マンション管理士 過去問
令和6年度(2024年)
問40
問題文
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(平成27年法律第53号)に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
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問題
マンション管理士試験 令和6年度(2024年) 問40 (訂正依頼・報告はこちら)
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(平成27年法律第53号)に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
※ 令和7年(2025年)4月1日に改正建築物省エネ法が施行されました。これに伴い、現行法に合わせて、元となる解答選択肢を一部修正しました。
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外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積が300m2のマンションについて、その床面積を311m2に増築するときは、増築に係る部分について建築物エネルギー消費性能基準への適合義務の対象とならない。
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外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積が300m2のマンションを新築する場合、当該マンションは、原則として建築物エネルギー消費性能基準に適合しなければならず、同基準に適合しない建築計画には建築確認済証が交付されない。
- 所管行政庁から誘導基準に適合する省エネ性能を確保していると認められたマンションの容積率の算定の基礎となる延べ面積には、太陽光発電設備などの設備を設けることにより通常の建築物の床面積を超えることとなる部分の床面積を一定の限度まで算入しない特例がある。
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マンションの販売又は賃貸を行う事業者は、その販売又は賃貸を行うマンションについて、エネルギー消費性能を表示するよう努めなければならない。
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この過去問の解説 (3件)
01
いわゆる建築物省エネ法からの出題です。
令和7年4月1日以降は、原則として、すべての住宅・非住宅の新築、増築又は改築について、建築物エネルギー消費性能基準への適合が義務付けられています。
外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積が300m2のマンションについて、その床面積を311m2に増築するときは、増築に係る部分について建築物エネルギー消費性能基準への適合義務の対象とならない。
不適切。令和7年4月1日以降は、原則として、すべての住宅・非住宅の新築、増築又は改築について、建築物エネルギー消費性能基準への適合が義務付けられています。
ただし、新築、増築又は改築をする部分の床面積の合計が10m2以下のものなどは、適合義務の対象から除かれます。
本肢では、外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積が300m2のマンションを、311m2に増築しています。つまり、増築部分は11m2です。
増築部分が10m2を超えているため、増築に係る部分について、建築物エネルギー消費性能基準への適合義務の対象となります。
外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積が300m2のマンションを新築する場合、当該マンションは、原則として建築物エネルギー消費性能基準に適合しなければならず、同基準に適合しない建築計画には建築確認済証が交付されない。
適切。令和7年4月1日以降は、原則として、すべての住宅・非住宅の新築について、建築物エネルギー消費性能基準への適合が義務付けられています。
省エネ基準への適合性は、建築確認手続の中でも確認されます。そのため、省エネ基準に適合しない建築計画には、確認済証が交付されず、工事に着手することができません。
本肢のマンションは新築であり、原則として建築物エネルギー消費性能基準への適合義務の対象となります。
適切。認定建築物エネルギー消費性能向上計画に係る建築物について、建築物エネルギー消費性能誘導基準に適合させるための措置をとることにより、通常の建築物の床面積を超えることとなる場合があります。
この場合、政令で定める床面積については、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しない特例があります。
本肢で例示されている太陽光発電設備などの設備についても、この特例が問題になります。
つまり、一定の省エネ性能を確保するために必要な設備を設けることで床面積が増える場合でも、一定の限度までは容積率の計算上、不利にならないようにする制度です。
マンションの販売又は賃貸を行う事業者は、その販売又は賃貸を行うマンションについて、エネルギー消費性能を表示するよう努めなければならない。
適切。建築物省エネ法では、建築物の販売又は賃貸を行う事業者は、その販売又は賃貸を行う建築物について、エネルギー消費性能を表示するよう努めなければならないとされています。
これは、建築物の買主や借主が、省エネ性能を見て比較しやすくするための制度です。
なお、省エネ性能表示制度は、令和6年4月から施行されています。
一方、改正前には、既存建築物について、省エネ基準に適合している旨の認定を受け、その旨を広告等に表示できる基準適合認定制度がありましたが、この制度は令和7年4月の改正法施行により廃止されています。
そのため、現行法では、本肢のように、販売又は賃貸を行う事業者による省エネ性能表示の努力義務として整理しておくことが大切です。
パリ協定を機に日本でも環境配慮の意識が高まり、建築物省エネ法は令和7年4月から大幅に法改正がされています。
令和7年4月1日以降は、原則として、すべての住宅・非住宅の新築、増築又は改築について、省エネ基準への適合が義務付けられています。
増築又は改築の場合には、増築又は改築をする部分について、省エネ基準への適合が求められます。ただし、その部分の床面積の合計が10m2以下のものなどは、適合義務の対象から除かれます。
また、省エネ性能表示制度は令和6年4月から施行されており、建築物の販売又は賃貸を行う事業者は、その建築物のエネルギー消費性能を表示するよう努めなければなりません。
一方、既存建築物について、省エネ基準に適合している旨の認定を受け、その旨を広告等に表示できる改正前の基準適合認定制度は、令和7年4月の改正法施行により廃止されています。
建築物省エネ法は、近年、マンション管理士試験でも出題されている分野です。これまでの頻出分野を優先することはもちろんですが、試験本番までに余力があれば、ぜひ理解を深めておきたい分野の一つです。
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02
適切でないものは、外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積が300m2のマンションについて、その床面積を311m2に増築するときは、増築に係る部分について建築物エネルギー消費性能基準への適合義務の対象とならない、という記述です。
令和7年4月1日以降は、原則として、新築だけでなく、増築や改築についても、建築物エネルギー消費性能基準への適合が義務付けられています。
ただし、増築や改築をする部分の床面積が10m2以下の場合などは、適合義務の対象外となります。
この問題では、床面積が300m2から311m2になるため、増築部分は11m2です。10m2を超えているので、増築部分について適合義務の対象となります。
外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積が300m2のマンションについて、その床面積を311m2に増築するときは、増築に係る部分について建築物エネルギー消費性能基準への適合義務の対象とならない。
これは適切でない記述です。
令和7年4月1日以降は、原則として、すべての住宅・非住宅の新築、増築、改築について、建築物エネルギー消費性能基準への適合が義務付けられています。
ただし、増築や改築をする部分の床面積が10m2以下の場合などは、適合義務の対象外です。
この記述では、床面積が300m2から311m2になるため、増築部分は11m2です。
11m2は10m2を超えるため、増築に係る部分は適合義務の対象となります。
外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積が300m2のマンションを新築する場合、当該マンションは、原則として建築物エネルギー消費性能基準に適合しなければならず、同基準に適合しない建築計画には建築確認済証が交付されない。
これは適切な記述です。
令和7年4月1日以降は、原則として、すべての新築住宅・非住宅について、建築物エネルギー消費性能基準への適合が義務付けられています。
マンションも住宅に当たるため、新築する場合には、原則としてこの基準に適合しなければなりません。
また、省エネ基準への適合は、建築確認の中でも確認される内容です。
そのため、省エネ基準に適合していない建築計画では、原則として建築確認済証が交付されません。
これは適切な記述です。
建築物省エネ法には、省エネ性能の高い建築物を増やすための制度があります。
所管行政庁から、誘導基準に適合する省エネ性能を確保していると認められると、容積率の特例を受けられる場合があります。
容積率とは、敷地に対して建物の延べ面積をどこまで建てられるかを決める割合です。
太陽光発電設備など、省エネ性能を高めるための設備を設けたことで、通常より床面積が増える部分については、一定の限度まで容積率の計算に入れないことができます。
マンションの販売又は賃貸を行う事業者は、その販売又は賃貸を行うマンションについて、エネルギー消費性能を表示するよう努めなければならない。
これは、買う人や借りる人が「この建物はどのくらい省エネなのか」を判断しやすくするための制度です。
この問題では、令和7年4月1日施行の改正後、建築物省エネ法の適合義務の対象が広がった点を押さえることが大切です。
覚えておくポイントは、原則として、新築だけでなく、増築や改築も省エネ基準への適合義務の対象になるという点です。
ただし、増築や改築をする部分の床面積が10m2以下の場合などは、対象外となります。
今回のように、床面積が300m2から311m2になる増築では、増築部分が11m2となり、10m2を超えます。
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03
本問は、建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律についての知識を問う問題です。
割と細かい話なのですが、出題される知識の範囲はある程度限られています。
本問は、出題後に法改正があったために内容が変わった部分があります。
この改正により変わった部分というのは、試験では比較的狙われるところです。
特に本問については、実際に出題された問題です。
その実際に出題された内容が法改正により変わったわけですから、そこもまた出題される可能性があります。
1問しか出ない上に、毎年出題される可能性は高くない分野ですのでそれほど労力を割くところではありません。
ヤマを張るなら本問の法改正に係る部分は外せません。
外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積が300m2のマンションについて、その床面積を311m2に増築するときは、増築に係る部分について建築物エネルギー消費性能基準への適合義務の対象とならない。
「適切でないもの」です。よってこの肢が正解です。
新築はもちろん増改築を含む全ての建築について、建築主は原則として建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければなりません。
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律第10条第1項「建築主は、建築物の建築(エネルギー消費性能に及ぼす影響が少ないものとして政令で定める規模以下のものを除く。)をしようとするときは、当該建築物(増築又は改築をする場合にあっては、当該増築又は改築をする建築物の部分)を建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。」
政令で定める規模以下であれば例外となりますが、その規模は、床面積の合計が10㎡以下です。
したがって、本問の増築分11㎡は例外に該当しません。
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律施行令第3条「法第10条第1項の政令で定める規模は、建築物の建築に係る部分の床面積(略)の合計が10平方メートルであることとする。」
外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積が300m2のマンションを新築する場合、当該マンションは、原則として建築物エネルギー消費性能基準に適合しなければならず、同基準に適合しない建築計画には建築確認済証が交付されない。
「適切でないもの」ではありません。
建築物エネルギー消費性能基準は、建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定とみなされます。
床面積の合計が200㎡を超える共同住宅を新築する場合、建築基準関係規定に適合することの確認を受け、確認済証の交付を受けなければなりません。
従って、床面積300㎡のマンションを新築する場合に建築物エネルギー消費性能基準に適合しなければ、確認済証は交付されません。
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律第10条「建築主は、建築物の建築(エネルギー消費性能に及ぼす影響が少ないものとして政令で定める規模以下のものを除く。)をしようとするときは、当該建築物(増築又は改築をする場合にあっては、当該増築又は改築をする建築物の部分)を建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。
2 前項の規定は、建築基準法第6条第1項に規定する建築基準関係規定とみなす。(略)」
建築基準法第6条第1項「建築主は、第1号(略)に掲げる建築物を建築しようとする場合(略)においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(略)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事又は建築副主事(略)の確認(略)を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(略)
一 別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えるもの
(第2号以下略)」
建築基準法別表第1(2)項(い)「病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎その他これらに類するもので政令で定めるもの」
「適切でないもの」ではありません。
建築物エネルギー消費性能向上計画の認定を所管行政庁より受けた建築物において、建築物エネルギー消費性能誘導基準に適合させるための措置をとったことで通常よりも増えた床面積について、建築物の延べ面積の1/10を限度として、容積率算定の基準となる延べ面積に算入しません。
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律第35条「(略)建築物の容積率(略)の算定の基礎となる延べ面積には、(略)認定建築物エネルギー消費性能向上計画に係る建築物の床面積のうち、建築物エネルギー消費性能誘導基準に適合させるための措置をとることにより通常の建築物の床面積を超えることとなる場合における政令で定める床面積は、算入しないものとする。
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律施行令第7条「法第35条第1項の政令で定める床面積は、認定建築物エネルギー消費性能向上計画に係る建築物の床面積のうち通常の建築物の床面積を超えることとなるものとして国土交通大臣が定めるもの(当該床面積が当該建築物の延べ面積の10分の1を超える場合においては、当該建築物の延べ面積の10分の1)とする。
建築物エネルギー消費性能誘導基準には、マンションの場合について、再生可能エネルギー源を利用できる設備の設置があります。
太陽光発電設備はその典型です。
建築物のエネルギー消費性能の向上の一層の促進その他の建築物の低炭素化の促進のために誘導すべき基準
001587468.pdf
「1非住宅建築物及び共同住宅等 次の(1)及び(2)に適合するものであること。
(1)再生可能エネルギー源(太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものをいう。)の利用に資する設備(以下第1において「再生可能エネルギー利用設備」という。)が設けられていること。」
マンションの販売又は賃貸を行う事業者は、その販売又は賃貸を行うマンションについて、エネルギー消費性能を表示するよう努めなければならない。
「適切でないもの」ではありません。
マンションを販売し、又は賃貸する場合、事業者は当該建築物についてエネルギー消費性能を表示する努力義務を負います。
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律第27条第1項「建築物の販売又は賃貸(以下この項並びに次条第1項及び第4項において「販売等」という。)を行う事業者(次項及び同条において「販売事業者等」という。)は、その販売等を行う建築物について、エネルギー消費性能を表示するよう努めなければならない。」
この表示は、
①2024年(令和6年)4月1日以降に建築確認を行った建築物について
②販売又は賃貸を行う事業者に対する
③努力義務
です。
①に該当しない既存建築物については、任意で表示することができます。
既存建築物であっても表示が望ましいので推奨はされますが、既存住宅は必ずしもエネルギー消費性能を評価できるとは限らないので任意となっています。
②に該当しない物件、例えば注文住宅、自社ビルなどの自己使用物件などは対象外です。
物件を購入する人又は借りる人に対して、その判断の一要素として省エネ性能を告知するのが目的なので、自ら使用する場合には表示する意味がありません。
単純に、建築主に対して、建築物エネルギー消費性能基準に適合させる義務を果たさせればそれで十分です。
建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律第10条第1項「建築主は、建築物の建築(エネルギー消費性能に及ぼす影響が少ないものとして政令で定める規模以下のものを除く。)をしようとするときは、当該建築物(増築又は改築をする場合にあっては、当該増築又は改築をする建築物の部分)を建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。」
その他にも、賃貸ではなく宿泊施設として利用される場合(民泊、ウイークリーマンションなども含みます)も、必要がありません。
こちらも、利用者が光熱費を直接負担しませんから表示を見て宿泊施設を選ぶということは通常ありません。
ですから建築主に対する義務で十分です。
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