マンション管理士 過去問
令和3年度(2021年)
問38
問題文
ア ひび割れの原因の一つは、コンクリートの乾燥収縮である。
イ 剥落の原因の一つは、コンクリートの中性化による鉄筋の腐食である。
ウ ポップアウトの原因の一つは、コンクリートの内部の部分的な膨張圧である。
エ エフロレッセンスの原因の一つは、コンクリートのアルカリ骨材反応である。
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問題
マンション管理士試験 令和3年度(2021年) 問38 (訂正依頼・報告はこちら)
ア ひび割れの原因の一つは、コンクリートの乾燥収縮である。
イ 剥落の原因の一つは、コンクリートの中性化による鉄筋の腐食である。
ウ ポップアウトの原因の一つは、コンクリートの内部の部分的な膨張圧である。
エ エフロレッセンスの原因の一つは、コンクリートのアルカリ骨材反応である。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は1です
ア 適切です。コンクリートのひび割れの原因は、コンクリートの乾燥収縮もあります。
イ 適切です。コンクリートの剥落は鉄筋の腐食が原因のこともあります。
ウ 適切です。コンクリート内部の部分的な膨張圧によって、表面が円錐形になる状態です。
エ 不適切です。エフロレッセンスは空気中の炭酸ガスと化合してできたもので、コンクリートのひび割れからの雨水の浸入等が原因です。
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02
エが適切ではないものになります。
劣化現象などからの出題です。難問というわけではないのですが、多くの受験生にとって馴染みのない分野であると思われますので、過去問レベルの勉強におさえて、得点できれば良かったくらいに考えた方が良いと思います。
ア 適切
コンクリートは、乾燥収縮以外にも、コンクリートの中性化や施工状態、外力、材料などさまざまな要因でひび割れが生じるので適切です。
イ 適切
コンクリートの中性化とは、最初はアルカリ性であるコンクリートが、空気中の炭酸ガスなどと反応し、アルカリ性を失い、中性化してくる現象です。これにより、タイルなどが部分的に、剥がれ落ちるコンクリートの剥落やコンクリートのひび割れなどをおこすので適切です。
ウ 適切
ポップアウトとは、コンクリート内部の部分的な膨張圧によって、コンクリート表面の小部分が円錐形のくぼみ状に破壊された状態をいうので適切です。
エ 不適切
エフロレッセンス(白華)とは、石材、コンクリート及びレンガ目地などの表面に浸出して結晶化した白い物質で、コンクリートのひび割れなどから雨水が侵入することなどが原因ですので適切ではありません。
ちなみに、アルカリ骨材反応とは、最初はアルカリ性であるコンクリートについて、アルカリ性が強く、シリカ成分が多いと、両者が反応して骨材が膨張し、コンクリートがひび割れをおこす現象をいいます。
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03
建物の劣化原因と症状に関して、
「適切でないもの」を数える個数問題です。
数え間違えないように、
問題文冒頭の「適切でない」の上に大きく×印を書いておき、
各記述の左側に○×をメモしておくのがおすすめです。
最後に×を数えれば、ケアレスミスは防げます。
なお、記述ア〜エについてそれぞれ解説します。
ア ひび割れの原因の一つは、コンクリートの乾燥収縮である。
適切。ひび割れの原因の一つとして、
コンクリートの乾燥収縮が挙げられます。
乾燥した大地もひび割れている様子を見たことがあるはずなので、
似たようなものとイメージして覚えましょう。
イ 剥落の原因の一つは、コンクリートの中性化による鉄筋の腐食である。
適切。本来であれば鉄筋は酸化していくものですが、
コンクリートに含まれるアルカリ性によって、
鉄筋の酸化が食い止められています。
だからこそ、「鉄筋コンクリート造」という構造が多く採用されているわけですが、
以下の順番で劣化していくことが多いです。
(1)空気中の炭酸ガス等と反応し、コンクリートの表面から徐々にアルカリ性が失われていく(中性化)
(2)中性化が進行し、コンクリート内部の鉄筋に到達する
(3)鉄筋が徐々に酸化→腐食→膨張していく
(4)膨張した鉄筋に沿ってコンクリートがひび割れていく
(5)ひび割れたコンクリートや、その上に被せてあるタイル等が剥落する
よって、剥落の原因の一つは、
コンクリートの中性化による鉄筋の腐食であるといえます。
ウ ポップアウトの原因の一つは、コンクリートの内部の部分的な膨張圧である。
適切。ポップアウトとは、コンクリート表面の小部分が円錐形のくぼみ状に破壊された状態で、
凍害、アルカリ骨材反応等が原因で発生します。
凍害によって水分が、
アルカリ骨材反応によって骨材がそれぞれ膨張します。
したがって、ポップアウトの原因の一つは、
コンクリートの内部の部分的な膨張圧であるといえるため、
記述ウは適切です。
エ エフロレッセンスの原因の一つは、コンクリートのアルカリ骨材反応である。
不適切。エフロレッセンス(白華現象)とアルカリ骨材反応に因果関係はありません。
それぞれ以下の順番となります。
【エフロレッセンス(白華現象)】
(1)雨水等がコンクリートの表層部から浸水していく
(2)コンクリート内部の可溶性物質(ex石灰等)が表面に溶け出してくる
(3) 空気中の炭酸ガス等と化合する
(4)いわゆる「ハナタレ」という白い粉状の筋が表面に現れ、白い華が咲いたように見える
【アルカリ骨材反応(アルカリシリカ反応)】
(1)シリカ等が含まれた粗骨材や細骨材を用いる
(2)骨材の周囲にあるアルカリ成分との化学反応を引き起こす
(3)化合物によって膨張する
(4)亀甲状にひび割れたり、ポップアウト現象が生じたりする
建物の劣化原因と症状を丸暗記するのはなかなかしんどいので、
それぞれの因果関係を参考書等で
実物を画像検索等でそれぞれ把握しておきましょう。
ひとたび把握すれば、街中で建物の劣化を見つけることができ、
その度に復習するチャンスが得られます。
机の上以外でも勉強できることが建築・設備系分野のいいところなので、
隙間時間も有効活用していきましょう。
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