マンション管理士 過去問
令和6年度(2024年)
問16
問題文
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
マンション管理士試験 令和6年度(2024年) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
- Bは、Aからの委任を有償で受任した場合には、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負うが、無償で受任した場合には、その義務を負わない。
- Bは、やむを得ない事由があるときは、第三者Cを復受任者として選任することができる。
- Bは、Aの請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。
- Bは、Aとの間の委任をいつでも解除することができる。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
AからBに委任していることや、第三者から見ればAとBが代理関係にあることを踏まえると、以下のような図で状況を整理することができます。
A→B
A=B
A⇒B
誤。受任者Bは、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負います(民法644条)。
よって、無償で受任した場合にも、その義務を"負います"。
正。受任者Bは、委任者Aの許諾を得たとき、又は"やむを得ない事由があるとき"でなければ、復受任者を選任することができません(民法644条の2)。
裏を返せば本肢の通りになります。
正。民法645条の通りです。
本肢の民法を根底に、各法令等が規定されています。
理解が進んだらそれぞれのルールのつながりを意識してみましょう。
管理事務の報告等(標委10条)
↑
管理事務の報告(適正化法77条)
↑
↑ 理事長から理事会への定期報告(標規38条)
↑ ↑
↑ 委任の規定の準用(区分所有法28条)
↑ ↑
受任者による報告(民法645条)
正。委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができます(民法651条)。
現実的には「いつでも」解除されては不都合が生じる場合もあるので、『マンション標準管理委託契約書』では以下のように規定されています。
【解約の申し入れ(標委21条)】
甲(管理組合)又は乙(管理会社)は、その相手方に対し、少なくとも3月前に書面で解約の申入れを行うことにより、本契約を終了させることができる。
各肢の解説の通り、民法の委任規定は区分所有法から標準管理規約へ、適正化法から標準管理委託契約書へ、それぞれ派生していきます。
理解が進んできたら、各規定のつながりを意識してみましょう。
参考になった数36
この解説の修正を提案する
02
本問は、委任契約の基礎知識を問う問題です。
一応条文知識を問うものですが、常識的に考えてもある程度肢は絞れます。
難易度はかなり低いので絶対に落とせないレベルの問題です。
委任契約の特徴は、
①無償が原則
②信頼関係に基づく契約なので信頼を失えばいつでも解除できる。正確に言えば、信頼を失ったことを理由にしなくても無理由で解除できる。
※そもそも無理由で解除する事態が生じたこと自体、信頼関係が喪失していると評価できます
③善管注意義務を負う。
※無償が原則なので無償であっても当然に善管注意義務を負います。
④信頼関係に基づく契約なので復委任は原則不可。
※止むを得ない場合でなければ認められない。
というところです。
この程度は憶えておきましょう。
ちなみになぜ委任は無償が原則なのかと言うと、ローマ法以来の伝統です。
委任と言うのは、ある種崇高なものなので報酬を求めるべきではないという当時の発想がそのまま現代まで引き継がれているとのことです。
特に合理性はありません。
「誤っているもの」です。よってこの肢が正解です。
委任は有償であると無償であるとを問わず、受任者は善管注意義務を負います。
民法第644条「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。」
そもそも委任契約は無償が原則であり、原則通りに無償の場合に善管注意義務を否定する理由はありません。
無償が原則ということを知らないと、正誤の判断は迷うかもしれません。
「誤っているもの」ではありません。
委任は委任者と受任者の間の信頼関係に基づく契約です。
つまり、委任者は「その受任者だから委任した」という関係があります。
とすると、復委任は原則として認めるわけにはいきません。
安易に復委任を認めてしまえば、委任者の信頼を裏切ることになるからです。
とは言え、絶対に復委任を認めないというのはいくらなんでも硬直的に過ぎます。
そこで、止むを得ない事由があれば復委任を認めるというのが落としどころになります。
民法第644条の2第1項「受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。」
「誤っているもの」ではありません。
委任は信頼関係に基づく契約ですから、受任者はその信頼関係を維持するために委任者の事務報告請求に応じるのは当然と言えます。
また委任事務が終了したのであれば遅滞なくその報告を行うのも、信頼関係を前提とした契約である以上当然のことと言えます。
民法第645条「受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。」
「誤っているもの」ではありません。
委任は当事者間の信頼関係に立脚する契約です。
ですから、信頼関係がなくなれば当然解除することができます。
しかし、実際には信頼関係がなくなったかどうかを論じるまでもなく無理由で解除できます。
無理由であっても、一方当事者が解除しようと思ったこと自体が信頼関係の喪失を意味していると捉えることもできます。
民法第651条第1項「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。」
「各」当事者ですから、委任者受任者どちらからも解除できます。
なお、下級審レベルではこの無理由解除権の行使を制限したものがありますが、最高裁はなお、解除権を放棄したと認めるに足りる特段の事情がない限り無理由で解除できるとしています。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
03
誤っている選択肢は、「Bは、Aからの委任を有償で受任した場合には、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負うが、無償で受任した場合には、その義務を負わない。」です。
委任を受けた人を「受任者」といいます。受任者は、有償か無償かにかかわらず、委任された内容に従って、きちんと注意して事務を処理する義務があります。これを善良な管理者の注意義務といいます。民法644条は、受任者が委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負うと定めています。
これは誤った記述です。
Bは、Aから「406号室の購入者を選び、売買契約を結ぶこと」を任されています。
このように、他人から事務の処理を任された人は、委任の内容に従って、慎重に事務を進める必要があります。
この義務は、報酬をもらう場合だけでなく、無償で引き受けた場合にも発生します。
したがって、「無償で受任した場合には、その義務を負わない」という部分が誤りです。
これは正しい記述です。
委任は、AがBを信頼して頼む契約です。そのため、Bは原則として自分で委任事務を処理する必要があります。
しかし、やむを得ない事情がある場合には、Bは第三者Cを復受任者として選ぶことができます。
民法644条の2は、受任者が復受任者を選任できるのは、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときと定めています。
そのため、この記述は正しいです。
これは正しい記述です。
AはBに大切な売却手続を任せています。そのため、Aは「今どのように進んでいるのか」を知る必要があります。
民法645条では、受任者は、委任者の請求があるときはいつでも委任事務の処理状況を報告し、委任が終了した後は、遅れずにその経過と結果を報告しなければならないとされています。
したがって、BはAから求められたときは、いつでも状況を報告する必要があります。また、委任が終わった後も、結果をきちんと報告しなければなりません。
これは正しい記述です。
委任は、当事者同士の信頼関係をもとにした契約です。そのため、民法では、委任者も受任者も、原則としていつでも委任を解除できるとされています。
したがって、受任者であるBも、Aとの委任契約をいつでも解除することができます。
ただし、相手に不利な時期に、やむを得ない理由なく解除した場合などには、損害賠償の問題が生じることがあります。
この問題で誤っているものは、無償で受任した場合には善良な管理者の注意義務を負わないとする記述です。
覚えておくポイントは、委任を受けた人は、有償でも無償でも善良な管理者の注意義務を負うということです。
また、受任者は、原則として自分で事務を処理しますが、委任者の許可がある場合や、やむを得ない事情がある場合には、復受任者を選ぶことができます。
さらに、受任者には報告義務があり、委任契約は原則としていつでも解除できます。
委任の問題では、善管注意義務、復受任者、報告義務、解除をセットで整理しておくと理解しやすいです。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問15)へ
令和6年度(2024年) 問題一覧
次の問題(問17)へ