体を団地管理組合が一括管理することを前提としていますが、区分所有法では各棟ごとに意思決定しなければならないとされている事項が決まっています。この例外的な事項について意思決定するのが「各棟ごとの区分所有者全員で構成される団体」、すなわち棟総会です。
(適切)本肢の<A棟の共用部分の変更>は、標準規約第29条第1項第3号「棟の共用部分の改良又は変更」に当たります。こうした「特別の管理の実施」は、団地総会の議決事項を定めた標準規約第50条10号に挙げられており、<団地総会で決議すべき事項>という説明は適切です。
(不適切)本肢の<B棟の各棟修繕積立金の額の引上げ>は、団地総会の議決事項を定めた標準規約第50条第6号「管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法」に該当します。このため団地総会の決議のみで足ります。<B棟の棟総会の決議を経た後に>とする本肢は不適切です。
(不適切)標準規約第34条第1号に基づき、団地管理組合は管理対象部分の「清掃」等の業務を行います。本肢の<第三者が落書きした場合、その消去>は、その範囲内なので、団地管理組合の業務です。<C棟で行うべき業務となります>という本肢は不適切です。
(不適切)棟総会議事録について標準規約第74条は、議長に作成義務を課しており、署名等の手続きを行った後「遅滞なく、議事録を理事長に引き渡さなければならない」と第3項で定めています。議事録を保管し、閲覧請求に対応するのは理事長の役目だからです。理事長の居住の有無は問われていません。
<理事長が団地外に居住する区分所有者である場合>であっても、<棟総会の議長を務めたD棟に居住する区分所有者が保管>するという仕組みはありません。本肢は不適切です。
団地型の標準規約の問題は、解説冒頭で説明した全体構造を理解したうえで、例外的に棟総会で決議することを覚えることが、正答への道を開きます。団地総会の議決事項(標準規約第50条)は19項目、棟総会の議決事項(第72条)は6項目なので、少ない後者を暗記する方が効率的でしょう。
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02
正しい記述は、A棟の共用部分の変更は、A棟の棟総会ではなく、団地総会で決議すべき事項となるというものです。
マンション標準管理規約(団地型)では、団地内の各棟の共用部分についても、団地管理組合がまとめて管理します。そのため、共用部分の変更や各棟修繕積立金の額などは、原則として団地総会で決めます。
適切です。
マンション標準管理規約(団地型)では、団地内の土地や附属施設だけでなく、各棟の共用部分も団地管理組合の管理対象とされています。
そのため、A棟の共用部分を変更するときは、A棟の区分所有者だけで構成される棟総会ではなく、団地管理組合の団地総会で決議します。
例えば、A棟の外壁や階段、共用の給排水管などを変更する場合が該当します。
変更の内容が建物の形や働きを大きく変えるものであれば、通常の決議よりも多くの賛成が必要となります。一方、形や働きを大きく変えない工事は、普通決議で決めることができます。
適切ではありません。
各棟修繕積立金は棟ごとに区分して管理されますが、その金額を決めるのは、団地総会です。
マンション標準管理規約(団地型)では、管理費、団地修繕積立金、各棟修繕積立金などの額は、団地総会の決議事項とされています。
したがって、B棟の各棟修繕積立金を引き上げる場合でも、あらかじめB棟の棟総会で決議することは必要ありません。
もちろん、B棟の区分所有者の意見を事前に聞くことはできますが、正式な決定は団地総会で行います。
適切ではありません。
C棟の外壁は、C棟の共用部分ですが、マンション標準管理規約(団地型)では、団地管理組合が管理する部分に含まれます。
団地管理組合は、管理対象となる部分の保全、補修、清掃などを行います。そのため、第三者が外壁にした落書きを消すことは、団地管理組合が行う業務です。
C棟の区分所有者だけで構成される組織が、独自に行うべき業務ではありません。
適切ではありません。
棟総会の議長は、棟総会の議事録を作成し、必要な署名などを受けた後、遅滞なく理事長に引き渡します。
その後、議事録を保管するのは理事長です。
理事長が団地内に住んでいるか、団地外に住んでいるかによって、保管する人が変わることはありません。
したがって、理事長が団地外に住んでいる場合でも、棟総会の議長が議事録を保管するわけではありません。
団地型マンションでは、各棟に関係する事項であっても、すべてを棟総会で決めるわけではありません。
各棟の共用部分の変更、各棟修繕積立金の額、共用部分の清掃や補修などは、団地管理組合が扱う事項です。
一方、棟総会では、建替え、建物の更新、取壊し、義務違反者に対する訴えなど、その棟の区分所有者だけで決める必要がある事項を扱います。
また、棟総会の議事録は議長が作成しますが、作成後に理事長へ引き渡し、理事長が保管することも押さえておきましょう。
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