マンション管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問26 (管理組合の運営の円滑化 問2)

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問題

マンション管理士試験 令和7年度(2025年) 問26(管理組合の運営の円滑化 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

Aが所有している住戸において天井部分から漏水が生じた場合に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。
  • 漏水を発見したAは、A所有の住戸の使用に支障が生じ、緊急を要するときは、理事長の承認を得ることなく、共用部分である天井部分につき保存行為を実施することができる。
  • 漏水の原因を調査するために上階のB所有の住戸やBの専用使用部分内に立ち入る必要があるときは、理事長は、B所有の住戸等への立入りをBに請求することができる。
  • 原因調査のための立入請求に対し、Bが正当な理由なくこれを拒否し、その結果共用部分に損害が生じたときは、Bは、その損害を賠償しなければならない。
  • 調査の結果、Bが専用使用権を有する屋上テラスの経年劣化による破損が漏水の原因であることが判明したときは、Bがその責任と負担において当該破損部分の修繕を実施しなければならない。

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この過去問の解説 (1件)

01

漏水トラブルという具体的な事例に標準管理規約(以下、標準規約と略します)がどのように対応しているのか、時系列に沿って出題されています。本問は実践的な問題と言えるでしょう。

選択肢1. 漏水を発見したAは、A所有の住戸の使用に支障が生じ、緊急を要するときは、理事長の承認を得ることなく、共用部分である天井部分につき保存行為を実施することができる。

(適切)Aの立場に立って考えてみましょう。<Aが所有している住戸において天井部分から漏水が生じた場合>、まずは漏水を止めなくては、まともに生活できません。<住戸の使用に支障が生じ、緊急を要するとき>に、天井部分が共用部分であるとはいっても、理事長の承認を待ってはいられません。

 標準規約第21条第3項は「敷地及び共用部分等の保存行為」に関して、理事長の承認を受けなければ行うことができないという原則に続いて、「専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない」と例外を認めています。本肢のAの保存行為はこれに該当しますから、<実施することができる>という本肢は適切です。

選択肢2. 漏水の原因を調査するために上階のB所有の住戸やBの専用使用部分内に立ち入る必要があるときは、理事長は、B所有の住戸等への立入りをBに請求することができる。

(適切)理事長の立場に立って考えてみましょう。漏水の原因を突き止めなければ次の手が打てません。

 標準規約第23条第1項は、理事長ら「管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分若しくは専用使用部分への立入り‥‥を請求することができる」と定めています。漏水の原因調査は「管理を行うために必要な範囲内」であることは明らかですから、<B所有の住戸等への立入りをBに請求することができる>という本肢は適切です。

選択肢3. 原因調査のための立入請求に対し、Bが正当な理由なくこれを拒否し、その結果共用部分に損害が生じたときは、Bは、その損害を賠償しなければならない。

(適切)Bの立場に立って考えてみましょう。理事長がいきなり訪ねてきて、立ち入りを請求されたら、戸惑うのは無理もありません。「正当な理由」があれば、今は無理ですと断ることもできるでしょう。

 標準規約第23条第2項は、立ち入り請求を受けたBについて「正当な理由がなければこれを拒否してはならない」と条件付きで義務を課しました。そうした一定の配慮を示した上で、返す刀で「正当な理由なく立入り‥‥を拒否した者は、その結果生じた損害を賠償しなければならない」と第3項は定めています。同趣旨の本肢は適切です。

選択肢4. 調査の結果、Bが専用使用権を有する屋上テラスの経年劣化による破損が漏水の原因であることが判明したときは、Bがその責任と負担において当該破損部分の修繕を実施しなければならない。

(適切でない)管理組合の立場に立って考えてみましょう。漏水の原因が調査の結果<Bが専用使用権を有する屋上テラスの経年劣化による破損>と分かったのだから、本肢のように、Bに修繕をさせることで一件落着‥‥としたいところですが、それで良いでしょうか。専用使用権が設定されているとはいえ、屋上テラスはバルコニーなどと同様に共用部分なのです。

 標準規約第21条第1項本文は「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする」と定めています。さらに、同条関係コメント⑤は「バルコニー等の経年劣化への対応については‥‥管理組合がその責任と負担において、計画修繕として行うものである」と明示しています。

 Bの使い方に過失があったのならば話は別ですが、共用部分の経年劣化は、管理組合が責任を負うべきです。本肢は適切ではありません。

まとめ

漏水トラブルでは、原因が専有部分(枝管等)にあるのか、共用部分(縦管や防水層)にあるのかの切り分けが重要です。管理組合は規約を順守し、原因調査から修繕まで迅速に対応することが、被害の拡大を防ぐ鍵となります。

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