マンション管理士 過去問
令和3年度(2021年)
問33

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問題

マンション管理士試験 令和3年度(2021年) 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

複合用途型マンションの管理に関する次の記述のうち、「マンション標準管理規約(複合用途型)及びマンション標準管理規約(複合用途型)コメント」(最終改正平成29年8月29日国住マ第33号)によれば、適切なものはどれか。
  • 建物のうち店舗部分の屋上を店舗の来客者専用駐車場として使用する場合、店舗部分の区分所有者から管理組合に対し支払われる駐車場使用料は、当該駐車場の管理費に充てるほか、全体修繕積立金として積み立てる必要がある。
  • 住宅一部共用部分の修繕積立金を取り崩す場合には、総会決議において、全区分所有者の過半数の賛成とともに、住宅部分の区分所有者の過半数の賛成を得る必要がある。
  • 複合用途型マンションでは、全体共用部分、住宅一部共用部分及び店舗一部共用部分ごとに管理費及び修繕積立金があることから、会計担当理事を少なくとも3人選任し、それぞれの部分の会計業務にあたらせる必要がある。
  • 住宅部分の区分所有者から、店舗一部管理費及び店舗一部修繕積立金に係る会計帳簿や帳票について理由を付した書面による閲覧の請求があった場合、理事長は、請求者が、帳票類に関し利害関係を有するかを確認する必要がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1 適切です。駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、全体修繕積立金として積み立てます。

参考:標準管理規約複合用途型33条

2 不適切です。住宅一部修繕積立金の取崩しについては、総会の決議が必要であり、住宅部分の区分所有者の過半数の賛成の要件はありません。

参考:標準管理規約複合用途型52条10号

3 不適切です。特段会計理事の人数まで規定されていません。

参考:標準管理規約複合用途型39条1項3号

4 不適切です。理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管しますが、請求者が、帳票類に関し利害関係を有するかを確認する必要がはありません。

参考:標準管理規約複合用途型69条1項

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02

 マンション標準管理規約(複合用途型)からの出題です。難問の部類ではありますが、単棟型と紐づけて勉強をすると良いと思います。 

選択肢1. 建物のうち店舗部分の屋上を店舗の来客者専用駐車場として使用する場合、店舗部分の区分所有者から管理組合に対し支払われる駐車場使用料は、当該駐車場の管理費に充てるほか、全体修繕積立金として積み立てる必要がある。

 マンション標準管理規約(複合用途型)33条によると、「駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、全体修繕積立金として積み立てる。」とされるので適切です。 

選択肢2. 住宅一部共用部分の修繕積立金を取り崩す場合には、総会決議において、全区分所有者の過半数の賛成とともに、住宅部分の区分所有者の過半数の賛成を得る必要がある。

 マンション標準管理規約(複合用途型)31条1項2項により、「管理組合は、住戸部分の各区分所有者が納入する住宅一部修繕積立金及び店舗部分の各区分所有者が納入する店舗一部修繕積立金を、それぞれ積み立てるものとする。住宅一部修繕積立金は住宅一部共用部分の、店舗一部修繕積立金は店舗一部共用部分の、特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。」とされ、同規約52条10号により、「特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ並びに全体修繕積立金、住宅一部修繕積立金及び店舗一部修繕積立金の取崩しについては、総会の決議を経なければならない。」とされます。

 つまり、総会決議において、全区分所有者の過半数の賛成とともに、住宅部分の区分所有者の過半数の賛成を得る必要があるという部分が適切ではありません。

選択肢3. 複合用途型マンションでは、全体共用部分、住宅一部共用部分及び店舗一部共用部分ごとに管理費及び修繕積立金があることから、会計担当理事を少なくとも3人選任し、それぞれの部分の会計業務にあたらせる必要がある。

マンション標準管理規約(複合用途型)39条1項3号によると、「管理組合に会計担当理事 ○名を置く。」とされます。

 会計担当理事を少なくとも3人選任し、それぞれの部分の会計業務にあたらせる必要があるという部分が適切ではありません。3人以上という限定ではありません。

選択肢4. 住宅部分の区分所有者から、店舗一部管理費及び店舗一部修繕積立金に係る会計帳簿や帳票について理由を付した書面による閲覧の請求があった場合、理事長は、請求者が、帳票類に関し利害関係を有するかを確認する必要がある。

 マンション標準管理規約(複合用途型)69条1項によると、「理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を、書面又は電磁的記録により作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面又は電磁的方法による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。」とされます。

 つまり、理事長は、請求者が、帳票類に関し利害関係を有するかを確認する必要があるという部分が適切ではありません。

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03

標準管理規約(複合用途型)からの出題です。

選択肢1. 建物のうち店舗部分の屋上を店舗の来客者専用駐車場として使用する場合、店舗部分の区分所有者から管理組合に対し支払われる駐車場使用料は、当該駐車場の管理費に充てるほか、全体修繕積立金として積み立てる必要がある。

適切。駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料(以下「使用料」という。)は、

それらの管理に要する費用に充てるほか、

全体修繕積立金、住宅一部修繕積立金又は店舗一部修繕積立金として積み立てる必要があります(標準管理規約複合用途型33条)。

選択肢2. 住宅一部共用部分の修繕積立金を取り崩す場合には、総会決議において、全区分所有者の過半数の賛成とともに、住宅部分の区分所有者の過半数の賛成を得る必要がある。

不適切。住宅一部修繕積立金は住宅一部共用部分の

店舗一部修繕積立金は店舗一部共用部分の、

それぞれ特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができます(標準管理規約複合用途型31条2項)。

 

上記の特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ並びに全体修繕積立金、住宅一部修繕積立金及び店舗一部修繕積立金の取崩しについては、

総会の決議を経なければなりません(標準管理規約複合用途型52条10号)。

 

この要件について、

「全区分所有者の過半数の賛成」「住宅部分の区分所有者の過半数の賛成」のような具体的な内訳までは示されていませんので、

本肢は不適切です。

選択肢3. 複合用途型マンションでは、全体共用部分、住宅一部共用部分及び店舗一部共用部分ごとに管理費及び修繕積立金があることから、会計担当理事を少なくとも3人選任し、それぞれの部分の会計業務にあたらせる必要がある。

不適切。たしかに、 「管理組合に会計担当理事○名を置く」なる規定はありますが、

実際に何名を置くかは各管理組合に委ねられています(標準管理規約複合用途型39条1項3号)。

 

もちろん、役員の選任方法は、

一般的に合理的であると考えられる方法、

例えば住宅、店舗それぞれの部分から各部分の戸数、面積等に比例してあらかじめ員数を割り当てる方法等、

区分所有者の意向を公平に反映するような方法について配慮する必要はあります(標準管理規約複合用途型39条コメント④)。

 

しかし、本肢のように、

全体共用部分、住宅一部共用部分及び店舗一部共用部分ごとに管理費及び修繕積立金があるからといって

会計担当理事を少なくとも3人選任し、

それぞれの部分の会計業務にあたらせる必要はありません

選択肢4. 住宅部分の区分所有者から、店舗一部管理費及び店舗一部修繕積立金に係る会計帳簿や帳票について理由を付した書面による閲覧の請求があった場合、理事長は、請求者が、帳票類に関し利害関係を有するかを確認する必要がある。

不適切。理事長は、会計帳簿、什器備品台帳その他の帳票類を作成して保管し、

組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、

これらを閲覧させなければなりません(標準管理規約複合用途型69条1項)。

 

たとえ「店舗一部管理費及び店舗一部修繕積立金に係る会計帳簿や帳票について」の書面閲覧請求であったとしても、

「住宅部分の区分所有者」は組合員です。

 

したがって、理事長は、

請求者が帳票類に関し利害関係を有するかを確認するまでもなく、

これらを閲覧させなければなりません。

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