マンション管理士 過去問
令和6年度(2024年)
問21

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問題

マンション管理士試験 令和6年度(2024年) 問21 (訂正依頼・報告はこちら)

建築基準法(昭和25年法律第201号)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 共同住宅の維持管理上常時鎖錠状態にある出口で、火災その他の非常の場合に避難の用に供すべきものに設ける戸の施錠装置は、屋内からかぎを用いて解錠できるものとし、かつ、当該戸の近くの見やすい場所にその解錠方法を表示しなければならない。
  • 建築主事が、使用制限その他保安上必要な措置の勧告等のために住居に立ち入る場合、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
  • 特別避難階段を設置する必要がある共同住宅において、当該階段の階段室の天井及び壁の室内に面する部分は、仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造らなければならない。
  • 一定の規模の共同住宅における特定建築物定期調査による報告は、建築物の用途、構造、延べ面積等に応じて、一部の場合を除き、おおむね6月から3年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期に行わなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

毎年1問は出題される建築基準法からの問題です。

選択肢1. 共同住宅の維持管理上常時鎖錠状態にある出口で、火災その他の非常の場合に避難の用に供すべきものに設ける戸の施錠装置は、屋内からかぎを用いて解錠できるものとし、かつ、当該戸の近くの見やすい場所にその解錠方法を表示しなければならない。

誤。避難階段から屋外に通ずる出口以外の出口のうち、維持管理上常時鎖錠状態にある出口で、火災その他の非常の場合に避難の用に供すべきものに設ける戸の施錠装置は、屋内からかぎを用いることなく解錠できるものとし、かつ、当該戸の近くの見やすい場所にその解錠方法を表示しなければなりません(建築基準法施行令125条の2第1項3号)。

選択肢2. 建築主事が、使用制限その他保安上必要な措置の勧告等のために住居に立ち入る場合、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。

正。建築主事等が、使用制限その他保安上必要な措置の勧告等のために建築物に立ち入ることができます。

ただし、住居に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければなりません(建築基準法12条7項)。

選択肢3. 特別避難階段を設置する必要がある共同住宅において、当該階段の階段室の天井及び壁の室内に面する部分は、仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造らなければならない。

正。本肢の通りです(建築基準法施行令123条3項4号)。

なお、以下の通り3種類の避難階段がありますが、なかでも特別避難階段は安全性をさらに高めるために本肢の規定が設けられています。

 

(1)屋外避難階段:屋外にあり、地上に直通

(2)屋内避難階段:屋内にあり、避難階に直通

(3)特別避難階段:屋内にあり、避難階に直通

選択肢4. 一定の規模の共同住宅における特定建築物定期調査による報告は、建築物の用途、構造、延べ面積等に応じて、一部の場合を除き、おおむね6月から3年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期に行わなければならない。

正。四つの定期調査・定期報告制度について区別して覚えましょう(建築基準法12条1項)。

 

【建築基準法施行規則】

(1)特定建築物定期調査:6月〜3年(5条)

(2)建築設備定期検査: 6月〜1年(6条)

(3)昇降機等定期検査: 6月〜1年(6条2の2)

(4)防火設備定期検査: 6月〜1年(6条2の2)

まとめ

似通った単語が多く出てきますので、漢字などの情報から連想できるようになりましょう。

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02

建築基準法の「誤った肢」を選ぶ問題です。

 

問題文の「誤っているものはどれか。」に下線、丸印などを入れて正誤解答を間違わないようにしましょう。

選択肢1. 共同住宅の維持管理上常時鎖錠状態にある出口で、火災その他の非常の場合に避難の用に供すべきものに設ける戸の施錠装置は、屋内からかぎを用いて解錠できるものとし、かつ、当該戸の近くの見やすい場所にその解錠方法を表示しなければならない。

誤った肢です。

 

建築基準法施行令第125条の2第1項では、"次の各号に掲げる出口に設ける戸の施錠装置は、当該建築物が法令の規定により人を拘禁する目的に供せられるものである場合を除き、屋内からかぎを用いることなく解錠できるものとし、かつ、当該戸の近くの見やすい場所にその解錠方法を表示しなければならない。"と規定されています。

 

青字部分"屋内からかぎを用いることなく解錠できるものとし"とあり、問題文では「屋内からかぎを用いて解錠できるものとし」と鍵を用いるか否かを逆にしており、誤りの肢となります。

選択肢2. 建築主事が、使用制限その他保安上必要な措置の勧告等のために住居に立ち入る場合、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。

正しい肢です。

 

建築基準法第12条第7項では、下記の通り規定されています。

 

非常に長い条文なのですが、最後の青字部分"ただし、住居に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。"とあり、ここから正しい肢であると判断できます。

 

"建築主事等又は特定行政庁の命令若しくは建築主事等の委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の職員にあつては第六条第四項、第六条の二第六項、第七条第四項、第七条の三第四項、第九条第一項、第十項若しくは第十三項、第十条第一項から第三項まで、前条第一項又は第九十条の二第一項の規定の施行に必要な限度において、建築監視員にあつては第九条第十項の規定の施行に必要な限度において、当該建築物、建築物の敷地、建築材料等を製造した者の工場、営業所、事務所、倉庫その他の事業場、建築工事場又は建築物に関する調査をした者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、建築物、建築物の敷地、建築設備、建築材料、建築材料等の製造に関係がある物件、設計図書その他建築物に関する工事に関係がある物件若しくは建築物に関する調査に関係がある物件を検査し、若しくは試験し、又は建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者若しくは建築物に関する調査をした者に対し必要な事項について質問することができる。ただし、住居に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。"

選択肢3. 特別避難階段を設置する必要がある共同住宅において、当該階段の階段室の天井及び壁の室内に面する部分は、仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造らなければならない。

正しい肢です。

 

建築基準法施行令第123条第3項第4号には、"階段室及び付室の天井及び壁の室内に面する部分は、仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造ること。"と規定されています

 

条文通り、正しい肢となります。

選択肢4. 一定の規模の共同住宅における特定建築物定期調査による報告は、建築物の用途、構造、延べ面積等に応じて、一部の場合を除き、おおむね6月から3年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期に行わなければならない。

正しい肢です。

 

建築基準法第12条第1項では、下記の通り規定されています。

第六条第一項第一号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(国、都道府県及び建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物(以下この項及び第三項において「国等の建築物」という。)を除く。)及び当該政令で定めるもの以外の特定建築物(同号に掲げる建築物その他政令で定める建築物をいう。以下この条において同じ。)で特定行政庁が指定するもの(国等の建築物を除く。)の所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者(次項及び次条第三項において「建築物調査員」という。)にその状況の調査(これらの建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、これらの建築物の建築設備及び防火戸その他の政令で定める防火設備(以下「建築設備等」という。)についての第三項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。"

 

とても長い条文ですが、青字部分をつなげると、「定期に、その状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。」となります。

 

建築基準法施行規則第5条第1項では、"法第十二条第一項の規定による報告の時期は、建築物の用途、構造、延べ面積等に応じて、おおむね六月から三年までの間隔をおいて特定行政庁が定める時期(次のいずれかに該当する場合においては、その直後の時期を除く。)とする。"と規定されています。

青字部分"おおむね六月から三年までの間隔をおいて"ですので、問題文通り正しい肢となります

まとめ

建築基準法本文だけでなく、施行令や施行規則の知識も必要となる難問でした。

 

迷ったら、この問題に時間をかけず、とりあえず保留にして次の問題に取り掛かりましょう。

後で戻ってきて解くことをお勧めします。

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