マンション管理士 過去問
令和6年度(2024年)
問6
問題文
次の集会の議事のうち、区分所有法の規定によれば、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決することができるものの組合せとして正しいものはどれか。
ア 形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更
イ 規約に別段の定めがない共用部分の管理
ウ 規約に別段の定めがない、共用部分の形状又は効用の著しい変更
エ 建物の滅失部分の価格の割合が2分の1を超える場合の共用部分の復旧
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問題
マンション管理士試験 令和6年度(2024年) 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
次の集会の議事のうち、区分所有法の規定によれば、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決することができるものの組合せとして正しいものはどれか。
ア 形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更
イ 規約に別段の定めがない共用部分の管理
ウ 規約に別段の定めがない、共用部分の形状又は効用の著しい変更
エ 建物の滅失部分の価格の割合が2分の1を超える場合の共用部分の復旧
※ 令和8年(2026年)4月1日に改正区分所有法が施行されました。これに伴い、現行法に合わせて、元となる設問文を一部修正しました。
- アとイ
- イとウ
- ウとエ
- エとア
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この過去問の解説 (3件)
01
普通決議か否か(特別決議、そもそも集会決議不要等)を問う問題です。
なお、肢ア~エについてそれぞれ解説します。
ア 形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更
正。共用部分の"軽微"変更にあたるため、普通決議で決することができます(区分所有法18条・39条)。
現行法では、普通決議は、原則として出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決します。
イ 規約に別段の定めがない共用部分の管理
正。たとえば、共用部分につき損害保険契約を締結することについては普通決議で決することができます(区分所有法18条・39条)。
そのため、肢イは普通決議で決することができる事項です。
ウ 規約に別段の定めがない、共用部分の形状又は効用の著しい変更
誤。「共用部分の形状又は効用の著しい変更(重大変更)」にあたるため、普通決議では決することができません。
この場合は、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上による決議が必要です(区分所有法17条)。
エ 建物の滅失部分の価格の割合が2分の1を超える場合の共用部分の復旧
誤。「建物の滅失部分の価格の割合が2分の1を超える場合の共用部分の復旧」は大規模滅失に該当するため、普通決議では決することができません。
現行法では、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の各3分の2以上による決議が必要です(区分所有法61条)。
本問は普通決議か特別決議かの2択に留まっていましたが、「そもそも集会の決議事項ではない」などのパターンも考えられます。
また、現行法では、普通決議や特別決議の要件が改正前と変わっている点にも注意が必要です。
落ち着いて読み解きましょう。
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02
正しい組合せは、アとイです。
この問題では、集会の議事が普通決議で決められるものか、それとも特別決議が必要なものかを見分けることが大切です。
普通決議とは、法律や規約に特別な定めがない場合に、出席した区分所有者とその議決権の各過半数で決める方法です。改正区分所有法では、普通決議について、出席した区分所有者と議決権の各過半数で決することが基本とされています。
ア 形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更
これは普通決議で決めることができます。
共用部分の変更でも、建物の形や使い方を大きく変えるようなものは、重い決議が必要です。
しかし、形状又は効用の著しい変更を伴わない変更は、そこまで大きな変更ではありません。
そのため、区分所有法上は、通常の管理に近いものとして扱われ、普通決議で決めることができます。
したがって、これは該当します。
イ 規約に別段の定めがない共用部分の管理
これは普通決議で決めることができます。
共用部分の管理とは、たとえば共用部分の修理や維持、日常的な管理などをいいます。
規約で別の決め方が定められていない場合、共用部分の管理は、原則として集会の普通決議で決めます。
そのため、出席した区分所有者とその議決権の各過半数で決することができます。
したがって、これは該当します。
ウ 規約に別段の定めがない、共用部分の形状又は効用の著しい変更
これは普通決議では決めることができません。
共用部分の形や使い方を大きく変える場合は、マンション全体への影響が大きくなります。
たとえば、建物の構造や利用のしかたに大きく関わる変更は、単なる管理とはいえません。
このような共用部分の著しい変更については、普通決議ではなく、特別決議が必要です。
改正区分所有法では、共用部分の重大な変更は、一定数の出席を前提に、出席した区分所有者とその議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要とされています。
したがって、これは該当しません。
エ 建物の滅失部分の価格の割合が2分の1を超える場合の共用部分の復旧
これは普通決議では決めることができません。
建物の価格の2分の1を超える部分が壊れた場合は、被害がかなり大きい場合です。
このような場合の復旧は、マンション全体に大きな影響を与えるため、普通決議よりも重い決議が必要です。
改正区分所有法では、このような大規模な滅失の場合の復旧決議について、出席した区分所有者とその議決権の各3分の2以上の多数が必要とされています。
したがって、これは該当しません。
この問題では、普通決議で足りるものを選ぶことがポイントです。
形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更は、普通決議で決めることができます。
規約に別段の定めがない共用部分の管理も、普通決議で決めることができます。
一方で、共用部分の形状又は効用の著しい変更や、建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の復旧は、マンション全体への影響が大きいため、普通決議では足りません。
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03
本問は、建物の区分所有等に関する法律(以下、区分所有法)に定める集会の決議事項のうち、特別決議にあたるものを知っているかどうかを問うものです。
問題文自体は普通決議事項を選ぶ形式ですが、特別決議事項以外が普通決議なのですから、特別決議事項を選んでそれ以外が正解という解き方になります。
つまり、特別決議事項についての知識を裏側から問う問題です。
集会の決議は原則が普通決議であり、特に断りがなく「集会の決議で決する」とある場合には普通決議によるという意味です。
普通決議は、出席区分所有者の頭数と議決権の両方について過半数により行います。
区分所有法第39条第1項「集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する。」
※本条は、2026年(令和8年)4月1日施行の改正区分所有法において改正されています。
従来は、区分所有者全員の頭数と議決権のそれぞれ過半数でしたが、改正により「出席した(議決権を有する)区分所有者」の頭数と議決権のそれぞれ過半数に代わりました。
現状では、100%近い委任状又は書面による議決権行使が行われる集会が多いので実務的な影響は直ちには限定的だと思いますが、決議要件の数字の母数を出席者に限定することで、書面による議決権行使もしないような人(昨今問題となりつつある所有者不明の場合と所在不明の所有者を念頭に置いている)は無視できるようになり、決議のハードルが下がりました。
一方、特別決議事項は多数ありますが、主だったところとして
①管理規約の設定、変更又は廃止(第31条)
②形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更(第17条第1項)
③②に伴う専有部分の保存行為又は専有部分の性質を変えない範囲の利用若しくは改良行為(第17条第3項)
④管理組合の法人化(第47条第1項)及び非法人化(管理組合法人の解散)(第55条第2項)
⑤管理組合法人による区分所有権又は一定の土地の所有権取得(第52条の2第1項)
⑥専有部分の使用禁止請求訴訟の提起(第58条第2項)
⑦建物の価格の1/2を超える大規模滅失時の共用部分の復旧決議(第61条第5項)
はまず押さえておきましょう。
定足数はすべて同じです。
議決権を有する区分所有者の頭数の過半数でかつ議決権の過半数を有するものが出席(いずれも規約で加重できる)する必要があります。
決議数は基本的には、議決権を有する出席区分所有者の頭数及び議決権のそれぞれ3/4以上です。
ただし、②③については規約で過半数まで減らすことができます。
また、②③は変更の目的が工作物責任回避のため又はバリアフリー目的の場合2/3に軽減されます(第17条第5項)。
⑦は2/3で足ります。
これ以外にも特別多数決議が必要なものはありますが、全部書き出しても却ってややこしくなるだけだと思いますので、ここでは割愛しておきます。
アは普通決議事項です。
共用部分の変更は原則として特別議決事項ですが、例外として「形状又は効用の著しい変更を伴わないもの」は普通決議で足ります。
区分所有法第18条第1項本文「共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。」
同法第17条第1項「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。第五項において同じ。)(以下略)」
第18条第1項本文の「前条の場合」とは「形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く共用部分の変更」です。
ですから、前条の場合を除く「形状又は効用の著しい変更を伴わない」共用部分の変更は単に「集会の決議で決する」となります。
すなわち普通決議で足ります。
なお、「変更」は「管理に関する事項」なのかと思う向きもあるかもしれませんが、軽微でない変更について17条で定めて、18条では軽微でない変更について規定する17条を除いてと注意付きで「管理に関する事項」としていることから、「変更」もまた「管理に関する事項」に含むという前提であるのは条文上明らかです。
細かい話ですが、共用部分の変更は法文の体裁上、あくまでも17条第1項の方が原則です。
同法第17条第1項「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。第5項において同じ。)は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項及び第3項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3(これを下回る割合(2分の1を超える割合に限る。)を規約で定めた場合にあつては、その割合)以上の多数による決議で決する。」
※本条は、2026年(令和8年)4月1日施行改正区分所有法で決議要件が改正されています。
議決権を有する区分所有者の頭数の過半数でかつ議決権の過半数を有するものが出席という定足数の定め(規約で加重できます)が新たに規定されています。
また議決数については、母数を出席した区分所有者として、3/4の特別多数から普通決議と同じ過半数まで規約により減らすことができる旨が新たに規定されています。
イは普通決議事項です。
共用部分の管理は普通決議によるのが原則です。
区分所有法第18条第1項本文「共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。」
第2項で例外として規約で別段の定めができることになっていますが、本肢は「規約に別段の定めがない」と書いてありますので原則通りです。
同条第2項「前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。」
ウは特別決議事項です。
アの肢の裏返しです。
形状又は効用に著しい変更を伴う共用部分の変更は、
①議決権を有する区分所有者の頭数の過半数でかつ議決権の過半数を有するものが出席
した集会で、
②議決権を有する出席区分所有者の頭数及び議決権のそれぞれ3/4以上
で決議します。
①の定足数はいずれも規約で加重することができます。
②の議決数はいずれも規約で過半数まで減らすことができます。
本肢は、議決数を過半数まで減らす旨の規約がないのですから、条文通り3/4以上です。
区分所有法第17条第1項「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。第5項において同じ。)は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項及び第3項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3(これを下回る割合(2分の1を超える割合に限る。)を規約で定めた場合にあつては、その割合)以上の多数による決議で決する。」
※本条は、2026年(令和8年)4月1日施行改正区分所有法で決議要件が改正されています。
議決権を有する区分所有者の頭数の過半数でかつ議決権の過半数を有するものが出席という定足数の定め(規約で加重できます)が新たに規定されています。
また議決数については、母数を出席した区分所有者として、3/4の特別多数から普通決議と同じ過半数まで規約により減らすことができる旨が新たに規定されています。
エは特別決議事項です。
大規模滅失(建物の価格の1/2を超える部分の滅失)における共用部分の復旧決議は、
①議決権を有する区分所有者の頭数の過半数でかつ議決権の過半数を有するものが出席
した集会で、
②議決権を有する出席区分所有者の頭数及び議決権の2/3以上の多数
による集会の議決が必要です。
①の定足数はいずれも規約で加重することができます。
②の議決数は変更できません。
区分所有法第61条「建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失したときは、各区分所有者は、滅失した共用部分及び自己の専有部分を復旧することができる。(ただし書き略)
(第2項ないし第4項略)
5 第1項本文に規定する場合を除いて、建物の一部が滅失したときは、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各3分の2以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる。
(第6項以下略)」
※本条は、2026年(令和8年)4月1日施行改正区分所有法で決議要件が改正されています。
議決権を有する区分所有者の頭数の過半数でかつ議決権の過半数を有するものが出席という定足数の定め(規約で加重できます)が新たに規定されています。
また議決数について、母数を出席した区分所有者として、その3/4から2/3に減らしました。
以上、普通決議事項、つまり、議決権を有する区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決することができるものは、アとイです。
ア、イいずれも、議決権を有する区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決することができます。
よってこの肢が正解です。
イは、議決権を有する区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決することができます。
ウは、議決権を有する区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の3/4以上で決することができます。
よってこの肢は誤りです。
ウは、議決権を有する区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の3/4以上で決することができます。
エは、議決権を有する区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の2/3以上で決することができます。
よってこの肢は誤りです。
アは、議決権を有する区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の各過半数で決することができます。
エは、議決権を有する区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者及びその議決権の2/3以上で決することができます。
よってこの肢は誤りです。
特別決議事項及び規約でどのように変更できるのかは憶えておくのが当然ではありますが、本問の出題形式だと肢の比較で、重要なものから順番に並べて重要度の低い二つを選べば正解できる問題でもあります。
共用部分の軽微変更、共用部分の管理一般、共用部分の軽微でない変更、大規模滅失の復旧の4つを大掛かりな順に並べれば、
①大規模滅失
②共用部分の軽微でない変更
③共用部分の変更
④共用部分の管理一般
となるのはすぐに判りますから、決議要件が普通決議で済むのは③と④だろうという推測ができます。
個数問題だと対処できませんから、やはり憶えておくべきではありますが、最後の手段として迷ったら重要度で判断するというのも一つの解答テクニックとして憶えておいてもいいでしょう。
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