マンション管理士 過去問
令和6年度(2024年)
問7
問題文
管理組合の法人化を検討しているマンションの管理者に対する次の助言のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
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問題
マンション管理士試験 令和6年度(2024年) 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
管理組合の法人化を検討しているマンションの管理者に対する次の助言のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 理事に事故があり理事会に出席できないときはその配偶者に限って理事会に代理出席させることができる旨の規約を定めることができます。
- 理事が数人選任された場合に、別段の定めがないときは、どの理事も管理組合法人を代表することができます。
- 理事の代理権は集会決議や規約によって制限することができ、登記していれば善意の第三者にもその制限を対抗することができます。
- 携帯電話基地局(アンテナ)設置のためにマンションの屋上について賃貸借契約を締結した場合、設置料収入については普通法人並みに課税されます。
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この過去問の解説 (2件)
01
「管理組合法人になったらどういうルールになるか」、マンション管理士になったつもりで正しい助言を考えてみましょう。
正。理事は、規約又は集会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができます(区分所有法49条の3)。
よって、本肢のような規約を定めることもできます。
なお、以下の規定と区別して覚えておきましょう。
【標準管理規約53条コメント】
「理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族(理事が、組合員である法人の職務命令により理事となった者である場合は、法人が推挙する者)に限り、代理出席を認める」旨を定める規約の規定は有効である(以下略)。
正。以下の各規定は区別して覚えておきましょう。
【区分所有法】
26条: 管理者は、その職務に関し、区分所有者を代理する。
47条: 管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。
49条:理事は、管理組合法人を代表する。
誤。理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができません(区分所有法49条の2)。
正。法人の有無を問わず、本肢の内容は収益事業の不動産貸付業に該当し、普通法人並みに法人税が課されます。
税務分野が中心の選択肢もあるため、「区分所有法の規定及び判例」によって正誤判定できると言えるのかは若干微妙なところですが、税務分野の論点としては基本的な内容です。
試験本番でいちいち驚かないようにしましょう。
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02
マンションの管理者に関する「区分所有法」及び「判例」に関する「誤った」肢を選択する問題です。「正しい肢」か「誤った肢」のいずれを選ぶのかを間違わないようにしましょう、
正しい肢です。
最高裁判所第二小法廷は平成2年11月26日、" 区分所有法四七条二項の管理組合法人の規約中、理事に事故があり、理事会に出席できないときは、その配偶者又は一親等の親族に限り、その理事を代理して理事会に出席させることができる旨を定めた条項は、違法でない。"と判決し、 原審 大阪高等裁判所の判決を棄却しました。
この判決だけを見ると、問題文の「その配偶者に限って理事会に代理出席させることができる」という部分が誤りと読めてしまいまうかもしれませんが、
区分所有法第49条の3"理事は、規約又は集会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。"
区分所有法第39条第2項"2 議決権は、書面で、又は代理人によつて行使することができる。"
とのことから、管理規約または集会の決議で「その配偶者に限って理事会に代理出席させることができる」と規定することが可能です。
したがって、正しい肢となります。
正しい肢です。
区分所有法第49条4項"理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。"とあり、原則として各自が管理組合法人を代表します。
ただし、区分所有法第49条5項"前項の規定は、規約若しくは集会の決議によつて、管理組合法人を代表すべき理事を定め、若しくは数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定め、又は規約の定めに基づき理事の互選によつて管理組合法人を代表すべき理事を定めることを妨げない。"とあり、管理組合法人を代表すべき理事を定めることも可能です。
誤った肢です。
区分所有法第49条"理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。"とあるため、誤った肢となります。
正しい肢です。
法人税法では、人格のない社団等に対しては、各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得には法人税を課さないこととされています。マンション管理組合は、「人格のない社団等」に該当するため、収益事業から生じた所得にのみ法人税が課されることとなります。
マンションの屋上に携帯電話基地局(アンテナ)を設置させて欲しいという、携帯電話会社からの依頼はあります。
このケースでは、「不動産貸付業」として収益事業となり、設置料収入については、普通法人並に法人税が課税されます。
「区分所有法」だけでなく近隣の法令等の知識が必要な問題でした。
「区分所有法にあったかな、どうかな」と試験時間を費やすのは良くないです。明らかに間違いの肢を見つけてさっと判断するのも合格作戦の1つであると考えます。
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