マンション管理士 過去問
令和6年度(2024年)
問11
問題文
区分所有建物が滅失した場合において、区分所有建物の敷地利用権を有する者(この問いにおいて「敷地共有者等」という。)が開く敷地共有者等集会(この問いにおいて「集会」という。)に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、区分所有建物の敷地利用権は、数人で有する所有権その他の権利とする。
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問題
マンション管理士試験 令和6年度(2024年) 問11 (訂正依頼・報告はこちら)
区分所有建物が滅失した場合において、区分所有建物の敷地利用権を有する者(この問いにおいて「敷地共有者等」という。)が開く敷地共有者等集会(この問いにおいて「集会」という。)に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、区分所有建物の敷地利用権は、数人で有する所有権その他の権利とする。
※ 令和8年(2026年)4月1日に改正区分所有法が施行されました。これに伴い、現行法に合わせて、元となる設問文及び解答選択肢を一部修正しました。
- 集会の招集者は、敷地共有者等に対して、書面又は電磁的方法によらずに、口頭によって招集通知を行うことができる。
-
集会の招集の通知は、敷地共有者等が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知していた場合には、その場所に宛ててすることができる。
- 滅失した区分所有建物の専有部分を区分所有者の承諾を得て占有していた者は、集会に出席して意見を述べることができる。
-
区分所有建物が滅失した後の敷地を保存し、及び集会の決議を実行するため、集会の決議によって、管理者を選任することができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
区分所有建物が滅失すると、区分所有権が消滅し、これに伴って通常の区分所有者の団体も消滅します。
そこで、区分所有法では、滅失後に残った敷地や附属施設の管理などを円滑に行えるように、敷地共有者等が集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができる仕組みを定めています。
なお、敷地共有者等が集会を開くことができるのは、原則として滅失の日から起算して5年を経過する日までの間です。
正。敷地共有者等集会については、区分所有法の集会に関する規定の多くが準用されます(区分所有法73条)。
集会の招集通知は、会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項と議案の要領を示して発しなければなりません(区分所有法35条1項、73条)。
この規定は、通知の内容や時期について定めたものですが、通知方法を必ず書面又は電磁的方法に限るものではありません。そのため、口頭によって招集通知を行うこともできます。
集会の招集の通知は、敷地共有者等が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知していた場合には、その場所に宛ててすることができる。
正。敷地共有者等集会については、通知を受けるべき場所に関する区分所有法35条3項の規定が準用されます(区分所有法73条)。
そのため、敷地共有者等が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知していた場合には、その場所に宛てて集会の招集通知をすることができます。
また、通知を受けるべき場所の通知がなく、集会の招集者が敷地共有者等の所在を知ることができない場合には、滅失した建物の敷地内の見やすい場所に掲示して通知することができます(区分所有法74条)。
誤。通常の区分所有者の集会では、区分所有者の承諾を得て専有部分を占有している者は、会議の目的について利害関係がある場合に、集会に出席して意見を述べることができます(区分所有法44条)。
しかし、敷地共有者等集会については、占有者の意見陳述権に関する区分所有法44条は準用されていません(区分所有法73条)。
区分所有建物が滅失した後は、専有部分そのものがなくなっています。そのため、滅失前に専有部分を借りていた者などが、敷地共有者等集会に出席して意見を述べることができるという規定はありません。
区分所有建物が滅失した後の敷地を保存し、及び集会の決議を実行するため、集会の決議によって、管理者を選任することができる。
正。敷地共有者等は、区分所有建物の滅失の日から起算して5年を経過する日までの間、集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができます(区分所有法72条)。
また、敷地共有者等集会では、管理者の選任に関する規定が準用されます(区分所有法73条、25条)。
したがって、区分所有建物が滅失した後の敷地を保存し、集会の決議を実行するために、集会の決議によって管理者を選任することができます。
区分所有建物が滅失した場合には、通常の区分所有者の団体は消滅しますが、敷地共有者等は、区分所有法に基づいて敷地共有者等集会を開くことができます。
敷地共有者等集会では、規約を定めたり、管理者を置いたり、敷地等の管理に関する決議を行ったりすることができます。
一方で、滅失した建物の専有部分を借りていた者などの占有者については、通常の区分所有者の集会とは異なり、敷地共有者等集会で意見を述べる権利は認められていません。
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02
誤っているものは「滅失した区分所有建物の専有部分を区分所有者の承諾を得て占有していた者は、集会に出席して意見を述べることができる」という記述です。
区分所有建物が滅失すると、建物そのものがなくなるため、通常の区分所有者の集会ではなく、敷地共有者等が開く集会で、残った敷地や附属施設の管理などを決めることになります。
この敷地共有者等集会には、区分所有者の集会に関する規定の多くが準用されます。しかし、専有部分を占有していた者の意見陳述権についての規定は準用されていません。そのため、元の専有部分を借りていた人などが、当然に集会へ出席して意見を述べることはできません。
これは正しい記述です。
敷地共有者等集会の招集通知については、区分所有者の集会に関する規定が準用されます。
区分所有法では、招集通知について、必ず書面や電磁的方法でしなければならないとは定めていません。そのため、法律上は、口頭による招集通知も可能です。
ただし、実際には「通知したかどうか」で争いになるおそれがあるため、書面やメールなど、後で確認できる方法を使う方が安全です。
集会の招集の通知は、敷地共有者等が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知していた場合には、その場所に宛ててすることができる。
これは正しい記述です。
集会の招集通知は、敷地共有者等が通知を受ける場所を管理者に知らせていた場合、その場所に宛てて行うことができます。
建物が滅失した後は、元のマンションに住み続けているとは限りません。そのため、あらかじめ通知先として届け出た場所に通知できるようにされています。
これは誤りです。
通常の区分所有者の集会では、専有部分を借りて住んでいる人などが、その議題に利害関係をもつ場合、集会に出席して意見を述べられることがあります。
しかし、敷地共有者等集会では、この占有者の意見陳述権の規定は準用されていません。
区分所有建物が滅失した後の集会は、残った敷地や附属施設について、権利を持つ敷地共有者等が話し合う場です。そのため、元の専有部分を借りていた人などが、当然に集会へ出席して意見を述べることはできません。
区分所有建物が滅失した後の敷地を保存し、及び集会の決議を実行するため、集会の決議によって、管理者を選任することができる。
これは正しい記述です。
区分所有建物が滅失した場合でも、敷地や附属施設が残ることがあります。そのままでは、誰が管理するのか、どのように決定するのかが分かりにくくなります。
そこで、区分所有法では、敷地共有者等が集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができるとしています。
管理者は、残った敷地を保存したり、集会で決まったことを実行したりする役割を担います。そのため、集会の決議によって管理者を選任することができます。
この問題では、区分所有建物が滅失した後の敷地共有者等集会について、通常の区分所有者集会のルールがどこまで使われるのかを確認することが大切です。
覚えておくポイントは、敷地共有者等集会では、集会の招集通知や管理者の選任に関するルールは使われますが、専有部分の占有者が意見を述べる権利についての規定は使われないという点です。
建物がなくなった後は、中心になるのは元の入居者ではなく、敷地利用権などを持つ敷地共有者等です。
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03
本問は、建物が滅失した場合の敷地共有者等集会に関する問題です。
従来は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、いわゆる被災マンション法で規定していましたが、2026年(令和8年)4月1日施行の建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法)改正法に同法の規定の一部を取り込んだため、本問に関する限り、純粋な区分所有法の問題と変わりません。
制度的には従前の被災マンション法の規律と基本的に同じです。
被災マンション法から分離して区分所有法の一般規定としたのは、「大規模な火災、震災その他の災害によ」らない場合の滅失等にも適用できるようにするためです。
建物が滅失した場合、法律上、3条団体(いわゆる管理組合)は消滅します。
そうすると、3条団体の集会は開催できないことになります。
しかし、滅失した建物の敷地又は附属施設が共有である場合、その共有者は集会を開催し、規約を定め、及び管理者を置くことができます。
これを「敷地共有者等の集会等」と言います(区分所有法第72条の見出し)。
そしてこの集会等には3条団体の集会等の規定が準用されます。
なお、準用されないものは、建物が滅失しているので準用する意味がないものがほとんどなので憶えるのは簡単です。
以下、改正法で新たに規定された条文を引用して少々解説をしておきます。
区分所有法第72条「専有部分のある建物が滅失した場合において、当該専有部分のある建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたとき、又は当該専有部分のある建物の附属施設(これに関する権利を含む。)につき数人が共有持分を有していたときは、それらの権利(以下「敷地共有持分等」という。)を有する者(以下「敷地共有者等」という。)は、その滅失の日から起算して五年を経過する日までの間は、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」
同法第73条前段「第17条第1項及び第5項、第18条第1項、第2項及び第6項、第19条並びに第1章第4節(第27条を除く。)及び第5節(第30条第2項、第31条第2項、第32条、第33条第4項、第34条第2項、第35条第4項、第43条、第44条及び第46条第2項を除く。)の規定は、前条の場合について準用する。」
建物が滅失しているので共用部分も専有部分ももちろん建物自体も存在しません。
ですから、共用部分等の規定で敷地又は附属施設には適用しようがない第27条(共用部分の管理所有の規定)、第30条第2項(一部共用部分の規約の規定)、第31条第2項(第30条第2項を前提とする規定)、専有部分の存在を前提とする第32条(公正証書による原始規約の規定)、建物の存在を前提とする第33条第4項(規約の保管場所の掲示)は準用されません。
集会の規定に関しては、第34条第2項(集会の定期開催の規定)、第35条第4項(集会招集通知の建物内の掲示の規定)、第43条(提示集会での管理者の事務報告義務)、第44条(占有者の意見陳述権)及び第46条第2項(占有者の規約等順守義務)が準用されません。
なぜ準用されないかは見ればだいたい判ると思います。
敷地共有者等の集会は必要に応じて開催すれば良いので、
①定期開催を定める第34条第2項
②定期開催を前提とする第43条
は準用する必要がありません。
専有部分のある建物の存在を前提とする
③集会招集通知の建物内掲示の規定である第35条第4項
④占有者に関する規定である第44条及び第46条第2項
は準用してもしょうがありません。
なお、③については代わりとして、通知をすべき敷地共有者の所在を知ることができないときは、敷地内に掲示することができるとする規定があります。
同法第74条「敷地共有者等が開く集会(以下「敷地共有者等集会」という。)を招集する者が敷地共有者等(前条において準用する第35条第3項の規定により通知を受けるべき場所を通知したものを除く。)の所在を知ることができないときは、前条において準用する第35条第1項の通知は、滅失した専有部分のある建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示してすることができる。
2 前項の場合には、当該通知は、同項の規定による掲示をした時に到達したものとみなす。ただし、敷地共有者等集会を招集する者が当該敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があつたときは、到達の効力を生じない。」
「誤っているもの」ではありません。
冒頭述べた通り、定期開催の規定及び建物の存在を前提とする規定を除いて、3条団体の集会の規定は全て敷地共有者等の集会に準用されます。
3条団体の集会の招集通知の方式に関する定めは特にありません
(これはつまり、3条団体の集会も法律上は口頭でも招集が可能だということです)。
そして敷地共有者等の集会についての特則も特にありません。
従って、書面、電磁的方法又は口頭のいずれの方法でも招集が可能です。
区分所有法第73条後段により読み替えた同法第35条第1項「敷地共有者等集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各敷地共有者等(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。」
集会の招集の通知は、敷地共有者等が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知していた場合には、その場所に宛ててすることができる。
「誤っているもの」ではありません。
敷地共有者等が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときは、集会の招集通知は、その場所に宛ててすれば足ります。
区分所有法第73条後段により読み替えた同法第35条第3項「第1項の通知は、敷地共有者等が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときは、その場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。」
「誤っているもの」です。よってこの肢が正解です。
滅失した区分所有建物の専有部分を区分所有者の承諾を得て占有していた者(賃借人が典型です)には、集会の出席権も意見陳述権もありません。
区分所有法第73条前段「(略)第5節(第30条第2項、第31条第2項、第32条、第33条第4項、第34条第2項、第35条第4項、第43条、第44条及び第46条第2項を除く。)の規定は、前条の場合について準用する。」
同法第44条「区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。
(第2項略)」
常識的に考えて、出席させて意見を言わせてどうするのでしょう?
と言いますか何の意見を述べさせるのでしょう?
建物は滅失しているので占有者が占有していた専有部分は既に存在しません。
そして建物がなくなったので敷地の利用権を有する元区分所有者らが集まって善後策を練るために集会を開くわけです。
そこに敷地について何ら権利を有しない元占有者を呼んで何を言わせるのでしょう?
賃貸の目的物が滅失しているので賃貸借契約は履行不能になって消滅しますが、賃貸借契約などの占有権原となる契約について生じた問題は、契約当事者間の問題であり、敷地利用権を有する者の集会とは何の関係もありません。
区分所有建物が滅失した後の敷地を保存し、及び集会の決議を実行するため、集会の決議によって、管理者を選任することができる。
「誤っているもの」ではありません。
区分所有建物は、滅失した後の敷地を保存し、集会の決議を実行するために集会の決議により管理者を選任することができます。
区分所有法第72条「専有部分のある建物が滅失した場合において、当該専有部分のある建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であつたとき、又は当該専有部分のある建物の附属施設(これに関する権利を含む。)につき数人が共有持分を有していたときは、それらの権利(以下「敷地共有持分等」という。)を有する者(以下「敷地共有者等」という。)は、その滅失の日から起算して五年を経過する日までの間は、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」
同法第73条前段「第17条第1項及び第5項、第18条第1項、第2項及び第6項、第19条並びに第1章第4節(第27条を除く。)及び第5節(第30条第2項、第31条第2項、第32条、第33条第4項、第34条第2項、第35条第4項、第43条、第44条及び第46条第2項を除く。)の規定は、前条の場合について準用する。」
区分所有法第73条後段により読み替えた同法第26条第1項「管理者は、敷地共有持分等に係る土地又は附属施設を保存し、敷地共有者等集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。」
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