マンション管理士 過去問
令和6年度(2024年)
問33
問題文
次の記述のうち、標準管理規約(団地型)及び標準管理規約(複合用途型)によれば、適切なものはどれか。
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問題
マンション管理士試験 令和6年度(2024年) 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、標準管理規約(団地型)及び標準管理規約(複合用途型)によれば、適切なものはどれか。
- A棟からD棟の4棟からなる団地型マンションの団地共用部分である集会所がA棟内にある場合、当該集会所の改修工事費は、A棟修繕積立金から支出する。
- A棟からD棟の4棟からなる団地型マンションの駐車場使用料は、その管理に要する費用に充てるほか、各棟の住戸の戸数に応じて棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てる。
- 複合用途型マンションにおいて、1階店舗のショーウィンドーのガラスが台風による飛来物で破損し、店舗の使用に支障が生じた場合、当該店舗を所有する区分所有者は、理事会の承認なしに破損したものと同様の仕様のガラスに取替えることができる。
- 複合用途型マンションの使用細則で定めた店舗の営業時間を超過して営業しているテナントに対し、管理組合の店舗部会は、勧告、指示、警告を行うことができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
『標準管理規約』の団地型と複合用途型のそれぞれから出題されています。
不適切。管理組合は、各団地建物所有者が納入する団地修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた団地修繕積立金は、土地、附属施設及び団地共用部分の、一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕等、特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができます(標準管理規約団地型28条1項1号)。
本肢のようにたとえA棟内にある集会所であっても、団地共用部分であれば団地修繕積立金から取り崩すことになります。
不適切。駐車場使用料その他の土地及び共用部分等に係る使用料(以下「使用料」という。)は、それらの管理に要する費用に充てるほか、団地建物所有者の土地の共有持分に応じて棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てます(標準管理規約団地型31条)。
適切。窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとします(標準管理規約複合用途型7条2項3号)。
そのため、区分所有者は、原則として敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができません。
ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、単独で保存行為を行うことができます(標準管理規約複合用途型21条3項)。
例えば、台風等で住戸の窓ガラスが割れた場合に、専有部分への雨の吹き込みを防ぐため、割れたものと同様の仕様の窓ガラスに張り替えるというようなケースが該当します(標準管理規約複合用途型21条関係コメント8)。
不適切。区分所有者等が、法令、規約又は使用細則等に違反したときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができます(標準管理規約複合用途型72条1項)。
住宅部会及び店舗部会は管理組合としての意思を決定する機関ではないため、本肢のような権限は店舗部会にはありません(標準管理規約複合用途型60条関係コメント1)。
本問を真に理解するためには『標準管理規約(単棟型)』を、単棟型を理解するためには区分所有法を併せて理解する必要があります。
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02
適切な記述は、
「複合用途型マンションにおいて、1階店舗のショーウィンドーのガラスが台風による飛来物で破損し、店舗の使用に支障が生じた場合、当該店舗を所有する区分所有者は、理事会の承認なしに破損したものと同様の仕様のガラスに取替えることができる。」
です。
複合用途型の標準管理規約では、窓ガラスなどの共用部分等の保存行為は、原則として理事長の承認が必要です。しかし、専有部分の使用に支障が生じていて、しかも緊急を要する場合は、例外的に区分所有者が保存行為を行うことができます。台風で店舗のショーウィンドーのガラスが割れ、店舗の使用に支障が出ている場合は、この例外に当たると考えられます。
この記述は適切ではありません。
ポイントは、集会所が「A棟内にある」ことではなく、問題文で「団地共用部分である集会所」とされていることです。
団地型の標準管理規約では、団地修繕積立金は、土地、附属施設及び団地共用部分の特別の管理に要する経費に充てるものとされています。たとえば、団地共用部分の改良や変更に必要な費用は、団地修繕積立金から支出します。
一方、各棟修繕積立金は、それぞれの棟の共用部分に関する特別の管理費用に使うものです。
したがって、集会所がA棟内にあっても、団地共用部分である以上、A棟修繕積立金ではなく、団地修繕積立金から支出するのが原則です。
この記述は適切ではありません。
駐車場使用料は、その駐車場の管理に必要な費用に充てるほか、棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てます。
ただし、その分け方は「各棟の住戸の戸数に応じて」ではありません。標準管理規約(団地型)では、駐車場使用料などは、団地建物所有者の土地の共有持分に応じて、棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てるとされています。
そのため、「各棟の住戸の戸数に応じて」としている点が誤りです。
この記述は適切です。
複合用途型マンションでは、窓ガラスは専有部分に含まれないものとされています。つまり、店舗のショーウィンドーのガラスも、通常は共用部分等として扱われます。
そのため、区分所有者が勝手に工事できるわけではありません。原則として、敷地及び共用部分等の保存行為は、あらかじめ理事長に申請し、承認を受ける必要があります。
しかし、標準管理規約(複合用途型)では、専有部分の使用に支障が生じている場合で、保存行為の実施が緊急を要するときは、例外的に区分所有者が保存行為を行うことができるとされています。
本肢では、台風でガラスが破損し、店舗の使用に支障が出ています。また、破損したものと同様の仕様のガラスに取り替えるだけなので、性能や形状を大きく変える改良工事ではなく、原状を回復する保存行為と考えられます。
したがって、理事会の承認なしに取替えできるとするこの記述は適切です。
この記述は適切ではありません。
店舗の営業時間が使用細則で定められている場合、その時間を超えて営業することは、使用細則違反になる可能性があります。
ただし、標準管理規約(複合用途型)で、勧告、指示、警告を行うことができるとされているのは、店舗部会ではなく、理事長です。
標準管理規約(複合用途型)では、区分所有者等が法令、規約又は使用細則等に違反したときは、理事長が理事会の決議を経て、必要な勧告、指示、警告を行うことができるとされています。
そのため、「店舗部会が行うことができる」としている点が誤りです。
覚えておくポイントは、費用の出どころと、誰が対応できるのかを分けて考えることです。
団地型マンションでは、団地共用部分の改修費は団地修繕積立金から支出します。A棟内にある施設でも、団地共用部分であれば、A棟修繕積立金から支出するとは限りません。
駐車場使用料は、管理費用に充てるほか、土地の共有持分に応じて棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てます。住戸数で分けるわけではありません。
複合用途型マンションでは、店舗の窓ガラスが台風などで破損し、店舗の使用に支障が出ているような緊急の場合には、同様の仕様のガラスへの取替えが認められる場合があります。
一方で、使用細則違反への勧告、指示、警告を行うのは店舗部会ではなく、理事会の決議を経た理事長です。
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03
本問は、標準管理規約(団地型)及び標準管理規約(複合用途型)の規定に関する問題ということになっています。
しかし、団地型については団地特有の規定の話ですが、複合用途型については店舗という設定で問題を作った以上の意味はなく、特に特有の話ではありません。
その意味では単に団地型の出題と捉えても実質的に同じことです。
「適切なもの」ではありません。
団地共用部分なのですから、それがたとえ団地内の特定の区分所有建物の一部であるとしても、その改修工事費は団地修繕積立金を充てます。
標準管理規約(団地型)第28条「管理組合は、各団地建物所有者が納入する団地修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた団地修繕積立金は、土地、附属施設及び団地共用部分の、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
(第2号略)
三 土地、附属施設及び団地共用部分の改良又は変更
(第4号以下略)」
「改修」というのが上記第1号又は第3号のいずれかに当たるかは工事の内容次第ですが、いずれにしても団地修繕積立金を充当します。
「適切なもの」ではありません。
駐車場等の土地又は共用部分の使用料は、まずは当該施設の管理に要する費用に充て、残りは修繕積立金とします。
団地の場合、土地の共有持分の割合で按分して各棟の修繕積立金とします。
標準管理規約(団地型)第31条「駐車場使用料その他の土地及び共用部分等に係る使用料(以下「使用料」という。)は、それらの管理に要する費用に充てるほか、団地建物所有者の土地の共有持分に応じて棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てる。」
「適切なもの」です。よってこの肢が正解です。
窓ガラスは専有部分ではなく、専用使用権のある共用部分です。
共用部分の管理は、原則として管理組合が行いますが、専用使用権のある共用部分は通常の使用に伴うものは専用使用権を有する者が行います。
その際、原則としては事前に理事会の承認を得なければ保存行為を行うことができません。
しかし、専有部分の使用に支障が生じていて緊急を要する場合には、専用使用権者が行う保存行為については理事会の承認は不要です。
そして、本肢は、店舗ショーウィンドウのガラスが割れて営業に支障があるという設定ですから、「緊急を要するのであれば」その専用使用権者である区分所有者が同等の仕様のガラスに入れ替える場合に理事会の承認は不要です。
標準管理規約(複合用途型)第7条第2項「前項の専有部分を他から区分する構造物の帰属については、次のとおりとする。
(第1号及び第2号略)
三 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする。」
同第14条「区分所有者は、別表第4に掲げるバルコニー、玄関扉、シャッター、窓枠、窓ガラス、一階に面する庭、店舗前面敷地及び屋上テラス(以下この条、第21条第1項及び別表第4において「バルコニー等」という。)について、同表に掲げるとおり、専用使用権を有することを承認する。」
同第21条「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の保存行為(区分所有法第18条第1項ただし書の「保存行為」をいう。以下同じ。)のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。」
(第2項略)
3 区分所有者は、第1項ただし書の場合又はあらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けた場合を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない。」
同コメント第21条関係「④本条第1項ただし書の「通常の使用に伴う」保存行為とは、バルコニーの清掃や窓ガラスが割れた時の入替え等である。」
同「⑧第3項ただし書は、例えば、台風等で住戸の窓ガラスが割れた場合に、専有部分への雨の吹き込みを防ぐため、割れたものと同様の仕様の窓ガラスに張り替えるというようなケースが該当する。(略)
承認の申請先等は理事長であるが、承認、不承認の判断はあくまで理事会の決議によるものである(第58条第1項第五号参照)。」
問題文には「緊急を要する」とは書いていないのですが、普通は要するが故のコメントの例示でしょう。
なお、一般には理事長の承認と言いますが、厳密には、承認は理事会の仕事で、理事長はその名義で理事会の承認を執行するだけです。
「適切なもの」ではありません。
店舗部会はあくまでも協議のための組織であって意思決定機関でも執行者でもありません。
ですから、店舗部会が勧告等を行うことはできません。
管理組合の意思決定機関は総会と理事会だけです。
管理組合の業務の執行者は管理者又は理事長です。
標準管理規約(団地型)第72条「区分所有者、その同居人若しくは店舗勤務者又は専有部分の貸与を受けた者、その同居人若しくは店舗勤務者(以下「区分所有者等」という。)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。」
同コメント第60条関係「①住宅部会及び店舗部会は管理組合としての意思を決定する機関ではないが、それぞれ住宅部分、店舗部分の一部共用部分の管理等について協議する組織として位置づけるものである。」
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