マンション管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問29 (管理組合の運営の円滑化 問5)

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問題

マンション管理士試験 令和7年度(2025年) 問29(管理組合の運営の円滑化 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

総会の招集に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。

令和8年(2026年)4月1日に改正区分所有法が施行されました。これに伴い、現行法に合う形に解答選択肢を一部修正しました。

<参考>

  • 会議の目的が建替え決議である総会の招集の通知は、あて先の届出のない組合員に対しては、その内容を所定の掲示場所に掲示することをもって、これに代えることができる。
  • 会議の目的が建物敷地売却決議である総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の1か月前までに、会議の日時、場所及び目的を示して、組合員に通知を発しなければならない。

  • 理事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
  • 区分所有法第59条に基づく区分所有権の競売の請求に関する訴訟提起を会議の目的とする総会を招集するときは、会議の日時、場所及び目的を通知すれば足り、議案の要領を通知することを要しない。

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この過去問の解説 (2件)

01

標準管理規約(以下、標準規約と略します)は2025年10月、大幅に改正されました。26年4月の改正区分所有法施行に先立ち、法改正に対応した形です。本問は、総会の招集手続きに関する標準規約第43条について出題されていますが、この第43条も改正されており、改題しています。

選択肢1. 会議の目的が建替え決議である総会の招集の通知は、あて先の届出のない組合員に対しては、その内容を所定の掲示場所に掲示することをもって、これに代えることができる。

(適切)総会の招集通知は、組合員が管理組合に届け出た「あて先」に送るのが原則です(標準規約第43条第2項)。ただし、本肢の<あて先の届出のない組合員>や対象物件内に居住する組合員については「その内容を所定の掲示場所に掲示することをもって、これに代えることができる」と標準規約第43条第3項は認めています。第2項や第3項は会議の目的には言及していないので、<建替え決議>のように重大な議案であっても、同様に適用されます。同趣旨の本肢は適切です。

選択肢2.

会議の目的が建物敷地売却決議である総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の1か月前までに、会議の日時、場所及び目的を示して、組合員に通知を発しなければならない。

(不適切)本肢の<建物敷地売却決議>は、マンションと敷地をまとめて一括で売却するマンション再生手法の一つです(区分所有法第64条の8)。標準規約第43条第1項は、組合員に総会招集通知を発する時期について「少なくとも会議を開く日の2週間前(会議の目的がマンション再生等に係る決議であるときはか月前)」と定めており、マンション再生に係る決議なのに<1か月前>としている本肢は不適切です。

選択肢3. 理事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。

(不適切)<管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるとき>に臨時総会を招集できるのは、監事です(標準規約第41条第3項)。理事にはそのような権限はないので、本肢は不適切です。

選択肢4.

区分所有法第59条に基づく区分所有権の競売の請求に関する訴訟提起を会議の目的とする総会を招集するときは、会議の日時、場所及び目的を通知すれば足り、議案の要領を通知することを要しない。

(不適切)本肢のポイントは「議案の要領の通知」です。令和7年度本試験で出題された当時は、要領の通知は特定の議案に限られており<区分所有権の競売の請求に関する訴訟提起>は対象外でした。しかし改正により、すべての議案について「会議の日時、場所……、目的及び議案の要領」の通知が必須となりました(標準規約第43条第1項)。本肢は改題により<議案の要領を通知することを要しない>としており、不適切です。

まとめ

本問の「議案の要領の通知」が代表的ですが、26年4月1日施行の改正区分所有法では、意思決定のルールなど管理組合の運営の「土台」となる部分が変わっています。管理規約をそのままにしていると、改正法に抵触するおそれがあります。改正法施行に先立って標準規約を改めたのは、「管理規約の見直し」を管理組合に促す狙いです。それほど重要な区分所有法と標準管理規約の改正、令和8年度本試験で出題されることは必至でしょう。

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02

適切なのは、建替え決議を目的とする総会の招集通知について、あて先の届出がない組合員には、所定の掲示場所への掲示をもって通知に代えることができるという記述です。

標準管理規約では、総会の招集通知を送るあて先の届出がない組合員については、マンション内の専有部分の所在地に通知することとされていますが、その通知を所定の掲示場所への掲示に代えることもできます。この取扱いは、建替え決議を目的とする総会でも同じです。

選択肢1. 会議の目的が建替え決議である総会の招集の通知は、あて先の届出のない組合員に対しては、その内容を所定の掲示場所に掲示することをもって、これに代えることができる。

適切です。

総会の招集通知は、組合員が管理組合に届け出たあて先に送ります。

あて先の届出がない組合員については、原則として、その組合員が所有するマンション内の専有部分の所在地に通知します。

ただし、標準管理規約では、あて先の届出がない組合員に対する通知を、所定の掲示場所への掲示に代えることができます。

建替え決議を目的とする総会であっても、この取扱いが除外されるわけではありません。

なお、建替え決議は重要な決議であるため、招集通知は、少なくとも総会を開く日の2か月前までに行う必要があります。

選択肢2.

会議の目的が建物敷地売却決議である総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の1か月前までに、会議の日時、場所及び目的を示して、組合員に通知を発しなければならない。

適切ではありません。

建物敷地売却決議は、建替え決議などと同じく、マンション再生等に係る決議に含まれます。

そのため、招集通知は、少なくとも総会を開く日の2か月前までに発しなければなりません。1か月前では足りません。

また、通知には、会議の日時、場所、目的だけでなく、議案の要領も示す必要があります。

さらに、建物敷地売却を必要とする理由や、売却しない場合に建物の効用を維持・回復するために必要となる費用など、標準管理規約で定められた事項も通知しなければなりません。

選択肢3. 理事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。

適切ではありません。

管理組合の業務の執行や財産の状況に不正があると認めたときに、臨時総会を招集できるのは、理事ではなく監事です。

監事は、管理組合の業務や財産の状況を調べ、その結果を総会に報告する役割を持っています。

一方、理事長は、必要があると認めるときに、理事会の決議を経て臨時総会を招集できます。

したがって、一般の理事が自分の判断だけで臨時総会を招集できるとする点が適切ではありません。

選択肢4.

区分所有法第59条に基づく区分所有権の競売の請求に関する訴訟提起を会議の目的とする総会を招集するときは、会議の日時、場所及び目的を通知すれば足り、議案の要領を通知することを要しない。

適切ではありません。

標準管理規約では、総会の招集通知に、原則として次の事項を示す必要があります。

・会議の日時

・会議の場所

・会議の目的

・議案の要領

区分所有権の競売請求は、対象となる区分所有者に大きな影響を与える重要な決議です。

そのため、日時、場所、目的だけを知らせればよいわけではなく、どのような内容を決議しようとしているのかが分かる議案の要領も通知しなければなりません。

まとめ

総会の招集通知は、原則として、日時、場所、目的及び議案の要領を示して行います。

建替え決議や建物敷地売却決議などのマンション再生等に係る決議については、通常の総会よりも早く、少なくとも総会を開く日の2か月前までに通知しなければなりません。

一方、あて先の届出がない組合員については、招集通知の内容を所定の掲示場所に掲示することで、個別の通知に代えることができます。

また、管理組合の業務や財産に不正がある場合に臨時総会を招集できるのは、理事ではなく監事であることも覚えておきましょう。

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