マンション管理士 過去問
令和6年度(2024年)
問35

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問題

マンション管理士試験 令和6年度(2024年) 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

甲マンション管理組合の消費税に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。ただし、「収益事業」とは法人税法(昭和40年法律第34号)第2条第13号及び法人税法施行令(昭和40年政令第97号)第5条第1項に規定されている事業を継続して事業場を設けて行うものをいう。
  • 適格請求書発行事業者(いわゆるインボイスを発行する事業者)でない甲マンション管理組合は、収益事業を行っているため法人税の納税義務が生じるが、消費税は、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であるため納税義務が免除される。
  • 甲マンション管理組合が適格請求書発行事業者となった場合は、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても消費税の納税義務が免除されない。
  • 適格請求書発行事業者となった甲マンション管理組合に対して、組合員が支払う管理費には消費税が課されないが、組合員が支払う甲マンション敷地内の駐輪場使用料には消費税が課される。
  • 適格請求書発行事業者となった甲マンション管理組合は、組合員以外の第三者に会議室を貸した場合の賃貸料収入には消費税が課されるが、甲マンション敷地内に電柱を建てさせた場合の敷地料収入には消費税が課されない。

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この過去問の解説 (2件)

01

毎年1問程度出題される税務分野からの問題です。

選択肢1. 適格請求書発行事業者(いわゆるインボイスを発行する事業者)でない甲マンション管理組合は、収益事業を行っているため法人税の納税義務が生じるが、消費税は、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であるため納税義務が免除される。

適切。事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が1000万円以下である者については、その課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき、消費税を納める義務を免除します(消費税法9条1項)。

選択肢2. 甲マンション管理組合が適格請求書発行事業者となった場合は、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても消費税の納税義務が免除されない。

適切。例外として、適格請求書発行事業者については、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても消費税の納税義務は免除されません(消費税法9条1項)。

選択肢3. 適格請求書発行事業者となった甲マンション管理組合に対して、組合員が支払う管理費には消費税が課されないが、組合員が支払う甲マンション敷地内の駐輪場使用料には消費税が課される。

不適切。適格請求書発行事業者となった甲マンション管理組合に対しても、組合員が支払う管理費には消費税は課されませんし、組合員が支払う甲マンション敷地内の駐輪場使用料にも消費税は課されません。

選択肢4. 適格請求書発行事業者となった甲マンション管理組合は、組合員以外の第三者に会議室を貸した場合の賃貸料収入には消費税が課されるが、甲マンション敷地内に電柱を建てさせた場合の敷地料収入には消費税が課されない。

適切。組合員以外の第三者に会議室のような「建物」を貸した場合の賃貸料収入には消費税が課されますが、敷地内に電柱を建てさせた場合の敷地料収入には消費税が課されません。

日々経年劣化していく建物とは異なり、「土地は消費しない」という考え方から、「土地」の譲渡や貸付はそもそも消費税の課税の対象となりません。

まとめ

2023年10月から導入されたインボイス制度からの出題です。

最新の法改正やトレンドにアンテナを張りましょう。

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02

適格請求書発行事業者(いわゆるインボイスを発行する事業者)についての消費税に関する問題です。

 

適切でないものを選択する問題なので、「適切でないものはどれか」に〇印を付けるか下線を引いて、正誤解答を間違わない工夫をしましょう。

選択肢1. 適格請求書発行事業者(いわゆるインボイスを発行する事業者)でない甲マンション管理組合は、収益事業を行っているため法人税の納税義務が生じるが、消費税は、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であるため納税義務が免除される。

適切な肢です。

 

消費税法第9条第1項では、

"事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者(適格請求書発行事業者を除く。)については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき、消費税を納める義務を免除する。ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。"と規定されています。

 

本選択肢においては、甲マンション管理組合は、適格請求書発行業者でなく、「その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であるため」納税義務は免除されます。

 

したがって適切な肢となります。

選択肢2. 甲マンション管理組合が適格請求書発行事業者となった場合は、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても消費税の納税義務が免除されない。

適切な肢です。

 

消費税法第9条第1項では、

"事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者(適格請求書発行事業者を除く。)については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき、消費税を納める義務を免除する。ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。"と規定されています。

 

本選択肢では、甲マンション管理組合は、課税売上高が1,000万円以下ですが、適格請求書発行事業者であるため、消費税の納税義務は免除されません。

 

したがって、適切な肢となります。

選択肢3. 適格請求書発行事業者となった甲マンション管理組合に対して、組合員が支払う管理費には消費税が課されないが、組合員が支払う甲マンション敷地内の駐輪場使用料には消費税が課される。

不適切な肢です。

 

本選択肢前半の「適格請求書発行事業者となった甲マンション管理組合に対して、組合員が支払う管理費には消費税が課されないが、は適切です。

 

しかし、後半部分の「組合員が支払う甲マンション敷地内の駐輪場使用料には消費税が課される。」については、消費税は課税されず不適切です。

 

したがって、本選択肢は不適切であり、正答となります。

選択肢4. 適格請求書発行事業者となった甲マンション管理組合は、組合員以外の第三者に会議室を貸した場合の賃貸料収入には消費税が課されるが、甲マンション敷地内に電柱を建てさせた場合の敷地料収入には消費税が課されない。

適切な肢です。

 

本選択肢本文前半部分「適格請求書発行事業者となった甲マンション管理組合は、組合員以外の第三者に会議室を貸した場合の賃貸料収入には消費税が課されるが」について、適格請求書発行事業者のため、課税売上に関わらず、組合員以外の第三者に会議室を貸した場合の賃貸料収入には消費税が課税されるため、適切です。

 

また、後半部分「甲マンション敷地内に電柱を建てさせた場合の敷地料収入には消費税が課されない。」についても、土地の売買や賃貸について、土地は消費しないとの考えから消費税の課税対象となりません。よって後半部分も適切です。

 

したがって、適切な肢となります。

まとめ

宅建業に従事されている方なら、「土地の売買・賃貸について消費税は課税されない」との判断はできると思います。

マンション管理士以外の知識も役に立ちますので、周辺資格の勉強や業務の経験を活かせる可能性はあります。

 

 

マンション管理士試験は1問が合否を分ける難関試験です。

毎年、税務分野からは1問出題される傾向にあります。分野を絞りにくいところではありますが、幅広く答練を繰り返しましょう。

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