マンション管理士 過去問
令和6年度(2024年)
問22

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問題

マンション管理士試験 令和6年度(2024年) 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

貯水槽水道に関する次の記述のうち、水道法(昭和32年法律第177号)の規定によれば、誤っているものはどれか。
  • 簡易専用水道は、貯水槽水道のうち、水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が10m3を超えるものをいう。
  • 簡易専用水道の設置者は、給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準のうち必要な事項について検査を行わなければならない。
  • 簡易専用水道の設置者は、地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者による検査を受けて結果に問題がない場合、定期の水槽の掃除を省略することができる。
  • 水道事業者は、供給規程の定めに基づき、貯水槽水道の設置者に対する指導、助言及び勧告を行うことができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

毎年1問は出題されている水道法からの問題です。

選択肢1. 簡易専用水道は、貯水槽水道のうち、水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が10m3を超えるものをいう。

正。条文の通りです(水道法3条7項、同法施行令2条)。

以下の通り、貯水槽水道を1日の最大給水量で分類することができます。

 

【貯水槽水道】

水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であって、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするもの

(1)簡易専用水道:10㎥超え

(2)簡易専用小水道:5㎥超え10㎥以下

(3)受水槽水道:5㎥以下

選択肢2. 簡易専用水道の設置者は、給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準のうち必要な事項について検査を行わなければならない。

正。条文の通りです(水道法34条の2第2項、同法施行規則55条3号)。

なお、検査項目を問う問題も頻出です。

 

【いつ→残留塩素に関する検査は●●である】

異常を認めたとき(本肢)→不要

毎年1回以上受ける定期検査→必要

選択肢3. 簡易専用水道の設置者は、地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者による検査を受けて結果に問題がない場合、定期の水槽の掃除を省略することができる。

誤。簡易専用水道の設置者は、国土交通省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければなりません(水道法34条の2第1項)。

その基準の一つに「水槽の掃除を毎年一回以上定期に行うこと」が挙げられています(水道法施行規則55条1号)。

これは、地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者の検査結果がどうであれ、省略することはできません(水道法34条の2第2項)。

選択肢4. 水道事業者は、供給規程の定めに基づき、貯水槽水道の設置者に対する指導、助言及び勧告を行うことができる。

正。水道事業者の責任に関する事項として、必要に応じて、貯水槽水道の設置者に対する指導、助言及び勧告を行うことができます(水道法施行規則12条の5第1号イ)。

まとめ

いずれも基本的な論点です。

特に誤肢については、「定期の水槽の掃除を省略」してしまうことに違和感をもってほしいところです。

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02

水道法等に関する誤った肢を選ぶ問題です。

 

問題文の「誤っているものはどれか。」に下線や丸印をつけて正誤逆にならないように気を付けましょう。

選択肢1. 簡易専用水道は、貯水槽水道のうち、水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が10m3を超えるものをいう。

正しい肢です。

 

水道法第3条第7項により、"この法律において「簡易専用水道」とは、水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であつて、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう。ただし、その用に供する施設の規模が政令で定める基準以下のものを除く。"とされています。

 

水道法施行令第2条によると、"法第三条第七項ただし書に規定する政令で定める基準は、水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が十立方メートルであることとする。"

 

とされているため、10㎥以下のものは除かれます。従って正しい肢となります。

選択肢2. 簡易専用水道の設置者は、給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準のうち必要な事項について検査を行わなければならない。

正しい肢です。

 

水道法第34条の2第1項では、"簡易専用水道の設置者は、国土交通省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければならない。"と規定されています。

 

水道法施行規則第55条第1項で、"法第三十四条の二第一項に規定する国土交通省令で定める基準は、次に掲げるものとする。"とされております。

第3号にて、"給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、水質基準に関する省令の表の上欄に掲げる事項のうち必要なものについて検査を行うこと"とされているため、正しい肢となります。

選択肢3. 簡易専用水道の設置者は、地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者による検査を受けて結果に問題がない場合、定期の水槽の掃除を省略することができる。

誤った肢です。

 

水道法施行規則第55条第1項では、"法第三十四条の二第一項に規定する国土交通省令で定める基準は、次に掲げるものとする。"と規定されています。

第1号にて"水槽の掃除を毎年一回以上定期に行うこと。"と規定されており、問題文「検査を受けて結果に問題がない場合、定期の水槽の掃除を省略することができる。」ような規定はありません。

 

よって誤りの肢となります。

選択肢4. 水道事業者は、供給規程の定めに基づき、貯水槽水道の設置者に対する指導、助言及び勧告を行うことができる。

正しい肢です。

 

水度法施行規則第12条の5では、"法第十四条第三項に規定する技術的細目のうち、同条第二項第五号に関するものは、次に掲げるものとする。"とされています。

" 一 水道事業者の責任に関する事項として、必要に応じて、次に掲げる事項が定められていること。

  イ 貯水槽水道の設置者に対する指導、助言及び勧告"

青字部分どおり、「貯水槽水道の設置者に対する指導、助言及び勧告」を行うことができます。

まとめ

確実に解くためには、水道法施行規則等の深い知識まで必要ですが、「検査で問題なくても掃除はしましょうよ」で解ける可能性はあります。

 

試験時間は限られています。

問題を解くのに時間がかかりそうなら、この問題は保留にして次の問題へ進み、後から戻ってくることをお勧めします。

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