マンション管理士 過去問
令和3年度(2021年)
問5

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問題

マンション管理士試験 令和3年度(2021年) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

専有部分と敷地利用権の分離処分の禁止に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
  • 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、規約に別段の定めがない限り、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。
  • 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、一筆の土地の一部について専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することを認める規約を設定することができない。
  • 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合の専有部分とその専有部分に係る敷地利用権との分離処分禁止に違反する処分は、分離処分禁止の登記がなされていない場合、その無効を善意の相手方に主張することができない。
  • 最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができるとの規約を公正証書により設定することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

 専有部分と敷地利用権の分離処分の禁止に関する出題です。 

選択肢1. 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、規約に別段の定めがない限り、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。

 区分所有法22条1項によると、「敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない」とされるので正しいです。

選択肢2. 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、一筆の土地の一部について専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することを認める規約を設定することができない。

 区分所有法22条1項によると、「敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。」とされるので、専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することを認める規約を設定することができないという部分が誤りです。

選択肢3. 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合の専有部分とその専有部分に係る敷地利用権との分離処分禁止に違反する処分は、分離処分禁止の登記がなされていない場合、その無効を善意の相手方に主張することができない。

 区分所有法23条によると、「敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合の専有部分とその専有部分に係る敷地利用権との分離処分禁止の規定に違反する専有部分又は敷地利用権の処分については、その無効を善意の相手方に主張することができない。ただし、不動産登記法の定めるところにより分離して処分することができない専有部分及び敷地利用権であることを登記した後に、その処分がされたときは、この限りでない。」とされるので正しいです。

 ちなみに、分離して処分することができない専有部分及び敷地利用権であることを登記する前善意の相手方に対してのみ無効を主張でき、それ以外は、無効を主張できないと考えると覚えやすいです。

選択肢4. 最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができるとの規約を公正証書により設定することができる。

 区分所有法32条によると、「最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書によりその有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができるとの規約を設定することができる。」とされているので正しいです。

 ちなみに、最初に建物の専有部分の全部を所有する者とは、新築マンションの分譲業者等を想定しています。

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02

正解は2です。

1 正しいです。区分所有法22条1項の定めの通り、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができませんが、規約に別段の定めがあるときは、この限りではありません。

2 誤りです。上記の1にあるとおり、規約に別段の定めがあるときは、分離して処分することも可能となります

3 正しいです。区分所有法23条の定めの通り、専有部分と敷地利用権の分離処分の禁止の規定の処分については、その無効を善意の相手方に主張することができません。ただし、分離処分ができない専有部分及び敷地利用権であることを登記した後に、その処分がされたときは、この限りでないので、正しいです。

4 正しいです。最初に建物の専有部分の全てを所有する者は、公正証書により、専有部分と敷地利用権の分離処分を認める規約を定めることができます。

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03

専有部分を所有するためには、

その下にある敷地を利用する権利が本来は必要です。

それを分離処分して現金化することが横行し、

権利関係が複雑になってしまう状態が多発したため、

現行のルールになりました。

つまり、分離処分okときたら、

築古のマンションをイメージするとよいです。

選択肢1. 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、規約に別段の定めがない限り、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができない。

正。敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、

区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができません(区分所有法22条1項)。

選択肢2. 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、一筆の土地の一部について専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することを認める規約を設定することができない。

誤。別肢で解説した通り、

原則として専有部分と敷地利用権は分離処分ができません。

ただし、規約に別段の定めがあるときは、

専有部分と敷地利用権は分離処分することができます(区分所有法22条1項)。

選択肢3. 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合の専有部分とその専有部分に係る敷地利用権との分離処分禁止に違反する処分は、分離処分禁止の登記がなされていない場合、その無効を善意の相手方に主張することができない。

正。分離処分禁止の規定に違反する専有部分又は敷地利用権の処分については、

その無効を善意の相手方に主張することができません。

ただし、不動産登記法の定めるところにより分離して処分することができない専有部分及び敷地利用権であることを登記した後に、

その処分がされたときは、

その無効を善意の相手方に主張することができます(区分所有法23条)。

選択肢4. 最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができるとの規約を公正証書により設定することができる。

正。最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、

公正証書により、以下の規約を設定することができます(区分所有法32条)。

 

(1)規約共用部分

(2)規約敷地

(3)専有部分と敷地利用権の分離処分

(4)区分所有者が数個の専有部分を所有するときの各専有部分に係る敷地利用権の割合

まとめ

分離処分できない敷地利用権を登記すると、

「敷地権」となります。

敷地利用権、敷地権となり得るものは微妙に異なるので、

覚えておきましょう。

 

敷地利用権→敷地権

(1)所有権→○

(2)地上権→○

(3)賃借権→○

(4)使用借権→×

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