マンション管理士 過去問
令和3年度(2021年)
問25
問題文
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問題
マンション管理士試験 令和3年度(2021年) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
- 専有部分の床のフローリング工事の申請があった場合、理事長が承認又は不承認の決定を行うに当たっては、構造、工事の仕様、材料等により共用部分や他の専有部分への影響が異なるので、専門的知識を有する者への確認が必要である。
- 理事長の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事により共用部分や他の専有部分に影響を生じたときには、管理組合の責任と負担により必要な措置を講じなければならない。
- 理事長の承認を要しない修繕等であっても、工事業者の立入りや工事の騒音等工事の実施中における共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要があるものを行おうとするときは、あらかじめ理事長にその旨を届け出なければならない。
- 専有部分の内装工事とあわせて防犯上の観点から玄関扉を交換する工事の申請があった場合において、管理組合が計画修繕として同等の工事を速やかに実施できないときには、申請者はあらかじめ理事長の書面による承認を受けることにより、当該工事を自己の責任と負担において実施することができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2です
1 適切です。専有部分の修繕等を、理事長が承認を行うに当たっては、専門的な判断が必要となる場合もあることから、建築士、建築設備の専門家等の意見を聴くことにより協力を得ることが考えられます。
参考:標準管理規約17条関係コメント⑤
2 不適切です。理事長から承認を受けた工事であっても、工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、工事を発注した区分所有者が責任となり、必要な措置をしなければなりません。
参考:標準管理規約17条6項
3 適切です。区分所有者は、理事長の承認を要しない修繕等のうち、共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要がある工事を実施する場合は、あらかじめ、理事長にその旨を届け出なければなりません。
参考:標準管理規約17条7項
4 適切です。共用部分のうち各住戸に附属する窓枠等の改良工事について、管理組合で実施できない場合には、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けることにより、区分所有者の責任と負担において実施することができます。
参考:標準管理規約22条2項
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02
標準管理規約からの出題です。当然ながら、標準管理規約は重要な分野になりますので、しっかりと理解をしながら勉強してください。
標準管理規約(単棟型)コメント17条関係⑤によると、「承認を行うに当たっては、専門的な判断が必要となる場合も考えられることから、専門的知識を有する者(建築士、建築設備の専門家等)の意見を聴く等により専門家の協力を得ることを考慮する。 特に、フローリング工事の場合には、構造、工事の仕様、材料等により影響が異なるので、専門家への確認が必要である。」とされるので適切です。
標準管理規約(単棟型)17条1項により、「区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物 に定着する物件の取付け若しくは取替えであって共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おう とするときは、あらかじめ、理事長にその旨を申請し、書面又は電磁的方法による承認を受けなければならない。」とされ、同規約6項により、「同条1項の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、当該工事を発注した区分所有者の責任と負担により必要な措置をとらなければならない。」とされます。
つまり、管理組合の責任と負担により必要な措置を講じなければならないという部分が適切ではありません。
標準管理規約(単棟型)17条1項により、「区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物 に定着する物件の取付け若しくは取替えであって共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おう とするときは、あらかじめ、理事長にその旨を申請し、書面又は電磁的方法による承認を受けなければならない。」とされ同規約7項により、「区分所有者は、同条1項の承認を要しない修繕等のうち、工事業者の立入り、工事の資機材の搬入、工事の騒音、振動、臭気等工事の実施中における共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要があるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を届け出なければならない。」とされるので適切です。
標準管理規約(単棟型)22条1項により、「共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。」とされ、同規約2項により、「区分所有者は、管理組合が前項の工事を速やかに実施できない場合には、あらかじめ理事長に申請して書面又は電磁的方法による承認を受けることにより、当該工事を当該区分所有者の責任と負担において実施することができる。」とされるので適切です。
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03
専有部分の修繕等についての手続きに関する問題です。
適切。専有部分の修繕等について理事長による承認を行うに当たっては、
専門的な判断が必要となる場合も考えられることから、
専門的知識を有する者(建築士、建築設備の専門家等)の意見を聴く等により専門家の協力を得ることを考慮します。
特に、フローリング工事の場合には、
構造、工事の仕様、材料等により影響が異なるので、
専門家への確認が必要です(標準管理規約17条コメント⑤)。
不適切。理事長の承認を受けた専有部分に関する修繕等の工事後に、
当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、
当該工事を発注した区分所有者の責任と負担により必要な措置をとらなければなりません(標準管理規約17条6項)。
仮に本肢が適切だとすると、
組合員の一人に過ぎない理事長が責任追及されることになりかねないので、
理事長は専有部分の工事を承認するのが怖くなってしまうでしょう。
適切。区分所有者は、理事長の承認を要しない専有部分に関する修繕等のうち、
工事業者の立入り、
工事の資機材の搬入、
工事の騒音、振動、臭気等工事の実施中における共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要があるものを行おうとするときは、
あらかじめ、理事長にその旨を届け出なければなりません(標準管理規約17条7項)。
適切。共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、
防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、
管理組合がその責任と負担において、
計画修繕としてこれを実施するのが原則です(標準管理規約22条1項)。
ただし、管理組合が前項の工事を速やかに実施できない場合、
区分所有者は、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けることにより、
当該工事を当該区分所有者の責任と負担において実施することができます(標準管理規約22条2項)。
専有部分の修繕等について、
専門家の一人としてマンション管理士がアドバイスを求められる場合もあります。
標準管理規約を通じて、
まずは手続きのオーソドックスな流れを把握しておきましょう。
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