マンション管理士 過去問
令和7年度(2025年)
問18 (マンションの管理に関する法令及び実務 問18)

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問題

マンション管理士試験 令和7年度(2025年) 問18(マンションの管理に関する法令及び実務 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

区分建物の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  • 数個の専有部分に通ずる廊下(例えば、マンションの各住戸に通ずる廊下)又は階段室、エレベーター室は、共用部分である旨の登記をすることはできない。
  • 共用部分に対する各共有者の持分は、規約で別段の定めがない場合、その有する専有部分の壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積として登記された床面積の割合による。
  • 専有部分の所有権の移転登記がされた場合、当該専有部分の区分所有者が持分を有する共用部分についても、第三者に対抗することができる。
  • 区分建物が属する一棟の建物とは別棟の建物で、一棟の建物の附属の建物である倉庫は、共用部分である旨の登記をしなくても、共用部分であることを第三者に対抗することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

<不動産登記法及び区分所有法>にまたがる問題です。単にく共用部分>と書かれている箇所が、法定共用部分なのか規約共用部分なのかを見極める区分所有法の基礎知識と、その区分に応じた登記の要否などといった不動産登記法の知識が問われています。

選択肢1. 数個の専有部分に通ずる廊下(例えば、マンションの各住戸に通ずる廊下)又は階段室、エレベーター室は、共用部分である旨の登記をすることはできない。

(正しい)本肢の<廊下‥‥又は階段室、エレベーター室>は典型的な法定共用部分です。区分所有法第4条第1項で「区分所有権の目的とならないものとする」と定められており、独立した不動産として取引の対象になることはありません。誰が見ても「共用」と分かるので公示する必要もないため、不動産登記制度の対象外です。<共用部分である旨の登記をすることはできない>という本肢は正しいです。

選択肢2. 共用部分に対する各共有者の持分は、規約で別段の定めがない場合、その有する専有部分の壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積として登記された床面積の割合による。

(正しい)本肢では<規約で別段の定めがない>ので、区分所有法第14条の原則通り「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による」ことになります(第1項)。この専有部分の床面積については、第3項が「壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による」と定めています。「内法面積」という基準で、本肢は全く同じフレーズですので正しい内容になります。

選択肢3. 専有部分の所有権の移転登記がされた場合、当該専有部分の区分所有者が持分を有する共用部分についても、第三者に対抗することができる。

(正しい)本肢の<専有部分の区分所有者が持分を有する共用部分>については、区分所有法第15条が規定しています。共用部分の持分は専有部分の処分に従い(第1項)、専有部分と分離して持分を処分することは原則できません(第2項)。<専有部分の所有権の移転登記がされた場合>には共用部分の持分も移転するので、<共用部分についても、第三者に対抗することができる>とした本肢は正しいです。

選択肢4. 区分建物が属する一棟の建物とは別棟の建物で、一棟の建物の附属の建物である倉庫は、共用部分である旨の登記をしなくても、共用部分であることを第三者に対抗することができる。

(誤り)結論から言うと、本肢の<別棟の建物で、一棟の建物の附属の建物である倉庫>は規約共用部分に当たり、その旨の登記をしなければ第三者に対抗することはできません。<登記をしなくても、共用部分であることを第三者に対抗することができる>という記述は誤りです。以下、規約共用部分であることと、その登記の要否・仕方を順に解説します。

 

1) 区分所有法第4条第2項は、区分所有権の対象である「建物の部分」、つまり専有部分となりうる部分と、「附属の建物は、規約により共用部分とすることができる」と規定しています。本肢の倉庫は<附属の建物>なので、みんなで使うとルールを定めれば規約共用部分とすることができます。

2)第4条第2項は後段で「その旨の登記をしなければ、これをもって第三者に対抗することができない」と定めました。専有部分となりうる部分や本肢の倉庫のように独立した別棟は、法定共用部分とは異なり、外見上は共用部分かどうかが分かりません。そのため第三者に対抗するには、登記で公示する必要があります。

3)不動産登記法第44条第1項は「建物の表示に関する登記の登記事項」を定めていて、第6号で「建物が共用部分‥‥であるときは、その旨」を挙げています。法定共用部分は登記できませんから、この「共用部分」とは結果的に、登記可能な規約共用部分を意味することになります。表示に関する登記なので表題部に記録されます。

まとめ

床面積の算出基準には、「内法面積」の他に、もう一つ「壁芯面積」があります。「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積」のことです。以下の通り、法律によって微妙に異なるのが試験対策上は重要です。

 内法=区分所有法(共有持分の基準)、不動産登記法(区分所有建物)

 壁芯=マンション標準管理規約(共有持分の基準)、不動産登記法(戸建て等)

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02

誤っているのは、別棟の倉庫について、共用部分である旨の登記をしなくても第三者に対抗できるとする記述です。

廊下や階段室など、建物の構造上当然に共用部分となるものと、規約によって共用部分とされる倉庫などでは、登記の扱いが異なります。

別棟の倉庫は、規約によって共用部分とすることができますが、共用部分である旨の登記をしなければ、そのことを第三者に主張できません。

選択肢1. 数個の専有部分に通ずる廊下(例えば、マンションの各住戸に通ずる廊下)又は階段室、エレベーター室は、共用部分である旨の登記をすることはできない。

適切です。

マンションの各住戸につながる廊下、階段室、エレベーター室などは、建物の構造上、区分所有者が共同で利用する部分です。

このような部分は、規約で決めなくても、法律上当然に共用部分となります。これを法定共用部分といいます。

共用部分である旨の登記は、本来は専有部分などとして扱うことができる部分を、規約によって共用部分とした場合に行う登記です。

したがって、構造上当然に共用部分となる廊下や階段室などについて、共用部分である旨の登記をすることはできません。

選択肢2. 共用部分に対する各共有者の持分は、規約で別段の定めがない場合、その有する専有部分の壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積として登記された床面積の割合による。

適切です。

共用部分に対する各区分所有者の持分は、規約に別の定めがなければ、それぞれが所有する専有部分の床面積の割合によって決まります。

区分建物の専有部分の床面積は、壁などの厚さを含めず、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分を上から見た面積によって計算します。

例えば、専有部分の床面積が建物全体の専有部分の床面積の10分の1であれば、原則として、共用部分の持分も10分の1となります。

選択肢3. 専有部分の所有権の移転登記がされた場合、当該専有部分の区分所有者が持分を有する共用部分についても、第三者に対抗することができる。

適切です。

共用部分の持分は、専有部分と切り離して売却することができず、専有部分の処分に従います。

そのため、専有部分が売却され、その所有権の移転登記がされると、その専有部分に付いている共用部分の持分も買主に移ります。

共用部分の持分について、専有部分とは別に所有権の移転登記をする必要はありません。専有部分の所有権の移転登記によって、共用部分の持分の取得についても第三者に対抗できます。

選択肢4. 区分建物が属する一棟の建物とは別棟の建物で、一棟の建物の附属の建物である倉庫は、共用部分である旨の登記をしなくても、共用部分であることを第三者に対抗することができる。

不適切です。

マンション本体とは別棟になっている倉庫などの附属の建物は、規約によって共用部分とすることができます。

ただし、別棟の倉庫は、廊下や階段室のように建物の構造上当然に共用部分となるものではありません。

そのため、規約によって共用部分としただけでは、そのことを第三者に主張できません。

共用部分である旨の登記をして、初めて第三者に対抗できます。

まとめ

共用部分には、大きく分けて次の2種類があります。

 

・廊下、階段室、エレベーター室などは、建物の構造上当然に共用部分となる法定共用部分です。これらについて、共用部分である旨の登記は行いません。

・これに対して、別棟の倉庫や集会所などは、規約によって共用部分とすることができます。これを規約共用部分といい、第三者に対抗するためには、共用部分である旨の登記が必要です。

 

また、共用部分の持分は専有部分と一体となっており、原則として、専有部分の床面積の割合によって決まることも覚えておきましょう。

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03

本問は、共用部分の登記に関する知識を問う問題ですが、設題とは裏腹に不動産登記法の知識は全く必要ありません。
建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法)の共用部分(法定、規約両方)についての基本的な知識さえあれば十分解ける問題です。

選択肢1. 数個の専有部分に通ずる廊下(例えば、マンションの各住戸に通ずる廊下)又は階段室、エレベーター室は、共用部分である旨の登記をすることはできない。

「誤っているもの」ではありません。

 

本肢の建物の部分は、区分所有権の目的とはならず、法律上当然に共用部分となります(法定共用部分)。
法定共用部分は登記ができません。
法定共用部分の共有持分は専有部分と一体でありその持分について専有部分とは別に登記を可能にする意味がないからです。

 

同法第4条「数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする。
2 第1条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。」

 

区分所有法第15条「共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。
2 共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して持分を処分することができない。」

 

共用部分である旨の登記は、本来ならば独立した所有権の目的として登記ができる専有部分(区分建物)又は付属の建物を規約により共用部分とした場合のみに可能な登記です。
これは、本来なら独立の所有権の目的で共用部分ではないものを規約により共用部分としているので、それを公示しないと取引の安全を害するからです。
しかし、法定共用部分は、明らかに共用部分であり、独立の所有権の目的とはなりません。
当然、単独で取引の目的ともならず、取引の安全を考える必要がありません。

選択肢2. 共用部分に対する各共有者の持分は、規約で別段の定めがない場合、その有する専有部分の壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積として登記された床面積の割合による。

「誤っているもの」ではありません。

 

共用部分の持分割合は、専有部分の床面積の割合によります。
そして、専有部分の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積(内法計算)であり、登記記録もこの床面積になります。

 

区分所有法第第14条「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
2 前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
3 前2項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による
4 前3項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

 

この面積の求め方は例外的な扱いで、通常は、壁芯計算と言って、壁の厚さの中心線で囲まれた部分の水平投影面積を使います。
壁芯計算の方が、図面で求められるので楽なのですが、区分所有建物だけは壁芯計算を使うわけにはいかない事情があります。

それは、壁は共用部分なので壁芯計算をすると共用部分の床面積が専有部分の床面積に算入されてしまうことです。

 

 

なお、不動産屋の広告などでは、専有部分の床面積を壁芯計算で表示していることがあります。
これは、内法計算は専有部分の内寸を実測しないと求められないところ、建物が完成する前に物件を販売してしまういわゆる青田売りをすることがよくあり、この場合は図面で計算するしかないからです。
他に、壁芯の方が寸法がわずかに大きくなるので嵩増ししたいという要請もあります(区分所有建物以外では壁芯なので、区分所有建物の宣伝用に壁芯を用いることが直ちに不当表示とは言えないと思います)。

選択肢3. 専有部分の所有権の移転登記がされた場合、当該専有部分の区分所有者が持分を有する共用部分についても、第三者に対抗することができる。

「誤っているもの」ではありません。

 

共用持分は専有部分と一蓮托生で専有部分が移転すれば当然に共用持分も移転します。
この前提があるために、専有部分の移転登記は共有部分の持分についても移転したことを公示しているとみることができます。

よって、専有部分の移転登記によりその区分所有者が有する共用部分の持分についても、第三者に移転を対抗することができます。
 

区分所有法第15条「共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。
2 共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して持分を処分することができない。」

選択肢4. 区分建物が属する一棟の建物とは別棟の建物で、一棟の建物の附属の建物である倉庫は、共用部分である旨の登記をしなくても、共用部分であることを第三者に対抗することができる。

「誤っているもの」です。よってこの肢が正解です。

 

区分所有建物と独立した別棟の建物は、附属の建物であるとしても、共用部分ではありません。
附属の建物はあくまでも別の建物であり、独立の所有権の目的になります。
これを共用部分とするには、規約による必要があります。
そして、規約共用部分であることを区分所有者以外の第三者に対抗するには、登記が必要です。
登記によって規約共用部分であることを公示することで取引の安全を図るためです。

 

区分所有法第4条第2項「第1条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。」

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