マンション管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問20 (マンションの管理に関する法令及び実務 問20)

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問題

マンション管理士試験 令和7年度(2025年) 問20(マンションの管理に関する法令及び実務 問20) (訂正依頼・報告はこちら)

都市計画法(昭和43年法律第100号)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 準都市計画区域については、都市計画に特別用途地区を定めることができない。
  • 都市再開発の方針は、市街化区域内において、計画的な再開発が必要な市街地について定める。
  • 高層住居誘導地区は、第一種中高層住居専用地域において定めることができる。
  • 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び上水道を定めるものとされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

都市計画法(以下、単に法と略します)の基礎的な知識を問う過去問レベルの問題です。

選択肢1. 準都市計画区域については、都市計画に特別用途地区を定めることができない。

(誤り)準都市計画地域は、都市計画区域の区域のうち「そのまま‥‥放置すれば、将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域」を都道府県が指定したものです(法第5条の2)。高速道路のインターチェンジ周辺や郊外の幹線道路沿いなどが具体例です。計画的に街づくりを進める段階にはないので都市計画区域だけれど、交通の便が良いと乱開発が懸念されるので、指定により、土地の開発や一定の建築物の建築等を規制します。

 こうした準都市計画区域の都市計画には法第8条第2項により、用途地域や特別用途地区を定めることができます。<都市計画に特別用途地区を定めることができない>とする本肢は誤りです。

選択肢2. 都市再開発の方針は、市街化区域内において、計画的な再開発が必要な市街地について定める。

(正しい)本肢は、法第13条第1項第3号と全く同旨で、正しいです。

選択肢3. 高層住居誘導地区は、第一種中高層住居専用地域において定めることができる。

(誤り)高層住居誘導地区について定めた法第9条第17項によると「第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域」のうち、容積率が10分の40又は10分の50と定められたエリアが対象です。中高層住居専用地域は対象外なので<中高層住居専用地域において定めることができる>という本肢の記述は誤りです。

 高層住居誘導地区は 「住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導する」ため地区で、そもそも住居と住居以外の建物が混在しています。一方、中高層住居専用地域はその名の通り住居専用の地域なので相いれない、と考えると記憶しやすいでしょう。

選択肢4. 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び上水道を定めるものとされている。

(誤り)法第13条第1項第11号が「市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び下水道を定めるもの」としており、下水道ではなくて<上水道>とした本肢は誤りです。典型的なひっかけですね。

 道路、公園及び下水道などといった都市を構成する上での基本的な施設は「都市施設」と法で定義されており、ガス供給施設・学校・図書館・病院・保育所等も含まれます。住居系の用地地域では上の三つに加えて、義務教育施設も必ず定めることになっています。また、本肢のような都市計画区域のみならず、特に必要があるときは都市計画区域外でも都市施設を定めることができます(法第11条第1項)。

まとめ

 二つの選択肢に登場する法第13条(都市計画基準)は、都道府県や市町村が具体的な都市計画を策定する際に守るべき基準を定めたものです。国の上位計画に適合させつつ、都道府県等による恣意的な計画を許容しないことにより、全国的に一定の秩序ある市街地形成を図る狙いです。

 都市計画法を学んだことがあれば、誰もが一度は聞いたことがある「市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとする」という有名なフレーズも、この法第13条第1項第17号に登場します。

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02

毎年1問は出題される都市計画法に関する問題です。

選択肢1. 準都市計画区域については、都市計画に特別用途地区を定めることができない。

準都市計画区域については、都市計画に、

下記に掲げる地域又は地区を定めることができます(都市計画法8条2項)。

 

①用途地域

②「特別用途地区」

③特定用途制限地域

④高度地区

⑤景観地区

⑥風致地区

⑦緑地保全地域

⑧伝統的建造物群保存地区

選択肢2. 都市再開発の方針は、市街化区域内において、計画的な再開発が必要な市街地について定める。

都市再開発の方針は、

市街化区域内において、

計画的な再開発が必要な市街地について定めます(都市計画法13条1項3号)。

選択肢3. 高層住居誘導地区は、第一種中高層住居専用地域において定めることができる。

高層住居誘導地区は、第一種中高層住居専用地域においては定めることができません。

高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、

利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、

下記の用途地域において、

建築物の容積率の最高限度、

建築物の建蔽率の最高限度及び建築物の敷地面積の最低限度を定める地区とされています(都市計画法9条17項)。

 

①第一種住居地域

②第二種住居地域

③準住居地域

④近隣商業地域

⑤準工業地域

選択肢4. 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び上水道を定めるものとされている。

市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、

少なくとも道路、公園及び「下水道」を定めるものとします(都市計画法13条1項11号)。

 

ちなみに、下記の用途地域については、

義務教育施設をも定めるものとしています(都市計画法13条1項11号)。

 

①第一種低層住居専用地域

②第二種低層住居専用地域

③田園住居地域

④第一種中高層住居専用地域

⑤第二種中高層住居専用地域

⑥第一種住居地域

⑦第二種住居地域

⑧準住居地域

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03

都市計画法はほぼ暗記科目で、言葉の定義を憶えるばかりで退屈を覚える人も多いかも知れません。
暗記量の割に出ても1問と考えて捨ててしまうのも受験対策としてはありではないかと思います。
せいぜい過去問だけ回して断片的な知識で解ければ儲けものくらいでも十分な気がします。

選択肢1. 準都市計画区域については、都市計画に特別用途地区を定めることができない。

「正しいもの」ではありません。

 

準都市計画区域については、特別用途地区を定めることができます。

 

準都市計画区域に定めることができる地域地区は、
①用途地域
②特別用途地区
③特定用途制限地域
④高度地区
⑤景観地区
⑥風致地区
⑦緑地保全地域
⑧伝統的建造物群保存地区
です。

 

都市計画法第8条「都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区を定めることができる。
一 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域(以下「用途地域」と総称する。)
二 特別用途地区
二の二 特定用途制限地域
(第2号の3及び第2号の4略)
三 高度地区又は高度利用地区
(第4号乃至第5号の2略)
六 景観法(略)第61条第1項の規定による景観地区
七 風致地区
(第8号乃至第11号略)
十二 都市緑地法(略)第5条の規定による緑地保全地域、同法第12条の規定による特別緑地保全地区又は同法第34条第1項の規定による緑化地域
(第13号及び第14号略)
十五 文化財保護法(略)第143条第1項の規定による伝統的建造物群保存地区
(第16号略)
2 準都市計画区域については、都市計画に、前項第1号から第2号の2まで、第3号(高度地区に係る部分に限る。)、第6号、第7号、第12号(都市緑地法第5条の規定による緑地保全地域に係る部分に限る。)又は第15号に掲げる地域又は地区を定めることができる

 

同条第3項第2号ト「高度地区 建築物の高さの最高限度又は最低限度(準都市計画区域内にあつては、建築物の高さの最高限度。次条第18項において同じ。)」

 

大雑把に言えば、準都市計画区域は、「都市計画区域と都市計画区域外の緩衝地帯」です。
ですから、積極的な開発を前提とする地域地区街区は趣旨に反するので定めることができません。


①用途地域は、どこにどんな建築物が建てられるかという基本的な区分けなので、定めることができます。
②特別用途地区は、用途地域を補完するものですからこれも定めることができます。
③特定用途制限地域も、用途地域外の建築規制ですから、用途地域+特別用途地区と並んで開発を抑制する目的で定めることができます。
④高度地区は用途地域内で高さ制限によって乱開発を抑制するために定めることができます。
開発抑制が目的なので、最高限度のみを定めることができ、最低限度を定めることができません。
⑤景観地区⑥風致地区⑦緑地保全地域⑧伝統的建造物群保存地区については、名前から想像がつく通り、開発を抑制して自然や古くからの建造物などを保全するところなので定めることができます。

 

宅建試験辺りで時々出ますが、防火地域、準防火地域は定めることができません。
そもそも防火地域等は、建物が密集する市街地において火災及び延焼防止のためのものなので、開発を抑制している準都市計画区域内にそのような場所はないはずだからです。

選択肢2. 都市再開発の方針は、市街化区域内において、計画的な再開発が必要な市街地について定める。

「正しいもの」です。よってこの肢が正解です。

 

条文そのままです。
都市開発の方針は、市街化区域内において計画的な再開発が必要な市街地について定めます。

 

都市計画法第13条第1項第3号「都市再開発の方針は、市街化区域内において、計画的な再開発が必要な市街地について定めること。」

 

開発ですから、もともと開発が済んでいるはずの場所です。
市街化調整区域は市街化を抑制するのが目的ですから、そんな場所で都市開発はするはずがありません。
また、計画的に再開発をするからその方針が必要なので、計画的にやらないなら不要なのは当然です。

そういうわけで、聞いたことがなくても常識で考えて当たり前の話と言えます。

選択肢3. 高層住居誘導地区は、第一種中高層住居専用地域において定めることができる。

「正しいもの」ではありません。

 

高層住居誘導地区は、住居「専用」地域に定めることはできません。

 

都市計画法第9条第17項「高層住居誘導地区は、住居と住居以外の用途とを適正に配分し、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域でこれらの地域に関する都市計画において建築基準法第52条第1項第2号に規定する建築物の容積率が10分の40又は10分の50と定められたものの内において、建築物の容積率の最高限度、建築物の建蔽率の最高限度及び建築物の敷地面積の最低限度を定める地区とする。」

 

そもそも住居「専用」でないために住居と非住居が混在する用途地域内において、住居と非住居の配置を適正化する目的で建蔽率、容積率を優遇して高層住宅の建築を誘導するために定めるのが高層住居誘導地区です。
ですから、住居が中心である住居「専用」地域にはわざわざ定める意味がありません。

選択肢4. 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び上水道を定めるものとされている。

「正しいもの」ではありません。

 

市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園、及び「下」水道を定めます。

 

都市計画法第13条第1項第11号「都市施設は、土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案して、適切な規模で必要な位置に配置することにより、円滑な都市活動を確保し、良好な都市環境を保持するように定めること。この場合において、市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び下水道を定めるものとし、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び田園住居地域については、義務教育施設をも定めるものとする。」

 

上水道と下水道、どちらが大切かと言えば、下水です。
下水道が整備できないと環境が悪化します。
上水道は、ないとしても不便なだけです。

ですから上水道があるのに下水道がないということはないと思って構いません。
 

もっとも、実際に開発するときは、上水道も定めます。
あくまでも都市計画段階では不要というだけで、開発許可の要件としては上水道の整備は必須です。

 

同法第33条第1項第4号「主として、自己の居住の用に供する住宅の建築の用に供する目的で行う開発行為以外の開発行為にあつては、水道その他の給水施設が、第2号イからニまでに掲げる事項を勘案して、当該開発区域について想定される需要に支障を来さないような構造及び能力で適当に配置されるように設計が定められていること。(後段略)」

 

この問題が「上下水道を定める」になっていたら難問です。

・下水道は常に必要。

・上水道は都市計画段階では不要、(自己使用を除く)開発段階では必要。

憶えておきましょう。

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