マンション管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問22 (マンションの管理に関する法令及び実務 問22)
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問題
マンション管理士試験 令和7年度(2025年) 問22(マンションの管理に関する法令及び実務 問22) (訂正依頼・報告はこちら)
- 簡易専用水道の設置者は、給水栓における水質について、2年以内ごとに1回、定期に水質検査業者の検査を受けなければならない。
- 簡易専用水道の設置者は、水槽の掃除を、3年以内ごとに1回、定期に行うとともに、水槽の点検等有害物、汚水等によって水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講じなければならない。
- 簡易専用水道の設置者は、給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準の項目のうち必要なものについて検査を行わなければならない。
- 簡易専用水道は、貯水槽水道のうち、水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が100m3を超えるものをいう。
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この過去問の解説 (3件)
01
分譲マンションでは、市町村水道局などの水道事業者から受け取った水を敷地内の受水槽にいったん貯めて、そこから共用配管を通じて専有部分の蛇口まで給水するのが一般的です。いったん貯めるので貯水槽水道と言いますが、このうち、水道事業者から供給される水だけを水源とし、受水槽の有効容量が10立方メートルを超える場合、「簡易専用水道」と呼ばれます(水道法第3条第7項)。
受水槽や高置水槽、ポンプ、共用配管などの設備については、設置者・管理者である管理組合が管理責任を負い(水道法第34条の2)、水道法の規制を受けます。その規制内容が本問のテーマです。
(誤り)簡易専用水道の設置者である管理組合は、水道法第34条の2第2項に基づき<定期に水質検査業者の検査を受けなければならない>のですが、その頻度は水道法施行規則第56条で「毎年一回以上」と決められています。<2年以内ごとに1回>という本肢は誤りです。
(誤り)簡易専用水道の設置者である管理組合は、水道法第34条の2第2項に基づき水道を管理しなければならず、その管理基準について水道法施行規則第55条は次の4つを挙げています。
①水槽の掃除を毎年一回以上定期に行うこと。
②水槽の点検等有害物、汚水等によつて水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講ずること。
③給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準に関する事項のうち必要なものについて検査を行うこと。
④供給する水が人の健康を害するおそれがあることを知つたときは、直ちに給水を停止し、かつ、その水を使用することが危険である旨を関係者に周知させる措置を講ずること。
本肢は①と②に触れていますが、①の清掃の頻度を<3年以内ごとに1回>と誤っています。
(正しい)簡易専用水道の設置者である管理組合は、水道法第34条の2第2項に基づき水道を管理しなければならず、その管理基準について水道法施行規則第55条は次の4つを挙げています。
①水槽の掃除を毎年一回以上定期に行うこと。
②水槽の点検等有害物、汚水等によつて水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講ずること。
③給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準に関する事項のうち必要なものについて検査を行うこと。
④供給する水が人の健康を害するおそれがあることを知つたときは、直ちに給水を停止し、かつ、その水を使用することが危険である旨を関係者に周知させる措置を講ずること。
本肢は③と同旨であり正しいです。
(誤り)水道法第3条第7項は簡易専用水道について、受水槽の有効容量の合計が「政令で定める基準以下のものを除く」と定義しており、その基準について水道法施行令第2条は「有効容量の合計が十立方メートル」と定めています。10立法メートル以下を除くので、10立法メートル超が簡易専用水道に該当することになります。<有効容量の合計が100m3を超えるもの>とする本肢は誤りです。
この数値基準は頻出で、前年度(令和6年度)問22でも「簡易専用水道は…有効容量の合計が10m3を超えるものをいう>と、正しい選択肢として出題されました。
貯水槽水道のうち、簡易専用水道の主な要件は次の二つでした。
①水道事業者から供給される水だけを水源とする
②受水槽の有効容量が10立方メートルを超える
井戸水などの自己水源を含む場合は①を満たしませんが、給水対象者100人超などの基準を満たせば「専用水道」に当たり、やはり水道法の規制を受けます。受水槽の有効容量が10立方メートル以下だと②を満たさず水道法の対象外になりますが、自治体の条例などで規制されます。
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02
毎年1問は出題される水道法に関する問題です。
下表の通り、全体像を把握したうえで問題を解きましょう。
専用水道:20m3超
----------------
|簡易専用水道:10m3超
貯水槽水道|-----------
|
誤
簡易専用水道の設置者は、
当該簡易専用水道の管理について、
定期に、地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者の検査を受けなければなりません(水道法34条の2第2項)。
上記の検査は、「毎年」1回以上定期に行うもの
とされています(水道法施行規則56条1項)。
誤
簡易専用水道の設置者は、
国土交通省令で定める基準に従い、
その水道を管理しなければなりません(水道法34条の2第1項)。
具体的な基準は、次に掲げるものとされています(水道法施行規則55条1,2号)。
一 水槽の掃除を「毎年」1回以上定期に行うこと。
二 水槽の点検等有害物、汚水等によって水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講ずること。
正
簡易専用水道の設置者は、
国土交通省令で定める基準に従い、
その水道を管理しなければなりません(水道法34条の2第1項)。
具体的な基準は、次に掲げるものとされています(水道法施行規則55条3号)。
三 給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準に関する省令の表の上欄に掲げる事項のうち必要なものについて検査を行うこと。
誤
まず、 「貯水槽水道」とは、
水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であって、
水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいいます(水道法14条2項5号)。
上記の「貯水槽水道」のうち、「簡易専用水道」とは、
水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が「10m3」を超えるものをいいます(水道法3条7項、施行令2条)。
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03
水道法は細かい定義を憶えるのが面倒なのですが、過去問に出題されたところを抑えておけば概ね対応できると思います。
本問に関する限り、ほぼ常識だけでも正解できます。
その意味でサービス問題です。
水道法の規制の主な対象である水道の分類は大雑把に以下の3つです(要件等省略があります)。
①水道事業用の水道
水道事業の用に供する水道のことです。
水道事業とは、簡単に言えば一定規模以上の不特定多数相手の需要に応じて水道で水を供給する事業を言います。
②専用水道
水道事業用以外で一定規模以上のものです。
水源は水道事業用の水道(上水道)でも自家水源(主に地下水)でも構いません。
③簡易専用水道
水源は上水道のみで有効容量が10ℓを超える貯水槽(*)を使用する水道のうち専用水道にならない規模のものです。
もちろん水道事業用でもありません。
(*)貯水槽の有効容量が10ℓ以下のものは、④小規模貯水槽水道と言います。
これは、水道法の直接的な規制の対象でありません。
③+④=⑤貯水槽水道
です。
つまり、貯水槽水道は貯水槽の大きさによって、水道法の規制を受ける簡易専用水道と、(直接的には)水道法の規制を受けない(なお、条例等による規制は別です)小規模貯水槽水道があるということです。
簡易専用水道及び小規模貯水槽水道(つまり、貯水槽水道)は、水源が上水のみなので、水源が自家水源の場合で専用水道にならないものというのももちろんあります。⑥簡易給水水道と言います。
水道法の直接的な規制外の水道は他にもありますが、試験対策としては上の6つの区別がつけば十分でしょう。
ちなみに元々、水道事業用の水道と専用水道以外は水道法の規制対象外だったのですが、集合住宅が増えるにつれて規制対象外の物件が増えてきて問題が生じたために規制対象として簡易専用水道を追加したという経緯があります。
そのため、定義が元々あった水道事業用の水道等「以外」という形式になっています。
ところで、最近増えつつある上水道直結の水道直結増圧方式は、「ナントカ水道」ではなく単なる「給水装置」扱いです。
戸建て(又はごく小規模な共同住宅)の水道は増圧しない(つまり水道本管の水圧そのまま)水道直結直圧方式であることが多いですが、それと同じです。増圧しているかどうかだけの違いです。
水道法の「ナントカ水道」とは、自前の水源を使用するか、上水道のみを水源とする場合には貯水槽にいったん水を貯めるものを言うと思って構いません。
要するに、水質管理の必要性が高い水道です。
一方、直結式は水道本管から新鮮な水をほぼリアルタイムで供給するので単なる給水装置と同じであり、給水の水質の維持は問題になりません。
直結式で規制すべきことは、水質よりも水道本管に悪影響を与えることがないようにすることです。
例えば、水道本管に逆流しない(水道本管の水を汚染する恐れがある)とか、本管の水圧が下がりすぎないようにする(他の供給先の水圧が低下し水の出が悪くなる。あるいは、最悪水道本管が潰れる)とかを目的にした規制です。
「正しいもの」ではありません。
簡易専用水道の設置者は、年に1回以上、定期に「地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者」の検査を受ける必要があります。
水道法第34条の2第2項「簡易専用水道の設置者は、当該簡易専用水道の管理について、国土交通省令(簡易専用水道により供給される水の水質の検査に関する事項については、環境省令)の定めるところにより、定期に、地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない。」
同法施行規則第56条第1項「法第34条の2第2項の規定による検査は、毎年1回以上定期に行うものとする。」
水質検査の期間が2年はちょっと長いだろうと感じると思います。
その程度の感覚的な理解で十分です。
検査は年1くらいはやりなさいということです。
なお、厳密なことを言うと「水質検査業者」というのは水道法上の概念ではないので、水道法の水質検査資格者である「地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者」とは限らないと考えると、その意味でも正しくないと言えます。
他に明確な誤りがあるので、気にするほどのことではありません。
「正しいもの」ではありません。
簡易専用水道の設置者は、年に1回以上、定期に水槽の掃除を実施しなければなりません。
水道法第34条の2第1項「簡易専用水道の設置者は、国土交通省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければならない。」
水道法施行規則第55条「法第34条の2第1項に規定する国土交通省令で定める基準は、次に掲げるものとする。
一 水槽の掃除を毎年1回以上定期に行うこと。
(第2号以下略)」
水槽の掃除が3年はさすがに長すぎると感じると思います。
その程度の感覚的理解で構いません。
掃除は年に1度はやりなさいということです。
なお、後段の「水槽の点検等有害物、汚水等によって水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講じなければならない」は条文そのままです。
同規則第55条第2号「水槽の点検等有害物、汚水等によつて水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講ずること。」
「正しいもの」です。よってこの肢が正解です。
簡易専用水道の設置者は、給水栓(要するに水道の蛇口です)から吐出した水に、色、濁り、臭い、味その他の状態から異常があると認めた場合、必要な検査をしなければなりません。
多くの物件で管理員が月又は週に1度、水質検査を行っていると思いますが、まさに視覚嗅覚味覚で検査しています。
その他に残留塩素濃度の検査をすることもあります。
水道法第34条の2第1項「簡易専用水道の設置者は、国土交通省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければならない。」
水道法施行規則第55条「法第34条の2第1項に規定する国土交通省令で定める基準は、次に掲げるものとする。
(第1号及び第2号略)
三 給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準に関する省令の表の上欄に掲げる事項のうち必要なものについて検査を行うこと。
(第4号略)」
これは細かく知らなくても常識的に考えて特におかしいところはないので正しいと判断できると思います。
「正しいもの」ではありません。
簡易専用水道は貯水槽水道の一種ですが、その受水槽の容量が10㎥を「超える」ものを言います。
水道法第3条第7項「この法律において「簡易専用水道」とは、水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であつて、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう。ただし、その用に供する施設の規模が政令で定める基準以下のものを除く。」
同法施行令第2条「法第3条第7項ただし書に規定する政令で定める基準は、水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が10立方メートルであることとする。」
10㎥「以下」を除くのですから、10㎥「超」が簡易専用水道になります。
ちょっと想像してみてください。
1㎥は一辺が1mの立方体です。
100㎥はこれが100個分になるのですが、かなり大きいということが想像できると思います。
よく見かける小規模な一棟建てのマンションの屋外設置の受水槽はそこまで大きくありません。
そうするとこの数字は大きすぎると感覚的に判断できます。
大きいものは地下に設置されることもよくあります。
ちなみに受水槽の容量を決めるのに、1日の1人当たりの水の使用量は200~350ℓで計算します。
受水槽の容量は、1日の水の使用量の半分程度に設定します。
すると100㎥というのは、1日の水の使用量が200,000ℓくらいという想定ですから、300~500人くらいの水を賄える量です。上水道のみを水源とする専用水道の供給人数の下限が100人超であり、受水槽容量の下限が100㎥超ですから、簡易専用水道としては限界に近い規模です。
いくらなんでも大きすぎます。
なお、冒頭解説の通り、貯水槽の有効容量10㎥以下のもの(基本的には水道法の規制対象外)を小規模貯水槽水道と呼びます。
貯水槽水道=簡易専用水道+小規模貯水槽水道
です。
ところで余談ですが、「以下のものを除く」となっているのは、冒頭の解説で述べた通り、元来貯水槽水道は原則として法規制がなかったところ、事故が発生したために規制の対象としたという経緯があり、従来通り規制しない場合を原則に類するものとして、規制する場合を新たに追加した例外的なものとして扱っているからです。
そのため、原則と例外の線引きの境界線である「10㎥」(ちなみに最初の規制時は20㎥でした)は規制外である原則に含めてあるので、規制されるのは「超える」部分となっています。
境界は原則に入れるというのは立法的にはよくある話です。
もっとも、条文の体裁としてはただし書で除外しているので法文の形式的にはこちらが例外に見えます。
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