マンション管理士 過去問
令和4年度(2022年)
問3

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問題

マンション管理士試験 令和4年度(2022年) 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

管理所有に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
  • 規約の別段の定めによっても、管理者は一部共用部分を所有することはできない。
  • 規約の別段の定めによっても、共用部分の所有者を管理者以外の特定の区分所有者とすることはできない。
  • 管理所有者は、その者が管理所有する共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。
  • 管理所有者は、その者が管理所有する共用部分について、その形状又は効用の著しい変更を伴わないものであっても、変更をすることはできない。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、区分所有法における「管理所有」に関する記述の中で、正しいものを選ぶものです。それぞれの選択肢について解説します。

選択肢1. 規約の別段の定めによっても、管理者は一部共用部分を所有することはできない。

誤り

管理所有とは、共用部分の一部または全部を、管理者が所有する形態を指します。区分所有法に基づき、規約の別段の定めによって、管理者が一部共用部分を所有すること(管理所有)が可能です。

選択肢2. 規約の別段の定めによっても、共用部分の所有者を管理者以外の特定の区分所有者とすることはできない。

誤り

区分所有法に基づき、規約の別段の定めによって、共用部分の所有者を管理者以外の特定の区分所有者とすること(特定管理)が可能です。

選択肢3. 管理所有者は、その者が管理所有する共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。

正しい

管理所有者は、その者が管理所有する共用部分を保存し、または改良するために必要な範囲内で、他の区分所有者の専有部分または自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができます。これは、管理所有者が管理所有する共用部分の維持・管理の責務を果たすための権限とされています。

選択肢4. 管理所有者は、その者が管理所有する共用部分について、その形状又は効用の著しい変更を伴わないものであっても、変更をすることはできない。

誤り

管理所有者は、その者が管理所有する共用部分について、その形状または効用の著しい変更を伴わない範囲で、変更をすることが可能です。ただし、これには他の区分所有者の利益を害するような変更は含まれません。

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02

 区分所有法からの出題です。管理所有については、同法の中でも理解がしにくい部分になりますが、過去問をしっかりと学習して、理解を深めると良いと思います。

選択肢1. 規約の別段の定めによっても、管理者は一部共用部分を所有することはできない。

 区分所有法20条1項により、「規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は、区分所有者全員一部共用部分については、これを共用すべき区分所有者)のためにその共用部分を管理する義務を負う。この場合には、それらの区分所有者に対し、相当な管理費用を請求することができる。」とされ、同法27条1項により、「管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。」とされ、同条2項により、「同法20条の規定は、前項の場合に準用する。」とされます。

 つまり、「規約の別段の定めによっても、管理者は一部共用部分を所有することはできない。」ということはなく、誤りになります。

選択肢2. 規約の別段の定めによっても、共用部分の所有者を管理者以外の特定の区分所有者とすることはできない。

 区分所有法11条1項により、「共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。」とされ、同条2項により、「前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、管理所有の場合を除いて区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。」とされます。

 つまり、「規約の別段の定めによっても、共用部分の所有者を管理者以外の特定の区分所有者とすることはできない。」ということはなく、誤りになります。

選択肢3. 管理所有者は、その者が管理所有する共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。

 区分所有法6条2項により、「区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。」とされ、同法27条1項により、「管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。」とされ、同条2項により、「同法6条の規定は、前項の場合に準用する。」とされるので、正しいです。

選択肢4. 管理所有者は、その者が管理所有する共用部分について、その形状又は効用の著しい変更を伴わないものであっても、変更をすることはできない。

 区分所有法17条1項により、「共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる」とされ、同法20条1項により、「規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は、区分所有者全員一部共用部分については、これを共用すべき区分所有者)のためにその共用部分を管理する義務を負う。この場合には、それらの区分所有者に対し、相当な管理費用を請求することができる。」とされ、同条2項により、「前項の共用部分の所有者は、同法17条1項に規定する共用部分の変更をすることができない。」とされ、同法27条1項により、「管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。」とされ、同条2項により、「20条の規定は、前項の場合に準用する。」とされます。

 つまり、「管理所有者は、その者が管理所有する共用部分について、その形状又は効用の著しい変更を伴わないものであっても、変更をすることはできない。」ということはなく、誤りになります。

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03

管理所有に関する問題です。

選択肢1. 規約の別段の定めによっても、管理者は一部共用部分を所有することはできない。

誤。一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属します(区分所有法11条1項但書)。

しかし、上記の規定は、

規約で別段の定めをすることを妨げません(区分所有法11条2項)。

 

たとえば、管理者が「管理所有者」として一部共用部分を所有することもできます(区分所有法20条1項 ,27条1,2項)。

 

よって、規約の別段の定めがあれば、

管理者は一部共用部分を所有することはできるので、

本肢は誤りです。

選択肢2. 規約の別段の定めによっても、共用部分の所有者を管理者以外の特定の区分所有者とすることはできない。

誤。共用部分は、区分所有者全員の共有に属するのが原則です(区分所有法11条1項)。

 

しかし、上記の規定は、

規約で別段の定めをすることを妨げません(区分所有法11条2項)。

たとえば、規約で特定の区分所有者を共用部分の所有者と定めることもできます(区分所有法20条1項)。

 

よって、規約の別段の定めがあれば、

共用部分の所有者を管理者以外の特定の区分所有者とすることはできるので、

本肢は誤りです。

選択肢3. 管理所有者は、その者が管理所有する共用部分を保存し、又は改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。

。管理者は、規約に特別の定めがあるときは、

共用部分を所有することができます(区分所有法27条1項)。

 

上記の管理者は「管理所有者」として、

その者が管理所有する共用部分を保存し、

又は改良するため必要な範囲内において、

他の区分所有者の専有部分若しくは自己の所有に属しない共用部分を使用し、

又は自らこれらを保存することを請求することができます(区分所有法6条2項,27条2項)。

選択肢4. 管理所有者は、その者が管理所有する共用部分について、その形状又は効用の著しい変更を伴わないものであっても、変更をすることはできない。

誤。共用部分の管理所有者は

共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)をすることができません(区分所有法20条2項)。

 

裏返せば、管理所有者は、

その者が管理所有する共用部分について、

その形状又は効用の著しい変更を伴わないものであれば、

変更をすることができるということなので、

本肢は誤りです。

まとめ

それぞれの言い回しに混乱しますが、

問題演習を通じて慣れましょう。

 

重大変更

管H27-29-4:共用部分の変更

宅R2.10-13-1:共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)

マH22-9-2:形状又は効用の著しい変更を伴う共用部分の変更

 

軽微変更

マH24-6-4:共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴わないもの

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