マンション管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問30 (管理組合の運営の円滑化 問6)

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問題

マンション管理士試験 令和7年度(2025年) 問30(管理組合の運営の円滑化 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

組合員Aが所有する住戸をBに賃貸し、自身はそのマンション外に居住している場合の取扱いに関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

令和8年(2026年)4月1日に改正区分所有法が施行されました。これに伴い、現行法に合う形に解答選択肢を一部修正しました。<参考>

  • Aが管理組合に対し、Bに賃貸した住戸を送付先として届け出ている場合は、Aに対する総会招集通知は当該住戸にあてて送付することができる。
  • 総会でペット飼育を禁止する規約改正を議題とする場合において、Bが住戸内で現に犬を飼っているときは、理事長は、Bに対して個別に総会招集通知を発することを要しないが、区分所有者に対する招集通知を発した後、遅滞なく、その通知内容を所定の掲示場所に掲示しなければならない。

  • 理事会が特定の課題を調査又は検討させるために専門委員会を設置する場合、Bは、当該課題に専門的な知識を有する者であっても、専門委員となることはできない。
  • Bが管理規約に違反して住戸を店舗として使用している場合、理事長は理事会の決議を経て、Bに対しては店舗使用を中止するように、Aに対してはBに店舗使用を中止させるように、それぞれ勧告をすることができる。

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この過去問の解説 (1件)

01

本問のAとBは次の立場になります。

 A=組合員、区分所有者、賃貸人

 B=非組合員、占有者、賃借人

それぞれの立場に応じて、標準管理規約(以下、標準規約と略します)が定めている権利義務が本問のテーマです。

選択肢1. Aが管理組合に対し、Bに賃貸した住戸を送付先として届け出ている場合は、Aに対する総会招集通知は当該住戸にあてて送付することができる。

(適切)本肢は、組合員たるAと管理組合の間のルールで、Bは無関係です。標準規約第43条第2項は、総会招集通知について「管理組合に対し組合員が届出をしたあて先に発するものとする」と定めています。本肢のAは、自己が所有していて<Bに賃貸した住戸を送付先として届け出ている>ので、その住戸へ送付することができるという記述は適切です。

選択肢2.

総会でペット飼育を禁止する規約改正を議題とする場合において、Bが住戸内で現に犬を飼っているときは、理事長は、Bに対して個別に総会招集通知を発することを要しないが、区分所有者に対する招集通知を発した後、遅滞なく、その通知内容を所定の掲示場所に掲示しなければならない。

(適切)本肢は、占有者たるBと管理組合の間のルールで、Aは無関係です。賃借人であるBは「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者」に当たり、標準規約第45条第2項により「会議の目的につき利害関係を有する場合には、総会に出席して意見を述べることができ」ます。非組合員であるBに議決権はありませんが、<住戸内で現に犬を飼っている>Bにとって <ペット飼育を禁止する規約改正を議題とする>総会は、明らかに利害関係があるからです。

 その意見陳述権を行使するか否か、総会の日時や議題、議案の要領などといった招集通知の内容が分からなければBは判断できません。標準規約第43条第7項は、組合員であるAへ通知を発した後「遅滞なく、その通知の内容を、所定の掲示場所に掲示しなければならない」と理事長に義務付けました。同趣旨の本肢は適切です。

選択肢3. 理事会が特定の課題を調査又は検討させるために専門委員会を設置する場合、Bは、当該課題に専門的な知識を有する者であっても、専門委員となることはできない。

(適切でない)本肢は、非組合員たるBと管理組合(内の専門委員会)の間のルールで、Aは無関係です。 標準規約第55条関係コメントは、専門委員会の構成員について「検討対象に関心が強い組合員を中心」としつつ、「必要に応じ検討対象に関する専門的知識を有する者(組合員以外も含む。)の参加を求めることもできる」と例外を認めています。

 本肢のBは<当該課題に専門的な知識を有する者>で、参加可能な立場ですから、本肢の<専門委員となることはできない>という記述は適切ではありません。

選択肢4. Bが管理規約に違反して住戸を店舗として使用している場合、理事長は理事会の決議を経て、Bに対しては店舗使用を中止するように、Aに対してはBに店舗使用を中止させるように、それぞれ勧告をすることができる。

(適切)A・Bと管理組合の間のルールです。<Bが管理規約に違反して住戸を店舗として使用している場合>、義務違反者であるBに加えて、Aも一定の責任を負います。第三者であるBに賃貸する場合、Bに管理規約を遵守させる義務をAは負っているからです(標準規約第19条)。具体的には標準規約第67条第1項で「区分所有者……又は専有部分の貸与を受けた者」、つまり本肢のAとBの双方に対して、理事長は、理事会の決議を経て「その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができ」ます。

 住戸の店舗使用を是正するには、Bには直接、店舗使用中止を求め<Aに対してはBに店舗使用を中止させるように>勧告するのが典型的でしょう。同趣旨の本肢は適切です。

まとめ

現に居住している以上は、非組合員であってもBは管理組合のルールに服する、というのが本問全体のテーマです。正解肢だけは、居住の有無とは関係のない定めであることに注意が必要です。

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